A.はじめに
草下(1982)には,長野県小県郡の鉱物産地として,ここ武石村武石の武石産地や
次に紹介する同村二本木の焼餅石産地などが紹介されている.
今回,帰省を機に武石村を訪れて,武石産地と焼餅石産地を訪れた.ただ,今回の
採集は画像などがないので簡単な報告にとどめ,次回詳しく報告します.
B.産地及び交通
<産地>
焼餅石の産地は,武石産地からさらに西側の方にある.最寄のバス停は「二本木」で
ある.バスに乗らなくてもそれほど時間はかからないと思う.車であれば,「武石探査」
のページに書いてある新道との十字路を左(西側)に曲がる.道なりに進んでいくと,
武石川にかかる橋を渡る.橋の先に「二本木」バス停がある.バス停から右手の山を見
ると,二つの沢があり,私は,このうち草下(1982)にある,左手の沢で採集した.沢
の入り口まで細い道が続いており,車も止められる.
<交通>
最寄駅:しなの鉄道大屋駅 バス:「二本木」下車(今回は車だったので,行き先が
分かりませんでした)
C.採集鉱物
硫化鉱物
1.黄鉄鉱 pyrite
焼餅石と同じ母岩から,石英などを伴って最大2oほどの立方体自形結晶をなすも
のを採集した.
珪酸塩鉱物
2.緑レン石 epidote
「焼餅石」として有名(草下 1982).この産地では,熱水により変質した,安山
岩中の空洞に二次性鉱物として晶出している.石英と共生するものもあり,「うぐい
す餡」と称されるものもあるという.最近は良品は減っているとのことである.しか
し,母岩は多量にあるので運次第かもしれない.
ところで,緑レン石の脈に何となく方向性が見られるのに気付いただろうか.私も
なぜかなと思ったので,高校のH先生に伺ってみると,母岩が安山岩であることが原
因だとのこと.つまり,噴出岩(溶岩が流れて出来た火山岩)なので内部の気泡が,
一定の方向に引き伸ばされ,その後に熱水変質が起こり,もともと方向性を持った気
泡の中に緑レン石が晶出したからである.
D.おわりに
草下(1982)にも報告されている有名産地での採集であったが,まずまずの標本が 採集できた.次回は,産地,標本の画像も入れて詳しく紹介したいと思います.また, この他にも長野県小県郡には,玄能石産地,沸石産地といった有名な鉱物産地がある ので,そのうちにシリーズを組んで書きたいと思います.
E.参考文献
1)草下英明(1982):“鉱物採集フィールドガイド”,(草思社)
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