A.はじめに
草下(1982)には,長野県小県郡の鉱物産地として,ここ武石村武石の武石産地や
次に紹介する同村二本木の焼餅石産地などが紹介されている.
今回,帰省を機に武石村を訪れて,武石産地と焼餅石産地を訪れた.ただ,今回の
採集は画像などがないので簡単な報告にとどめ,次回詳しく報告します.
B.産地及び交通
<産地>
武石の産地は,つつじの名所として知られる武石公園の北側にある.私は武石山(
標高888m)のふもと辺りの砂採り場から採集した.最寄のバス停は「鳥居前」で,
鳥居の道を通って北上すると,草下(1982)には載っていない新道が出来ている.こ
こは十字路になっているが,直進して,林道へ進む.しばらく進むと右手に砂採り場
がある.武石はここの採掘斜面から分離結晶を探したり,赤茶けた凝灰岩を割り,中
に入った結晶を探したりして採集する.
<交通>
最寄駅:しなの鉄道大屋駅 バス:「鳥居前」下車(今回は車だったので,行き先が
分かりませんでした)
C.採集鉱物
酸化鉱物
1.武石(黄鉄鉱後の褐鉄鉱仮晶)
最大径7oほどの五角十二面体結晶をはじめ,母岩付きを3点ほど,分離結晶を10
点ほど採集した.やはり1cm以上の結晶はなかなか難しいようである.目の細かいふ
るい(5o位)があると効率的に採集できそうである.
ここで武石の名について.武石とは,黄鉄鉱が天水の影響でもとの結晶の形態を保
ったまま褐鉄鉱に変質しているもののうち,五角十二面体のもののことをいう(木下・
小川 1995)とされている.もともとはここの住民が村の名を取って武石(ぶせき)
と呼んでいたものが,日本での模式的な標本とされたため,広く浸透したものである.
なお,立方体のものを枡石,変質が不完全で黄鉄鉱が残っているものは金武石と称す
る(木下・小川 1995).
D.おわりに
草下(1982)にも報告されている有名産地での採集であったが,まずまずの標本が
採集できた.次回は,産地,標本の画像も入れて詳しく紹介したいと思います.
なお,武石産地周辺はきのこ山となっており立入禁止期間(秋)が設定されていま
す.禁止の期間はトラブルを避けるために遠慮しましょう.
E.参考文献
1)木下亀城,小川留太郎(1995):“岩石鉱物”,(保育社)
2)草下英明(1982):“鉱物採集フィールドガイド”,(草思社)
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