注意:甲武信鉱山は入山料が必要です.
A.はじめに
前日の小川山での採集の疲れを「湯沼鉱泉」で癒し,採集会2日目を迎えた.今日
は24名の参加者があるそうで驚きました.残念ながら今回は神奈川のKMさんは体調
が悪くこられないと言うことである.久々に会えると楽しみにしていたのですが・・・
参加者は車に分かれて乗り込み,川上村梓山地区にある甲武信鉱山へと向かった.
ここで採集会を企画して,私を参加させて下さったN氏,2日間お世話になったY
氏をはじめ,参加者皆様に厚く御礼申し上げます.
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| 図1 甲武信鉱山鉱山(2003年) |
<産地>
甲武信鉱山は長野県川上村東部の長峰の北東斜面に位置している.明治初期の頃か
ら鉱物産地として有名であり,鉄を採掘していた時期もある.もともとは甲斐の武田
信玄が金を掘ったとされており,(草下 1982)江戸時代には山の裏側にあった川端
下坑が長尾金山と称して金の採掘がかなり盛大に行われていたようである.
鉱床は接触交代鉱床で,各種のスカルン鉱物や貫入してきた石英脈から水晶が採集
できます.当産地の鉱物は大きさ,美しさ,共に優れたものが多く,採集に行けばそ
れなりの成果が期待できる産地である.しかし,鉱山の規模も大きいので,最初は誰
かに案内してもらうと良いでしょう.なお甲武信鉱山は私有地であり,採集にあたっ
ては入山料(1000円)が必要です.ただし「湯沼鉱泉」宿泊者は無料です.左の図は
鉱山入口と,そこに立つ注意の看板です.
<交通>
最寄駅:JR小海線 信濃川上駅 「梓山」行きバス 終点下車(車利用が良い)
C.採集鉱物
≪ベスブ石露頭・ズリ≫
珪酸塩鉱物
1.ベスブ石 Vesvianite
緑褐色〜あめ色で強い光沢をもつ板状〜柱状結晶.条線が良く発達している.最大
で2cm近いものが採集できる.ベスブ石露頭はここ最近有名になった場所で,かつて
は露頭から良品が取れたようであるが,現在はすでに露頭はやせ細り,露頭を崩した
ズリのほうが効率的に良品を効率的に採集できるとのことでした.
なお,ベスブ石の名は世界史でもその名の出でくるイタリアのベスビオ火山に因む
ものである.研究されたものがベスビオ火山産の標本だったためである.火山の放出
岩中に産するらしい.
2.灰鉄ザクロ石 Andradite
ベスブ石と共生,半透明の粒状結晶.径1cm程度で,美しいガラス光沢の結晶面を
もつものも多い.埼玉のAZさんが良品採集.
3.灰鉄輝石 Hedenbergite
代表的なスカルン鉱物.緑〜褐色柱状の結晶をなし,結晶面が観察されることもし
ばしばである.また,透輝石との間に完全固溶体を作る.中間的な組成のものは,サ
ーラ輝石という.
4.緑簾石 Epidote
スカルン塊の空隙に,条線のある緑色柱状結晶として産出.山梨県のAMさんより
きれいな結晶を頂く.
≪松茸水晶ズリ≫
珪酸鉱物
1.水晶 Rock crystal
最初は全く松茸水晶は採集出来ず,普通の緑水晶や透明の水晶を採集するに留まっ
た.しかし,帰り際にNさんが掘っていた地点(そこからは良品が出ていた)を掘っ
ていると長さ6cm程の立派な松茸水晶が採集できた.
D.おわりに
1年ぶりに甲武信鉱山を訪れることになったが,今回は雪もほとんど無く,良かっ
た.また前回採集できなかった松茸水晶なども採集できた.また訪れてみたいもので
ある.
さて,前日の小川山での水晶採集に始まった5月連休採集会もあっという間に
終了となった.同好の人達と,本当に楽しく充実した時間を送れたことは大変良かっ
た.ここで改めまして参加者の皆様に深い感謝の意を表します.
E.参考文献
草下英明(1982):”鉱物採集フィールドガイド”(草思社)
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