37)群馬県のマンガン鉱山 その2―桐生市黒川鉱山 Kurokawa Mine,Kiryu City, Gunma Pref..

A.はじめに

 茂倉沢鉱山での採集を終えて,軽く食事をとった後,次の目的地の黒川鉱山に向かった. 黒川鉱山はやはり層状マンガン鉱床で,桐生市の市街地に近いためかつては盛大に採掘され た時期もあったようである.ここでもバラ輝石など代表的なマンガン鉱物が採集できたので 報告する.

B.産地及び交通

<産地>
 最近発行された「フィールドベスト版 日本の鉱物」にもこの黒川鉱山は紹介されている が,分かりやすい場所で鉱石も多量にあるのではじめてマンガン鉱物を採集しに行くには良 い場所かも知れない.産地は市立菱小学校と菱中学校のすぐ東側にある道をさかのぼって行 った場所にある.右手にため池が出てきたら産地まではもう少しである.そのまましばらく 進むと右手に堰堤がある.このあたりの河原を見ると沢のあちこちに真っ黒なマンガン鉱石 が転がっているので,これを割って採集する.ただ,筆者が訪れたときは付近で植林? か何 かの作業が行われているようだった(その日は作業はなかったが)ので工事関係者の迷惑に ならないように気を付ける必要がある.また,沢に面した山の斜面にもマンガン鉱石がある. この産地は低変成の鉱床のようで,「層状マンガン鉱床」の名の通りの構造が観察できる.

<交通>
最寄駅:JR両毛線 桐生駅または東部桐生線 新桐生駅

C.採集鉱物

酸化鉱物

1.緑マンガン鉱
 緑色緻密塊状で産する.割りたての緑マンガン鉱はなかなか綺麗だが,すぐに酸化して黒 くなってしまうのは惜しい.ちなみに結晶質のものは酸化の進行が遅いといわれているが, 一体なぜなのだろうか?
2.軟マンガン鉱
 マンガン鉱石の表面を覆う真っ黒な酸化皮膜.河原やズリではこれを目印にして採集をす る.また重たいのも特徴である.
3.ハウスマン鉱
 高品位のマンガン鉱で,褐色.菱マンガン鉱などと層状の鉱石を形成している.

炭酸塩鉱物

4.菱マンガン鉱
 ハウスマン鉱と含んだ部分はマンガン品位 40%程度で,本鉱床の主要鉱石となった.

珪酸塩鉱物

5.バラ輝石
 当産地で最も他産する鉱物の一種.多くはピンク色の緻密な塊状だが,ややまれに結晶が 粗粒となって色の濃いものがある(といっても細かいものだが)場合もある.

D.おわりに

 短時間での採集だったが,典型的なマンガン鉱石が採集出来て良かった.鉱石も多量にあ るのでなかなか良い産地であると思った.しかし,たった数Kmしか離れていない茂倉沢鉱山 とは鉱石の質が同じ層状マンガン鉱床でもかなり違うのは面白い.この地域には他にもたく さんのマンガン鉱山があるのでまた行ってみたいと思う.
 あと,この鉱山では硼酸塩鉱物が産出するとも聞いたことがあるので情報を確認し,鉱石 をじっくり眺めてみようと思う.
<採集日:2003年11月23日>

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