A.はじめに
東京都は,ご存知の通り,日本最大の人口を持つ自治体で,当に日本の
(行政の)中心地である.筆者は3年間,東京都にあるS高校に通学して
いたが,確かに自然らしい自然は余りなかったと今更ながら感じている.
ところが,23区を出て,東京西部の奥多摩地方に行けば,そこにははまだ
素晴らしい自然が私たちを待っている.
今回は,そんな東京都に残された鉱物産地の情報について報告します.
ただしこの産地の中で筆者が訪れたことがあるのは奥多摩鉱山だけなので
産地位置などの詳細については不明である.
B.産地及び交通
1.青梅市宮ノ平
<産地位置> JR青梅線 宮ノ平駅北西(ただし採石場.よって採集許
可が必要)
<産出鉱物> 方解石,重土十字沸石などの沸石族鉱物.石灰岩と粘板岩
が存在しており,その周縁部に各種鉱物が産出するという.
<摘 要>昨年,奥多摩鉱山を訪れた帰りに寄ってみたが,日曜日で採石
場が休みで採集できなかった.
2.あきる野市神谷鉱山
<産地位置> あきる野市神谷 JR五日市線 武蔵五日市駅
<産出鉱物> バラ輝石,菱マンガン鉱.秩父古生層中の層状マンガン鉱
床.
3.奥多摩町白丸鉱山
<産地位置> 奥多摩町白丸ダム湖底(水没) JR青梅線 白丸駅
<産出鉱物> 菱マンガン鉱,キュムリ石,重土十字沸石,方解石,石英,
マースター石,多摩石(東京都初の日本新産鉱物),ガノフィル石,ブラ
ウン鉱
<摘 要> 草下(1982)にも紹介されている東京都を代表する鉱物産地
である.ふだんは白丸ダムの湖底に沈んでいるが,何年かに一度放流など
の理由で干上がる.そのときに行って採集するのである.この産地も古生
層中の層状マンガン鉱床なのであるが,奥多摩地域の他の鉱床と比べ,産
出鉱物が特殊である.今年の春にも旧坑が現れて,科博の松原聰先生の研
究グループも訪れたらしい.一度訪れてみたい産地である.
4.奥多摩町奥多摩鉱山
<産地位置> 奥多摩町奥多摩駅北東 JR青梅線奥多摩駅
<産出鉱物> 菱マンガン鉱,ブラウン鉱,軟マンガン鉱,バラ輝石,パ
イロクスマンガン石,ベメント石,テフロ石,石英
<摘 要> 産地情報第4回を参照して
下さい.
5.奥多摩町廉川鉱山
<産地位置> 奥多摩町日原鍾乳洞先 滝上谷上流 JR青梅線奥多摩駅
<産出鉱物> ブラウン鉱,軟マンガン鉱,アレガニー石,ハウスマン鉱,
緑マンガン鉱.
<摘 要> 奥多摩地区のマンガン鉱山中最後まで稼行された.
6.奥多摩町大沢鉱山
<産地位置> 奥多摩町大沢上流 JR青梅線奥多摩駅
<産出鉱物> 菱マンガン鉱
C.おわりに
今までとはちょっと違う感じの産地情報になりましたが,いかがでしょう.
東京にもまだこんな自然が残されているということを,実感してもらえれば
嬉しいです.筆者もまた訪れたことのない産地ばかりで記事を書くことで,
勉強になった気がします.
D.参考文献
草下英明(1982):”鉱物採集 フィールドガイド”,(草思社)