A.はじめに
八幡山での水晶採集のあとで,増富鉱山跡地にいったん集合した.その際,
10分間程鉱物を探した.ここは美しい藍色をした銅藍(コベリン)などの銅
鉱物の産出で有名であったが,現在はどうかと思いざっと観察しましたが,
サイズと質を気にしなければまずまず銅藍は採れるようだったので,簡単に
報告します.
B.産地及び交通
<産地>
増富鉱山に鉄道とバスを利用していくのはなかなか骨が折れます.JR中央
本線韮崎駅から増富温泉行きのバスに乗り,終点で降ります.今回は採集会
だったので成田のYさん一家の乗用車に乗せてもらいました.
増富鉱山は,東洋一のラジウム泉として有名な増富温泉から4kmほどの
本谷川沿いにあります.増富鉱泉から,道なりに金山平に向かって歩いてい
くと,1時間前後で川も道を二手に別れる場所に出ます.この分岐付近が増
富鉱山のあった地点です.分岐地点の所に何か木組みがありますが,これは
かつての貯鉱場の小屋の残骸です.今回はここで採集を行いました.
道を左手に進むと,数10mで白い大きなズリ山が対岸に見えます.この付
近の沢にかつて坑道があったが,現在は埋まっている.(清水・角田 1987)
増富鉱山については清水・角田(1987),山梨県(1970)が述べており,
花崗岩・アプライト中の銅-石英脈を採掘し,品位は平均6%とされている.
<交通>
最寄駅:JR中央本線 韮崎駅 「増富温泉」行きバス(運賃は確か1000円程)
C.産出鉱物
硫化鉱物2種,珪酸鉱物1種を採集した.
硫化鉱物
1.銅藍
多孔質粗粒の石英塊中に藍青色薄板状結晶をなす.時折六角形の自形も見ら
れる.
2.硫砒銅鉱
YさんとN氏が,石英脈の転石中に入った黒灰色針状結晶を採集した.
清水・角田(1987)によれば,かつては厚い板状の結晶が産出した.
珪酸鉱物
3.水晶
増富鉱山の脈石鉱物であり,空隙に1-2oの小さな水晶が観察できる.
この他にも黄銅鉱,黄鉄鉱,重晶石,コルヌビア石(銅の含水炭酸塩鉱物の
一種),自然金が産出したと報告されている(清水・角田 1987;山梨県 1970).
D.おわりに
今回はゆっくりと採集時間が取れなかったので,そのうちにじっくりと調査
を行ってみたいと思います.当日一日,早朝から成田より車に乗せて頂いたY
氏御一家と,採集会を企画して,産地を案内して下さったN氏に深謝いたしま
す.
E.引用文献
清水正明・角田謙朗(1987):”山梨県地学のガイド”;田中収 編,(コロ
ナ社)
山梨県(1970):”山梨県地質図”,(山梨県)
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