注意:甘南備山は2009年頃より,採集禁止となったようです.
A.はじめに
この当時,筆者がまだ訪れた事のない都道府県が鹿児島,宮崎及び沖縄の三つであった.
当時は学生で時間は沢山あったので北海道出身の友人Tと車でのんびり鹿児島,宮崎を
目指してみようということになった.延々走り続けるのも情緒がないというので,珍しく
多少は観光もしようと言うことになったが,やはり石も見たいので,表記の甘南備山を
予定に組み込んだ.甘南備山は国道から多少外れた場所にあるが,駐車場もあり,
アクセスは容易な場所であった.
B.産地及び交通
<産地>
甘南備山は京都府京田辺市に位置する標高 221mの小山である.周辺地域の平坦部は
殆ど第四紀の堆積岩層であるが,甘南備山とその周辺には,ジュラ紀中〜後期の付加体
が分布し,その南方及び東南方面には白亜紀の花こう岩が分布している.甘南備山の
地質は,チャート,砂岩,頁岩などからなるが,花こう岩の影響で砂岩及び頁岩はホル
ンフェルス化している.また,堆積岩類を多数の石英脈が切っており,その晶洞部に
水晶が産する.石英脈の膨張部では長さ 10cm程の水晶も見られたようである.
なお,甘南備山は2009年頃に露頭の崩落が心配されるために安全対策で採集禁止と
なったようです.
<交通>
最寄IC:京奈和自動車道 京田辺IC 近鉄新田辺駅及びJR京田辺駅よりバス便あり「一休寺」下車
C.採集鉱物
1.水晶(煙水晶) Quartz (Smoky Quartz)
観察出来た水晶は最大で 2cm程度であったが透明度は高い.この産地では日本式
双晶の産出が報告されており,また少量の硫化鉱物(輝水鉛鉱,黄鉄鉱)や鋭錐石
も産出するという.
D.おわりに
採集を始めてしばらくすると子供達が続々とやって来たのもあって,短時間で観察
は切り上げた.少なくとも筆者が訪れた時には危険な箇所は見られなかったが,その
後,随分状況が変わったのか,それとも市役所の方針が変わったのだろうか?
気軽に水晶を観察するには良い場所だと感じただけに多少残念である.