A.はじめに
前日,岡山県井原市日吉鉱山にて藍銅鉱を採集した後,ひたすら東に進み大阪から南下し
て生まれて初めて和歌山県に入り,国道26号を疾走しながら和歌山ラーメンの店を探したが
結局,見つけることも出来ないまま本州最南端の地,潮岬に到着してしまった.既に辺りは
真っ暗で,橋杭岩(岩脈が侵食されずに残ったものだろうか)も何となくしか見えないので,
灯台にも行ってみた.その後湿気を避けて国道沿いの高台まで移動し,コンビニで買ったビ
ールを数本飲んで就寝.翌朝5時前に目が覚めてしまい早速移動する.朝は余り車がいない
ので快調に車を走らせ,太地町には少し早目の到着となる.
B.産地と交通
<産地>
産地は太地町太海に位置する.防波堤から伸びる小さな岩場がある.この岩場は泥岩であ
り,この泥岩の一部に褐鉄鉱を伴い緑色のパラアタカマ鉱が脈状に存在している.小規模な
熱水活動に起因する鉱脈である.その熱水の起源としては近くに存在している花コウ斑岩で
ある可能性がある.
<交通>
国道42号線から太地町内に入る.駅からも遠くない.
C.採集鉱物
1.パラアタカマ石
泥岩中に走る褐鉄鉱を伴う細い脈に生成した濃緑色の微細な結晶や皮膜状で産出する.化学
組成は Cu2+2Cl(OH)3.銅の一部は亜鉛に置き換えられる
事もある.へき開は良好とされるが,主に皮膜状で産出するので観察できない.三方晶系.硬
度は3.比重は3.6〜3.8.条痕色は薄い緑色.2日前に萩市志津木鉱山では満潮で採集出来な
かった(到達も出来てない)アタカマ石と同質異像の関係にあり,パラアタカマ石も塩素の存
在下にて生成する.
D.終わりに
その後三重県内に入り,大台町の「まるにや」にて三重の地酒を購入.店主がこの地域の地
酒について詳しく教えてくれたのもあって何本か購入.その後愛知に入り国道1号線に乗って,
静岡にいる時に埼玉のA師と話した結果,まず埼玉に行って早速三重の地酒を飲むことにする.
1号線が混雑していたのと時間の関係上沼津ICより高速に入り,首都高を経由して埼玉に着き,
今回の鉱物旅行の話で大いに盛り上がったのだった.
今回の旅行の走行距離は何と約3300km.これを1週間ちょっとで走りきったのは今考えてみれ
ばすごいことかも知れないと思った.名前しか知らなかった多くの産地を訪れ,当たり外れは
あったものの収穫の多い採集行だったということで,この一連の西日本採集記シリーズを締め
くくりたい.