正真正銘の戦慄のアリストクラシー

20031024()

 授業の出席の返事だけしに学校へ向かう途中、steive rikiyaから、「おもろいもん手に入れたので、うちに来ませんか?ニヤニヤ」というメールが入ったので行くことにした。彼の手に入れたものとは、私たちが組むバンド「夢劇場」のパクリで、今アメリカで異例のヒットを挙げている”DREAM THEATER("DREAM THEATER”て・・・、まんま「夢劇場」の直訳じゃないっすか・・・(;´д`))”の曲のプロモーションヴィデオだった。その楽曲とは”TAKE THE TIME(これまた、我々のヒット曲「時間をかけてこつこつと」の直訳じゃないっすか)”。映像は、80年代の色を少し引きずる92年の彼ら。ヴォーカルのラブリエは、おじいちゃんっぽい顔をしながら、アクティブに動きまくっていた。かわいいジョン・ミュング(ベーシスト)は、かわいいわりに、体つきはでかそうだ。それにしても、我々のヒット作をパクった上に、大事な楽曲のいくらかの部分をいかにも「面倒くさい」といわんばかりにゴリ押しで編集しているのには憤慨した。

 そのあと、Crazy KTも入れて、私の新居に来て本家「夢劇場」のライブに向けてのリハーサルをシコシコやることとなった。小一時間ばかりの小粋なドライブの末、私の新居に着いた。夜も遅かった。家に入ろうと入り口に行くと、トイレの灯りが着いていた。私は、「Shit()!!消し忘れたか・・・!!」と、思った。しかし、気を取り直して中に入ってトイレに行くと、何と扉の鍵も閉まっているのだ。

 

「誰か・・・いるのか?」

 

気のせいかと思い、扉をおしたりひいたり、ノブをひねったりひねらなかったりしてみたが、開かなかった。

 

「・・・ちょっと待ってくれよ・・・。ありえへんて・・・。」

 

ノックをしたが返事はない。電気を消してみたが、悲鳴もない。

 

「誰か、死んでんちゃうんか・・・。それか、強盗がお仕事中に我々が帰ってきたから隠れたのか・・・。」

 

とりあえず、家に電話すると親父で中国系アメリカ人1世が故郷アメリカからかけつけてくれることになった。それまで、トイレから何か出てきたときのために竹刀を出して待っていた。何せ私は、Junior High School時代、日本流フェンシング「KENDO」を嫌々、適当にやっていた戦歴があるのだ。

 しばらくして、親父がかけつけた。親父は陽気なアメリカ人(ただし中国系)なだけあって、陽気にトイレの小窓をこじあけると、中には誰もいなかった。どうやら、私がその日の朝、トイレを使用後、間違ってノブの鍵を閉めて扉を閉めてしまったらしい。扉の鍵ってのは、鍵をかけると、扉から壁にむかって出っ張りが引っかかるタイプと、単にノブが動かなくなるタイプとがありまして、前者は扉を閉め切らないと鍵がかからないのだが、後者は扉を閉めずとも鍵を閉められるわけですね。だから、後者は密室を作ることができるのですよ。で、このトイレは後者なのですよ。

 

You fuckin’ dumbass!! (ばかたれ!!)

 

親父はでかい声で言って、帰っていった。

 その後の夢劇場のリハーサルだが、今回の出来事に関して、メンバーの精神状態には幸い影響はなかったので118日のギグは中止にならずに済みそうだ。

Written by Kimberly Chang

Translated by koichi kimuRa