外国人トリロジー

2003914()

 僕のアメリカ時代の友達に、Swen Swensonという男がいる。高校の時の友達で、当時はなかなかイかしたドラマーだった。

名前と苗字が似ているため、うちの家族の間で「野比のび太」と一時期呼ばれていた。アメリカにはこんな感じの名前のやつが時々いるのだ。

Matt Mattsonとかね。顔はなかなか男前、というかおばはんウケがよさそうな、笑顔がさわやかな好青年だ。

イヤーブック(卒業アルバムのようなもの)の写真を見て、よその家のおかんが「この子、ええやないの〜」と絶賛するタイプの男だ。

僕が日本に来てから何度か手紙のやり取りをしていた。彼の手紙はいつも、少年のようなくだらない凝り具合が施されていて、見てて楽しかった。

一枚切手を貼れば済むところを、わざと安い切手を何枚も集めて封筒の半分くらいのスペースを使って貼っていたり、おかしな落書きをしていたり・・・。彼は、とてもイカしたコリストさ。僕も、コリストだもんで、おかしな曲ばかり入れたデモテープを送ったりしたよ。

そんな彼が、最近手紙をよこしてきたところによると、何かビジネスを始めたらしい。

企業に向けてのITアドヴァイズ及びWebページデザインの会社だ。約22歳の若社長だ。大したもんだ。

しかし、成功するかこけるかはこれからだ!!頑張れ、Swen!!マネーの虎は終了したが、虎になれ!!何も阪神ファンになれと言ってるのではない。

道頓堀にも来なくていい!!虎になって、僕に投資してくれと言っているのだ!!しかし、彼の会社の作ったHPのサンプルをいくつか見せてもらったけど、

完成度高いわ。

 

僕のアメリカ時代の友達に、Chris Piousford(仮名)という男がいる。彼はいいやつだ。そして、とてもエロいやつだ。

高校時代の話だが、彼が、やたらやつれてくることがあったので心配になって、

「やあ、クリス。どうしたんだい?元気がないじゃないか。何かあったら相談してくれよ。俺たち、フレンズじゃないか。」

と聞いてみたら、青白い顔でとうとうと語り始めた。

彼によると、隠していたエロ本を親に捨てられてショックを受けていたらしいのだ。彼の親は厳格なキリスト教徒で、

彼らの前にポルノなどもっての他であった。しかし、Chrisはエロい男だ。ポルノの一つも持ちたいってもんだ。

そこで、エロ本を隠し持っていたわけだが、彼の言い分は、ポルノを持っていたからと言って、家族の生活に支障をきたしたわけでもないし、

世間に迷惑をかけたわけでもない。なぜ、親にエロ本を持つ権利を侵害されなければいけないのか、ということらしい。

もっともだ。僕も、彼の親の信教の自由を認めてやりたい。しかし、彼が息子のささやかな自由を侵害するなら、

その宗教心を否定せざるを得ない。僕は、彼を抱きしめ「君が正しい!!」と言ってやった。彼は、心が晴れたらしく、帰っていった。

しかし、その夜電話がかかってきて彼は言った。

「僕が正しいかどうかではなく、捨てられたエロ本の代わりをどうやって入手するかだよ。」

プラクティカルなやつだ。プライドよりも実際的な満足を取る。まあ、そんなもんだ。彼に罪はない。

しかし、そんなこと言われたって僕にはどうしようもないので、こう言ってやった。

 

「知らん。」

 

 しばらく経って、彼にその後どうしてるか聞いてみたところ、エロ本を捨てられてどうしようもなくなったので、

DREAM THEATERMetropolis Part2 Scenes From A Memoryの中のHomeの右チャンネルを一晩中聞いているらしい。

なんて、涙ぐましい。しかし、また、彼は不満を垂れ流し始めた。右チャンネルばかりウォークマンで聞いているので、

右耳ばかり使ってしんどい!!と。そういえば彼の顔の各パーツも心なしか右に寄ってきているなあ。気持ちはわかる。

方耳からしか聞こえないのはとてもしんどいことだ。僕も、以前ヘッドホンの左が断線して、右からしか聞こえないが、

金がなくて買いかえることもできなくて、右のみで聞いていたことがあるのでわかる。そんなことを続けていると、生活自体が右よりになってくる。

辛いもんだ。彼をよく見ると、髪型も右の七三分けになってきているではないか。あまりにもかわいそうなので、何とかしてやろうと思った。

 親切な僕は、彼からその音源を借りて、MTRやエレクトリックドリル(MAKITA)を使って、右チャンネルだけをモノラル録音し、

CDRに入れて彼に渡してあげた。それ以来、彼は幸せそうに再出発を始めた。彼の顔のパーツも定位置に戻り、髪形もセンター分けに戻った。

よかった。本当によかった。僕は、予てから気になっていたことを彼に聞いた。

「あのエロ本、どこに隠していたんだ?」

すると、彼は自信ありげにこう言った。

「ベッドの下さ。」

「ベタ過ぎる。そんなの見つかって当然だ!!いい加減にしなさい。」と叱ってやった。友達だからこそ、叱ってやった。

 

僕のデンマークの友達に、ティム・ヘントーセン(仮名)という男がいる。彼は、レゴおたくだった。

Written by Kimberly Chang

Translated by koichi kimuRa