2004年2月1日朝3時、私と友人O氏は車に乗り家を出た。中国自動車道からしまなみ海道を経て四国に突入。さらに愛媛県から四国を縦断するような形で高知県に入った。高知競馬場に到着したときは出発してから9時間が経過していた。気温はこの時期にしてはそれほど寒くなく、南国高知のイメージを肌で感じた。
この日私達が高知を訪れた理由はもちろんハルウララ号を見るためである。 |
ハルウララ号は8歳の牝馬で、その名はデビュー以来の連敗記録を伸ばしていることで全国区となった。
この日までの連敗は102戦。そして103戦目を迎えることとなった。
2003年12月に100戦目を迎えた際は全国から競馬ファンが押し寄せ、おおいに賑わったと同時に全国に報道された。
この日は100戦目ほどの客入りではなかったが、カメラ片手にハルウララを見に来たという人が、私を含め多数駆けつけていた。
競馬場に入ると早速写真のとおり「ネバーギブアップ ハルウララ」の立て看板を発見。競馬場もハルウララで何とか入場者を増やそうと躍起である様子が窺えた。
発売窓口もハルウララ専用窓口を設けていた。ハルウララの単勝馬券は「当たらない→車に当たらない」ということで、交通安全のお守りとして購入する人も多いそうだ。 |
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←入場門をくぐってすぐのところにある「祝 ネバーギブアップ ハルウララ 103戦記念」と書かれた看板。数字の部分は変えられるようになっている。 |
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←ハルウララ関連馬券専用前売発売所の看板。高知競馬場の単勝馬券は馬名が入らないため、別の場所にはハルウララのハンコが押せる場所が設けられていた。 |
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ニッポーテイオー |
リィフォー |
| チヨダマサコ |
| ヒロイン |
ラッキーソブリン |
| ピアレスレディ |
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ここでハルウララの血統やこれまでの戦績について簡単に見てみたい。
まず血統は左の表のとおりニッポーテイオー×ラッキーソブリンという血統。地味ではあるが、父方からはスピード、母方からはスタミナを受け継いでおり、決して悪いとは言い難い。
戦績は1998年11月に高知でデビュー以来、この日まで102戦未勝利、2着4回、3着6回、4着以下92回というものだ。これまでの総収得賞金は1,065,000円である。 |
この日の11Rにハルウララは出走していた。レース名は「ハルウララ観光功労者表彰特別」。どうやら高知県の観光協会から同馬が観光功労者として表彰されたらしい。
パドックには多くのファンと報道陣のレンズが待ち構えていた。馬体重は前走から6キロ増えて421キロにと発表されていた。そんな中ゼッケン7番をつけたハルウララは悠々と姿を現した。馬体重ほど小柄には見えなかったものの、冬毛が伸びていたせいもあって毛艶はイマイチであった。
二人引きでおっとりとしていたが、周回しているうちに徐々にイレ込んできた。ファンがカメラのフラッシュを焚いて写真を撮っていたからである。パドックの回りには係員が「フラッシュ撮影禁止」の紙を持っているにもかかわらずにである。
同馬は首を上下に振ったり、尻っ跳ねをしたりしていた。終いにはパドックの柵に脚をぶつけるというアクシデントも発生した。
停止命令がかかりジョッキーが騎乗。この日もいつものパートナー・古川騎手が騎乗して本馬場へと出ていった。 |
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←パドックを周回するハルウララ。420キロ前後の馬体だが、そこまで小さくは映らない。しかし尻は小さく見えパワー不足の感も…。 |
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←パドックには多くのファンや報道陣が押しかけた。しかしファンのマナーは悪く、フラッシュを焚く者が多く徐々に馬の方がイレ込んでくる。 |
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←返し馬に入るハルウララ。パドックでテンションが上がりすぎたので、古川騎手が馬をなだめながらの返し馬であった。 |
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返し馬に入ったハルウララは馬場を一周してスタンド前を通り過ぎた。ジョッキーは馬を何とか落ち着かせていた。
馬券の方は朝に比べ徐々にオッズは上がっていたが、最終的にカネトシフリーダムと並んで単勝2.4倍の1番人気でレースを迎えた。しかし馬連・馬単の馬券はあまり売れておらず、やはりお守りとして単勝馬券を買ったファンが多数いたことが窺えた。 |
レースはコガネニシキ、マルタカリライトといったあたりが逃げる展開になった。ハルウララも果敢に先行集団にとりついた。流れは平均ペースとなった。3,4コーナーの勝負どころを迎えると各馬のジョッキーが激しく手を動かしだした。ハルウララの古川騎手も懸命に押し始めた。
4コーナーでは3番手の外を回り直線に入った。後続が徐々に迫ってくるが直線半ばまでは先頭争いをし、スタンドからは大きな歓声が沸き起こった。
しかし残り150mのあたりで脚はなくなり失速、上位争いをする5頭からは引き離された。結果は勝ったカネトシフリーダムから0.5秒離れた6着であった。
これによってハルウララはデビュー以来103連敗を喫したこととなった。
ハルウララ観光功労者表彰特別(F9) ダ1300m 曇・良
| 1 |
カネトシフリーダム |
1.31.5 |
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単勝 6 |
240円 |
| 2 |
レディサバンナ |
クビ |
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馬連 2-6 |
300円 |
| 6 |
ハルウララ |
1.32.0 |
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馬単 6-2 |
510円 |
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←最後の直線。先行して見せ場は作るが、最後は力尽きた。掲示板争いからも脱落してしまう。 |
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←6着でゴールイン。残念な結果もスタンドからは温かい拍手もあちらこちらで沸き起こった。 |
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今回実際見て思ったことは、ハルウララのレースぶりは決して最低なものではないということだ。弱い馬の典型は他馬のスピードについて行けず、終始後方を進んでそのまま終わりという形である。
しかしハルウララは先行できるだけの脚もあるし、一瞬見せ場も作る。終いにバテてしまうのは同馬を管理する宗石調教師曰く「心肺機能があまりよくなくスタミナが続かない」かららしい。確かにハルウララのこれまでの戦績を振り返っても先行してバテているレースも多い。この先行力を生かせばいつか勝ってもおかしくないと思う。
ただ問題も多い。8歳という年齢からも上積みは期待できないし、年々若駒が入ってくるので相手に恵まれることも減ってくる。加えて最近の報道からファンが増えてきたが、今回のように無神経なファンがフラッシュを焚くことによって、せっかく陣営がコンディションを整えてきたのも台無しにしてしまう。競馬場関係者はファンのマナーについて徹底してほしいと思う。今回そのようなファンの粗暴な行為で馬がイレ込んでいくのを目の当たりにすると、私も終いには写真を撮るのが恥ずかしくなってきた。
〜今後のハルウララについて〜
3月22日にはハルウララに武豊が乗るということと、当該のレースを同日に行われる「黒船賞」(交流重賞)と共に全国発売することが決定している。100戦以上連敗している馬に日本のトップジョッキーが乗る。話題性は充分だが、これは競馬組合の客寄せや売上アップのための目的以外の何ものでもない。しかもいやらしいまでのパフォーマンスだ。私は悪いこととは思わないが、いやらしさが全面に滲み出ていると思う。
ハルウララは3月22日を以って引退するのではないだろうか。いや、そうしてほしい。もしそうであれば、おそらく当日はハルウララを勝たせるために、同馬が所属するクラスでもかなり弱いメンバーが集まるのではないだろうか。名手武豊を乗せて引退レースを勝ってハッピーエンドで終わるのか、そのまま連敗記録を伸ばして引退するのか分からないが、私は宗石調教師やスタッフの努力を考えると、何とか一勝して引退してほしいと思う。そんなに競馬は甘くないということは知っているが…。 |