8月4日(土)
湯河原のブレッド&サーカスまで18きっぷで出掛けたのは先週の話。
その時に立ち寄った静岡が思いのほか楽しくて、楽しいのに時間切れ
のまま帰る羽目になったのが悔しくて、翌週すぐにリベンジだ!と盛り
上がりつつ、りる吉さんとの旅を終えたのでした。
そして今日はお天気の具合もハッキリしないけれど「今日こそは静岡で
遊ぼう!」とだけ決めて後は成り行き任せ。先週よりも1時間遅い豊橋
行きの新快速に、またまた二人で乗り込みました。
最初に降りたのは豊橋駅。まだ愛知県から抜け出していませんがまぁ
文化圏としてはもう静岡みたいなもんでしょ。「美味しいホットケーキの
お店がある」とりる吉さんのオトモダチからの情報が気になって。でも
駅から少し離れた場所にあるので、雨じゃなかったら行こうか、って位
だったの。予報では雨が上がるかどうか?だったのですが、豊橋に着
いた時には、もう雨は降らなさそう。ホットケーキのお店は路面電車で
も数駅先で、開店時刻までかなり時間が有るのでぶらぶら歩いてみる
ことにしました。
ビルとビルの隙間に埋められそうになっている秋葉神社、隣の喫茶店
ではお約束のモーニング中。でも今は寄ってる場合じゃないのだよ。
電車通りに沿って歩いて行くと、脇道からふんわかイイ香りがしてき
ます。かつぶし屋さん”岩瀬かつをぶし老舗”に吸い寄せられ、手頃
な大きさの厚けずりをお買い上げ。「お料理屋さんのお出汁が取れま
すよ。」小袋といえども少し嵩張りますが、お値段も手頃な事もあって
折角見つけたお店で買わないで過ぎるもは勿体無いと。りる吉さんは
お浸しに掛けたら良さそうな糸けずりをお買上げ。きさは昨日スーパ
ーで糸けずりを買ったばかりだったんだよね〜悔しい。
まだまだ朝の時間帯の街をぶらぶら。気になる雰囲気のロシア料理店
(帰宅後調べたところ地元ではやはり有名だった・冬に行きたいなぁ〜)
やら、地元密着系のおやつ屋さんを発掘しつつ歩いていると、木蔭が
気持ち良さそうな公園がありました。陽射しを避けて一休み。
開店時刻に合わせて”三愛”さんにやってきました。外観を見たところ
手入れが行き届いていて、老舗の風格さえ漂わせています。ドアを開
けると、まるでヨーロッパの鉄道の食堂車のような佇まい(勿論乗った
ことなどない)で、こりゃ想像以上に凄い店だとわくわくしてきます。
上品なメニューを開くと、評判どおりの数ページに亘る珈琲の品書き。
どれにしようか悩んで悩んで(ストレートだけでも10種類以上、ブレンド
は20種類以上はあったはず)ベネズエラに決めました。りる吉さんは
一番苦味の強いなブレンドの中から23番を。
更に迷わすのがホットケーキの選択です。レモンスープホットケーキ
とチーズホットケーキだよね、と行きの電車で盛り上がっていたのです
が、いざメニューを開くと魅力的なものが並んでいてまたまた迷うの。
しかし初志貫徹で注文を告げます。
暫くすると店内に珈琲とホットケーキの焼ける甘い香りが漂ってきま
した。サイフォンで淹れられた珈琲は薄い、というイメージがありま
したし、そもそも豊橋の喫茶店で珈琲に過度な期待はしていなかった
(失礼!)のですが、驚くほど美味しい珈琲に「大変失礼をいたしまし
た。」と心の中で詫びる二人でありました。
そして待ちわびたホットケーキ様が登場しました。湯気が立つレモン
スープに浮かぶホットケーキ、そして見た目はプレーンに見えますが
上質のパルミジャーノが使われているチーズホットケーキ。美しい!
まずはレモンスープホットケーキから頂きました。うわぁ!ホントに
ちゃんとレモンスープだよ!ホットケーキのさっくり感は無くなりま
すが、これは素敵なデザートである事は間違いありません。凄いよ!
レトロな容器に入ったシロップを垂らしてもまた美味しくて、コレは
もうホットケーキを通り越してます。4分の1を食べて選手交代。
チーズホットケーキの方はもしかしたら外す?という実は不安が少し
だけありました。でもダーと一緒じゃ頼めないし、と思いきさが希望
したの。しかしそんな無礼を軽くあしらうような見事な風味と食感。
京都で見つけた三光堂のクッキーを思い出させる、何とも品の良〜い
お味です。これは注文して大正解でした。
お店の雰囲気も、マスターと奥様、それにおばあちゃま?のお人柄も
全てがこの地に在るべくしてあると思えるお店なのでした。ホットケーキ
と珈琲で1000円〜1500円位と安くはありませんが、それでもその
価値は十二分にあると思えました。
お腹も心も満たされ、駅まで路面電車に乗ろうか?それとももう一度
歩こうか?・・・違う道を選んで歩く事にしました。
店の中に飾られた面に引き寄せられたのは、明治から続く佃煮屋さん
濱金さんでした。要冷蔵のものが殆どだったので今日は諦めるしかな
かったのですが、真空パックになったアサリの生姜炊き(しぐれよりも
薄味のようで気にいった)をお買上げ。次回はクーラーバッグ持参ね。
商店街のアーケードでは車いすの専門店を発見。店先に並ぶ車椅子
は、家の中でも馴染む木製(なんと車輪も木製でした)のものや、競技
用のものが店内にも沢山ならんでいました。
他にも美味しそうな鶏肉店、駄菓子店、活気ある地元系スーパーやら
あちこちキョロキョロしながら駅まで戻りました。
予想以上に豊橋で時間を費やしてしまい、時間はもう11時半になろう
としています。次に乗り込んだ浜松行きの車内で、突如予定外の行動
計画を持ち出すきさに、りる吉さんは「ぜひ行きましょうよ!」と即決して
下さったの。浜松駅の改札を出て歩く事数分、肴町へ向います。
飲食店が立ち並ぶ通りに「魚河岸跡」の小さな碑が残されています。
その隣にお店を構える”弁いち”さんは仕出しも行う割烹。店先には
予約不要のランチのメニューが出されていて(コースは要予約)玄関を
で靴を脱ぎ、ふかふかの絨毯が敷き詰められた階段を上って2階の間
へ通されました。1000円のランチを頂くにはかなり贅沢な空間です。
注文したのは1200円の幕の内弁当、1000円の豚とろとろ角煮丼
です。女性は丼メニューに限り小盛りにしてデザートを付けて貰う事
もできるので、レディースセットにしてもらいました。
ゆっくり美味しいお茶を頂きつつ、すっかり寛ぐ二人。本来ならば夜
に選りすぐりのお酒と共に楽しむべきお店なのでしょう。でも今日は
18きっぷの旅、お値打ちで美味しいモノを楽しむ気分なのです。
1200円の幕の内弁当の中はそれはそれはしっかりと手間の掛かった
ものでした。さっくり揚がった海老の天麩羅、鮭の漬け焼き、鴨ロース
はもう1枚!と言いたくなるような旨みたっぷりなの。出し巻き卵は当然
のようにじゅわ〜っと美味しいお出汁たっぷり。高野豆腐に南瓜に茄子
の煮物も然り。大きめに切られたお刺身も嬉しい。シーフードのマヨ
ネーズ和え、卵豆腐と海草入りの赤出汁、美味しいお漬物。そうそう、
ご飯にたっぷり乗った柔らかく炊いたシラスも絶品。
やんばる島豚のバラ肉を崩れる直前まで炊いた”豚とろとろ角煮丼”は
これまた危険な丼です。コレは本当に小盛りなの??と何度も二人で
顔を見合わせるほどのボリューム。温泉卵を絡めてお汁たっぷりご飯
と一緒に口に運ぶと、そりゃもう至福のひととき。脂身の嫌いな女性
は少なく無いけれど、このトロトロの美味しさを知らずにいるなんて
勿体無いとしか言い様が無いよ!
お腹一杯だ・・・苦しいかも・・・でも絶対残す事なんて出来ない〜っ!
デザートの完熟メロンに香りの良いゆるゆるゼリーを添えまで完食し
大満足の途中下車ランチなのでした。
さて今度こそ本来の目的地・静岡に向うのだ。浜松から1時間揺られ
静岡に到着したのはもう3時近く。当初の予定よりも大分遅くなって
しまったけれど、先週よりは残された時間は多いはず。
まず向ったのは駅南にある”まるしま”さん。おにぎり屋さんなのですが
1本50円の静岡おでんがお目当です。早朝から営業しているのお店
なので、もう殆ど店仕舞いモードの時間帯を狙って訪問しました。
「おでんを少し食べさせていただきたいのですが〜」「そこ、座って。」
おでん鍋が埋め込まれたテーブルに陣取り、おっちゃんが鍋の蓋を開
けると・・・
おぉ、噂どおりの黒い出汁。スジとガツの脂が表面に膜になっていま
す。正直なところまだお腹は殆ど空いていない状態なのですが、この
タイミングを逃すと食べられない(閉店時刻も早いので)と思い2人で
3本だけ、という失礼な注文です。静岡おでんに欠かせないという黒
はんぺん(鰯などを骨ごとすり身にしてあるので黒身がかった色です)
と卵とガツにかつを粉を掛けていただきます。本当ならこの黒い出汁
もお皿にとって頂きたかったのですが、お玉は添えられていなかった
ので。それがチョッとだけ残念でしたが、1本50円で楽しめるんだから
ノープロブレム。もっと色々食べられたら良かったのになぁ。
閉店間近におでんを求めてやってきた女子二人組に話し好きのご主人
があれやこれやと話し掛けてくれました。最近の静岡おでんブームの
お蔭なのか、数軒ハシゴしているお客さんも珍しくないそうです。だから
少しだけの注文でも戸惑われる事もないみたい。扇風機の風だけでは
おでんを食べるには少々暑いけれど、それも含めて素敵なお店です。
駅からもとても近いので、静岡で乗り換えの折にはまた立ち寄りたい
ところ。きっとおにぎりも美味しいに違い有りませんからね。
「ごちそうさまでした。」とお店を出た二人、隣のパン屋さんの店先で
パン耳をハトに与えるご主人と、そのお店に並ぶクッキーが気になっ
たので中へ吸い寄せられていきました。
昔ながらのベーカリーという感じの”クリタパン”さんに入るとご主人が
「まぁウチのクッキー、食べてみてよ。」と、チョコチップ入りを1枚ずつ
試食させてくれました。想像通りの嫌味の無い昔ながら味です。品揃
えの中ではレーズンクッキーが気になるのは二人とも同じ。もう1つ
選ぶなら・・・1枚65円のアーモンドガレットかしら。二人で2枚ずつ
お土産にすることにしました。
先週見つけて気になったものの、時間切れで諦めた駅ナカの雑貨屋
さんや食材屋さんをあれやこれやと覗いていると、時間はあっと言う間
に過ぎて行ってしまうの。もうそろそろ2軒目のおでん屋さんに向わな
きゃ、と駅から繁華街に続く地下街を歩いていると・・・
「お、ゴディバのアイスショコラドリンクだ!」「帰りにする?」「いや、
今買って、飲みながら移動しよう。」
スタバのランバフラペチーノの高級バージョンとでも言えば良いのか、
”ショコリキサー”(何だか戦隊名のようなネーミングだなぁ)は5種類
で各630円。ダークチョコレートデカダンスを注文し、冷蔵ケースの上
に並ぶチョコバーにも手を出す二人。りる吉さんはラズベリー、きさは
ヘーゼルナッツをお土産に。1つずつにちゃんと保冷材付きで安心。
チョコレートショップのショコラドリンクはお値段相当の美味しさで、
量もたっぷり、ホイップクリームもたっぷり、トッピングのソースも
たっぷり。半分っこで丁度良いサイズでした。1杯一人で飲んだら
一食になりそう(笑)
続いて向ったのは先週もお邪魔したお茶の”小山園”さん。今日は二人
して100円給茶です。ちゃんと茶釜のお湯で丁寧に淹れてくれました。
更にお好みのお茶をティーバッグにしてもらえる、ってのにも惹かれ
たので2種類の煎茶を50gずつ(1パック5g)で注文しました。
茶葉の見本の左側にある機械でメッシュパックにしてもらうのですが、
何と手間代無しで茶葉代のみの請求でビックリ。なんだか申し訳ない
感じですが有り難い限り。では2軒目のおでんへ向いましょ。
繁華街を抜け、住宅が並ぶ一角に”自転車屋さんの隣のおでん屋さん・
”志お川”さんへやってきました。暖簾が仕舞われていたので、一足遅
かったか!と思いつつもダメ元で中を覗いて声をかけると、おばちゃん
が中に招き入れてくれました。
片づけ終えた店内、鍋から引上げてバッドに移されたばかりだと言う
おでんを頂きました。残念ながら黒はんぺんと卵は売り切れ。真っ黒
に染まった大きく切った大根、牛スジ、小ぶりのじゃがいも、糸蒟蒻
ソーセージ、にんじん。数本はおばちゃんがサービスしてくれたの。
青海苔とかつを粉を散らし、程好い温度になったおでんをぱくぱく。
夏大根のざっくり感、煮物の人参はあまり好きではなかったのですが
このお出汁で煮込まれるとしみじみ美味しいし、B級グルメに相応しい
ソーセージは笑っちゃうほどいい味出してます。牛スジとガツを追加
して、お会計は370円。夕方5時半までで、アルコールは置いてない
あくまで駄菓子屋さんの延長のお店です。隣の自転車屋さんはご主人
のお店だそうです。今度はもっと早く来て氷と一緒におでんを食べた
いなぁ。
通りの公園ではJAZZフェスが行われていて、先週(選挙の街頭演説)
に比べるとずっと素敵な雰囲気。生音を聞きながらショッピング出来
るなんてなかなか貴重かも。またまた雑貨屋さんを覗いていると、あ
ぁもう残された時間で立ち寄れるのは1軒だけだなぁ。
先週もふわふわ氷を楽しんだヨコヤマへ。白桃とグレープフルーツを
今回は注文です。それにたこ焼(先週制覇)と並ぶ看板メニューである
大学芋も。味醂とお醤油?が飴に使われているのか?、サラッとした
お惣菜系の大学芋で、ぱくぱくイケちゃう。冷たい氷と揚げたて熱々の
大学芋の組み合わせはナイスだわ。グレープフルーツも白桃も丁度
良い甘さ(何せおやつ価格なので贅沢な果汁感のある蜜ではないの)
で、今週も最後まで美味しく頂く事が出来ました。それにしても3つ
合わせての会計が910円なんだもの!嬉しすぎるよ〜!!
静岡駅まで戻り、電車の時間まで少し間があったのでお土産コーナー
を覗きます。最近は駅ナカの売店も品揃えを充実させているようで、
静岡おでんに欠かせない黒はんぺんをお土産に。何だか今回はお惣菜
系の食材が多かったなぁ。
ホームに上がると、浜松止まりのはずの乗車列車が今日は豊橋行きに
変更との事。ラッキー♪乗り換えが一回減ったぞ!それに予定よりも
早く帰れる?と喜んで乗り込んだものの、結局この電車は浜松駅では
25分も停車するという。なんだ、そうだったのか。
浜松駅に着いて5分ほど車内でじ〜っとしていたのですが、駅構内の
”エキマチ”に行ってみようか?行っちゃう?
「一仕事しますか!座りつかれたし。」りる吉さんの賛同を得て今日
二度目の浜松駅改札外へ。与えられた時間は20分弱でしたが速攻で
任務を完了し、ホームで待つ電車に戻ります。豊橋までは立つ覚悟。
豊橋からの区間快速では目論見どおり席を確保し、先ほどの戦利品を
開封。何故か判らないけれど高台寺・洛匠のわらびもちを浜松で入手。
名前だけは聞いた事はあったけれど、食べるのは初めてです。きな粉
に細心の注意を払いつつ、フォークでぱくぱく。ぱくぱく。あの〜〜
全然なくならないんですけど!??きな粉の中には信じられない数の
わらび餅が埋まっていました。これで525円とはコストパフォーマンス
イイねぇ、しかしこんなにたっぷり入れなくても・・・・4人くらいで分けても
余裕なくらい。ただ、肝心の味ですが、何故浜松で売られていたのか?
なぜ”草”わらびもちなのか?を帰宅後調べたところ、判明したのは
小山園(静岡で給茶&買物したとこじゃん)の抹茶を使ったわらび餅
だという事。正直、食べてる時は抹茶の香りに全然気付かなかったん
ですけど・・・味が解らないだけ?店内で食べて「ほんのり抹茶風味」
らしいが、午後10時を過ぎたパック詰めでは本来の味のままという
訳にはいかないでしょう。しかし、あれ抹茶味だったんだ〜気付けな
かった自分にショック。パックに残ったきな粉は持ち帰って、牛乳&
メープルシロップを混ぜて家で愛飲。もちろん外箱の原材料表記にも
抹茶とちゃんと書いてある。あぁ、やっぱりショック。
わらび餅のお供には小山園で淹れて貰ったお茶だったのに・・・
当日はそんな事には全く気付かず、わらび餅を平らげた後「まだ行け
るよね?」「行けるでしょう〜。」まるたやのチーズケーキに突入する
2本のフォーク。久々に食べましたが、やっぱりコレは美味しいわ。
お土産にスイスロールと半熟チーズスフレとピラミッド、それにバター
サンドもお土産に買ったけど、安くて美味しいって正義だよ〜。
チーズケーキを食べ終えた辺りから花火大会帰りの人たちで電車は混
みだし、外を見ると路面は濡れているようで、今日は全然雨に降られ
ずに済んでラッキーだったなぁ、と思いつつ電車は名古屋に到着。
最後の地下鉄の待ち時間でまるたやのバターサンドを開封。六花亭は
やっぱり美味い、という結果を残し(まるたやのが不味いという訳では
なく、マルセイの生地とクリームのマッチは改めて素晴らしいという事)
先週のハラハラドキドキの反省を活かし、完璧な一日を終えたのであ
りました。
あ、でもまだ行きたいけど行けていないお店があるんだっけ。続きは
何時になるかなぁ?未定ですが、静岡ってやっぱり侮れないぞ!
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