5月6日(土)

今治と松山を海岸沿いに結ぶ国道196号の道の駅・風早の郷風和里で
デリカ号は最終日の朝を迎えました。先延ばしになっていてくれた雨雲も
とうとう今日は追いついてきてしまいそう。まぁ今日はチョコッとだけでも
きこきこ出来ればいいかなぁ。

 
昨日買ったこがねパンのピーナツフランスと杉村ベーカリーのさつまいも
パンを食べ終わる頃には、道の駅の販売所が賑やかになってきました。
恐らく今夜のうちに帰宅することになることだし、空っぽの冷蔵庫に野菜も
必要だし、と思い店内を物色すると、瑞々しい絹さや、スナップえんどうに
アスパラガス(クーラーバッグに入る程度しか買えないし)天日干しのお米
などを朝から良いお買い物ができました。さて、松山へ向いましょ。


そういえば珈琲ずっと飲んでいないねぇ、と松山市内のお店に入りました。
ネルドリップと聞いて向ったのですが、関西の大手メーカーのあのマシーン
が待ち構えてました(笑)なぜか店員さんは皆女性で、モーニングは有料で
ドリンク+150円くらいで割子弁当の器にトースト、サラダ、デザートなどを
付けるのがメインのようです。さすがにそんなに食べられないぞ、と思った
ら、プチモーニングが+50円だったので二人とも。ゆで卵は持ち帰り(笑)


今日は松山市内&道後温泉をぷらっとしたいだけ。雨の心配もあるし・・・
少しデポ地の決定までに時間が掛かってしまったけど、石手川緑地の無料
駐車場に落ち着きました。クルーソーの支度をしている最中にも強い風が
襲ってきます。う〜ん、大丈夫か??出発したのは9時45分でした。

道後温泉に行くなら午前中じゃないと激混みだろうなぁ、と思い先に道後へ
向う事にしました。ずいぶんと昔に一度だけ松山&道後には来た事が有る
ので、なんとなく残っている記憶を頼りにきこきこ。


すると買おうと思っていた”労研饅頭”の本店前に見事ヒットだ。蒸しパンの
ような饅頭で、生地に味がついたもの、中に餡が入ったものがあり、全部で
14種類もあるので目移りしてしまう〜。元祖の黒大豆と、生地の質感があん
まんに似ているのでつぶあん、それにいもあんの3個をお買い上げ。これは
冷凍OKだからちょうどイイぞ。


道後温泉本館に到着したのは10時20分。既に結構な賑わいです。以前は
1階の”神の湯”だけ入ったんだよね。今回は2階の”霊の湯”+3階の個室
で休憩が出来ればいいなぁ、と思っていたんだけど、こりゃ無理だろうなぁ〜
後の時間でも予約が出来ないか?と思い券売所を覗くと、前にいた家族8人
連れも3階個室狙いだったらしく状況を尋ねています。「ちょうど3階が空い
たんですけど、小さな部屋ですから8人様は無理ですね。」だって。おぉ〜!
チャンス!すかさず「二人ですけど、3階イイですか?」ラッキー♪


お一人様1500円を支払い、1階の神の湯の奥まで進み2階へ上がります。
神の湯2階席(800円)を横目に、更に狭い急な階段を上って3階へ。


3階には個室がずらりと並んでいます。一番奥の右手が”坊ちゃんの間”で
2階席以上の券で見学が出来ます。その向かいの一番小さな個室に運良く
収まる事ができました。
サギ模様の浴衣と貸しタオルを持って係りの女性が現れます。「着替えが
お済みになられましたら(部屋の呼び鈴で)お呼び下さい。浴室へ御案内
します。」
さっそく着替えて3階の階段を下りると、2階では別の男性が案内をして
くれます。又新殿の見学を入浴前にするかどうか選べるのですが、まずは
霊の湯に入ることにしました。1階の神の湯に比べると、ホントに小ぢん
まりしていますが、石造りの浴槽に大理石の壁は重厚感が漂っています。
お湯はチト熱め、でも入っていても変にのぼせる感じもなく、深い浴槽に
身を沈めて日本最古?の温泉を堪能しました。
3階に戻ると、廊下の中央にある詰所から「お帰りなさいませ。只今お茶を
お持ちいたします。」と声が掛かります。


程なく輪島塗の天目台に鷺の絵が入った砥部焼きの茶碗でお茶が運んでも
らえます。お茶菓子は小説の坊ちゃんに登場する団子屋のモデルになった
御菓子屋さん謹製(らしい)坊ちゃん団子です。初めて食べましたが、団子
部分は串の周囲のほんの僅かだけで、殆どが餡でできた球体でした。抹茶、
黄身餡、小豆餡の三種の餡を食べているみたい。道後温泉以外で食べたい
かと聞かれたら、正直う〜ん??というところ。まぁ雰囲気のおやつかな。
団子を片手に窓辺で涼むと、城郭造りの内側を眺められます。重要文化財
の現役温泉はココだけですからね。


坊ちゃんの間から外を眺めると結構な賑わいです。霊の湯のお客は神の湯
に入る事が出来るのですが(但し個室は80分以内)混みあう神の湯に行く
のは止めて、又新殿(ゆうしんでん)の見学をしました。明治32年に建築さ
れた皇族専用の浴室で、二階には金箔襖の玉座の間、階下に湯殿がありま
す。解説付き(なぜか最後は厠にまで連れて行かれた)で、一見の価値は
あります。この湯殿は昭和25年を最後に使われる事はなくなり(旅館にも
温泉が出るようになった為)50年以上使われなかった為、お湯が枯渇して
しまったそうです。当然ながら撮影禁止でした。
個室を利用する場合は制限時間があるので、霊の湯に入浴〜部屋で休憩〜
神の湯に入浴〜時間まで部屋で休憩(別料金で飲み物も頼めます)〜着替え
をして霊の湯の半券で又新殿・2階展示室を見学、というコースが無駄のない
楽しみ方だと思いました。混んでいなかったら神の湯にも入りたかったな。


クルーソーを残して(本館のすぐ横に狭いけれど駐輪場有り)道後商店街を
ぶらり。六時屋のアイスモナカも一泉堂の玉饅頭も気になりますが、お土産
に買ったのは店構えが気に入ったのでココに。


玉泉堂本舗は予約無しでは買えない温泉煎餅で有名なお店ですが、潮煎餅
は当日でも買う事ができます。風格ある佇まいの店内には、品の良さそうな
奥様が先客の応対中でした。潮煎餅は化粧箱入り(32枚)で1050円ですが
銘菓といえど煎餅に千円以上出すのはチョッと躊躇われます。するとどうやら
袋煎りの”ワレ煎”が525円で有る事が判明しました。これにしよう、と奥様に
声を掛けると、「どうぞお味見をなさってからお求め下さいな。」と、潮煎餅を
1枚出して下さいました。塩が入っている煎餅、と思って口に入れると仄かに
甘い。小麦粉、砂糖、卵を使ってパリっと焼き上げたお煎餅で、焼き型にまで
風格が漂っていて、これは自分で買っても、贈っても喜ばれるお土産かな。


市電の道後温泉駅はレトロな雰囲気。それに合わせて坊ちゃん列車も飾って
ありました。駅舎の中にはカフェもあるそうな。


そして駅前の広場にはカラクリ時計と観光協会で仕込んだらしいマドンナ
嬢たちが観光客の記念写真に応じていました。広場内には足湯もあって、
霊の湯個室、神の湯ともに混んでいたらこの足湯だけでもイイかな〜って
思っていたの。温泉街の旅館やホテルでも手湯や足湯を開放している所が
有って、いろいろ巡るのも楽しそうですがお天気が心配なので諦めました。

クルーソーの元に戻ると、ドン、ドン、ドンと太鼓の音が聞えてきました。
道後温泉本館で一際目を惹く白鷺が屋根を飾る”振鷺閣”の大太鼓の音で
した。午前6時、正午、午後6時の一日3度しか聞けない音です。運が良か
ったね。そろそろお腹が空いてきましたが、温泉街よりも松山市内の方が
良さそうだったのできこきこと移動します。


市内を走る市電は近代的な車両が多いのですが、時々はレトロな車両も見
かけます。それに坊ちゃん列車が走っているところも見られました。中心地
大街道に程近いところにある”懐石料理・川瀬見”を探してみると・・・


飲み屋街の一角の小さなビルに小さな看板が出ているだけ。メニューも外
に出ている訳でもなく、入るのに少々躊躇しました。小さな階段を上って
入口を開けると、「外の階段から3階へどうぞ。」そのまま上がって行くと
3階は全て個室座敷になっているようでした。4人ゆったり座れる部屋に
通されるといよいよ「予算オーバーか?」の思いが頭の中に過ぎります。


意を決して頂いたのは”日向飯ランチ”と”旬彩ランチ”です。日向飯とは
たっぷりの鯛のお刺身を醤油ベースのタレに漬と卵の黄身を絡めたものを
丼に乗っけていただくものです。こちらの店では懐石料理店らしく、丼のご飯
には刻み海苔、金糸卵、イクラが予め乗せられています。別皿にはお刺身
がたっぷり、温泉卵が添えられています。手前のタレに絡めて、ご飯の上に
盛って頂くと、これはウ〜マ〜イ〜!!鯛の炊き込みご飯の鯛飯も美味しい
けれど、宇和島地方の鯛飯(ヅケに黄身乗っけ)も美味しいんだよね。
左の鮮やかな先付けは海老豆乳豆腐にアスパラ、豌豆、かぼちゃ添えです。
お椀には小柱とアスパラが入った真丈に生湯葉とじゅんさいが浮かびます。
右の炊き合わせは鰻柳川豆腐に小蛸柔煮と鯛の子の炊いたんなど。

写真右の旬彩ランチのメインは鱸の雲丹海老サラダ焼き・ほうれん草ソース
にブロッコリーや新じゃがを添えて。和食とは思えない雰囲気の一品です。
ご飯は愛媛の郷土料理・伊予さつまをアレンジしたもの。麦味噌ベースの
冷汁のようなタレに、ちりめん菜飯をトッピングしてサラサラと頂きます。
これも美味しくて、もう大満足。でもこんなに豪華なランチならきっと値段
も・・・と心配になりますが、日向飯ランチは2100円、旬彩ランチはナンと
1050円なんです。もうびっくり!
1品ずつ供されるコースは少し値が張るけど、盆盛りのランチはリーズナブル
(しかも夜もあるらしい)2階にはテーブル席もあるので、お一人様でも利用
しやすそう。お店を出る頃には満席になっていたようです。回転は速くない
ので、予約無しならば早めの入店が望ましいかも。
幸いランチにはデザートは付いていないので、すぐ近くのお店でデザートを。


ユーミンもお気に入りというおはぎのお店”みよしの”へとやってきました。
ガラガラ、と入口を開けると可愛いおばあちゃまがチョコんと座っていま
す。カウンターの中には眼鏡と髪型がハイカラなおばちゃま、それにもう
少し若そうなご婦人の3人で取り仕切っています。名物のおはぎは持ち
帰る事にして、小さなテーブルで和スイーツタイムです。


ダーはあんみつ。蜜の器にも味が有りすぎる〜。こし餡が独特の色合いで
青豌豆とぶりぶりの寒天、黄桃と彩りも鮮やかです。
きさは氷を狙っていたのですが、少し時季が早すぎたようでした。それに
代わるメニューは冷やしぜんざい。たっぷりの小豆の中には、細かい氷が
ふんわり埋まっています。いや〜、コレはかき氷よりも正解のメニューだ。
これは来た甲斐があったなぁ、と満足に浸りながらせっせとスプーンを口
に運びました。どれだけでも食べられそうなくらいに美味いんだよ〜。

おはぎは翌日の朝に自宅で頂きました。女性でも2口で充分たべられそうな

小ぶりなサイズです。つぶ、こし、きな粉、胡麻、青海苔の5種類で1人前。
おばあちゃんの手作り感がとっても伝わってきます。2人前買えば良かった
なぁと後悔したくらい美味しかったなぁ。


さて、そろそろデリカ号に戻った方が良さそう。なんとなくの方向に走って
いると、なんとなく美味しそうなパン屋さんを見つけました。クリームパンと
食パンを買ってみましたが、偶然見つけたお店にしては美味しくて嬉しい。
ベーカリードミナ、というお店でした。さて、いよいよ風が強いぞ〜


石手川沿いにきこきこと走り、デリカ号に戻ったのは2時少し前でした。
ホンの少しでしたが、まぁ雨に降られなくて良かったね。さて、名古屋は
遠いぞぉ〜


帰りは四国を東へ突っ切ります。途中でアイスクリンとみかんジュースも
飲んだりして、淡路島脱出までは極めて快調に進んでいたのですが・・・
本州に入ったら渋滞、渋滞。予想していた事とはいえ、さすがにうんざり。
神戸に入った辺りで「横井さんのお店に行ってみようか。」とダー。勿論
異論はありませぬ。シグマリオンで調べて、すぐに電話をかけてみます。
幸いお店は開いていたので、西宮の笹舟倶楽部へ向かう事にしました。


でも神戸から西宮の間もなかなか車は進みません。国道2号線を走っている
と、ケーキ屋さんやパン屋さんが目に付いて仕方がありません。”ビゴの店”
の前で信号待ちをしていると(寄って行きたい、などどはさすがに言えない)
タクシーとチャーターして来店している女子4人組を見かけました。おぉ、
それって羨ましいツアーかも。


西宮の閑静な住宅街(一方通行の細い道だらけでデリカ号泣かせとも言う)
に怪しい雰囲気満点の”雑貨喫茶店・笹舟倶楽部”は有りました。横井さん
も電話できさ家だと察して下さったご様子で、店内のオモチャで遊びながら
珈琲を頂きつつ久しぶりのお喋りを楽しみました。
しかしもの凄いコレクションに圧倒されました。ご自宅にはも〜っと沢山
あると仰るんだからビックリです。数ある収蔵品の中でも一番気になった
のは、ミッフィーちゃんのハンドクリーム(製薬会社の販促品)でした。
1つくらい無くなってもバレないかな・・・?いえいえ、さすがにそんな真似
はしておりませぬ。でも欲しかったなぁ(^^)
1時間ほど休ませて頂きお店を出ると、とうとう雨が降り出していました。

夕方〜夜の渋滞のピークを脱したのか、この後は名古屋までは大きな混雑
は無かったみたい(って、今回も寝てたんですが)で、途中で夕食を挟ん
で帰宅したのは11時くらいだったかな。あぁ楽しい4日間でした。


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しまなみ海道きこぱくの3日間は天候に恵まれ、美味しいモノばかりを食べ
美しい海と島と空を堪能できました。しまなみの島々で特に印象に残ってい
るのは生口島です。アップダウン無しで島1周できて、美味しいお店が沢山
あって、いい感じです。夜がメチャクチャ早いのが難点ではありますが。
推奨サイクリングコース以外が面白かったりするもので、しまなみ海道とは
関係ない島にも寄ってみるのも楽しい。もちろん、船を有効に利用して。
但し事前に自転車の持ち込みについては、各運航会社に確認した方が良い
でしょうね。きさ家は1便見送る羽目になりましたっけ。

美味しいモノについては、日記に店名を明記したお店についてはオススメ
できるものばかり。尾道は勿論、今治も通過してしまうのは勿体無い。
何にしても登泉堂のイチゴミルク氷は凄かった。あの店の為にしまなみに
行く時季を選んでしまいそう。あぁ、また食べたい!毎年夏に夢見そう・・・


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