5月4日(水)

目が覚めてデリカ号の後部窓越しに見えたのは、多々羅大橋と大三島の
横から光る朝陽でした。慌てて外に飛び出して、刻々と色を変える空と海を
眺めながら、こんなに穏やかな景色の中で何にもしないで過ごすのは久し
ぶりだなぁ、あぁ来て良かったなぁ、と暫しぼんやり。

昨夜コンビニで買っておいたパンを半ば拷問のように食べ(思えばこの連休
で唯一悔やまれるの食べ物がこの時の朝食だったなぁ)デリカ号を道の駅に
残して出発したのは7時半くらいだったかな。

確か6年前、ホームセンターで買った折り畳み自転車でサンライズ糸山から
多々羅大橋まで走り、料金箱の前でそのまま引き返して大三島の宮浦港から
船で今治へ、というのが前回のしまなみ体験。今日はその続きを走ると決めて
いたの。多々羅大橋入口に有る村上三島記念館へと続く”いろは坂”の石柱に
刻まれた”いろはかるた”を最初から”犬も歩けば〜””論より〜”と音読しながら
上って行く余裕っぷり(笑)さぁ、1480mの瀬戸内海の散歩はもうすぐそこ。

この景色を”あっと言う間に走って過ぎてしまう”なんて事は出来る訳がありま
せん。世界一の斜張橋の塔の下では”鳴き龍”もしっかりと体験してきました。
これはお堂の中で手を叩くと、反響音で天井に描かれた龍があたかも鳴いて
いるように聞える現象で、日光東照宮が特に有名なのだとか。多々羅大橋の
鳴き龍は偶然の産物だそうですが(他の橋でも試してみましたが、やはり鳴く
のは多々羅だけでした)手を叩き、備え付けられた拍子木を叩き、最後には
大声を出してみたり。さすがに8時前だと走っている人もまばらなので、もう
やりたい放題。これは車で渡ったんじゃ楽しめないよね。

多々羅大橋を渡りきったところで料金箱に100円×2人分を投入。前回は
この目の前でUターンしちゃったからね。東屋の横ではレモンやいよかんが
100円で無人販売中で、おじさんがもぎたてと思われる袋を補充している
ところでした。ちょうど欲しいくらいの量だったので、5個入のレモンを1袋
買いました。今日も赤いパニアバッグが大活躍しそうです。

生口島に入ってからは昨日の夕方走ったルートのまんま。レモン谷を下って
ひょうたん島を眺めながら、サンセットビーチ〜瀬戸田を進みます。今日は
ちゃんと”しおまち商店街”の方から入って行き、向栄堂も気になりつつも別
のお店のお菓子も試してみたかったので今日は通過。玉木商店も通過して
狙っていた梅月堂に向ってみたけれど、残念ながらまだ開店前でした。
そこで昨日も寄ったみしまやへ。今日はちゃんとお饅頭は2個買おう、と
お店に入ると出来立てのお饅頭が甘い香りで出迎えてくれました。他にも
何か補給食要員が必要、と店内を見回すとレモンケーキにレモンロール
レモンブッセもありました。当然3つともお買い上げ。

ドルチェ本店も通り過ぎ、さてどこで饅頭おやつタイムにしようかな〜と思い
つつ、生口橋の入口まで来たのでもうチョッと頑張って橋の上で食べようと
坂を上ります。多々羅大橋よりもプチサイズの斜張橋を渡って、昨日行った
岩城島を眺めながらお酒の香りのお饅頭をペロリ。続いてレモンケーキも、
だって今日のお天気じゃ外側のレモンチョコレートコーティングが溶けちゃ
うしね。向栄堂のレモンケーキも美味しかったけれど、これもナカナカ。
調子に乗ってレモンロールも開封しちゃおう。柔らかいロールケーキの中
に、レモンクリームが巻かれているもの。クリームには刻んだ皮も入って
いて、ちょっとだけ苦くて爽やかです。ふぅ、満足じゃ。

因島に上陸し、生口橋の下をしたところ(だったと思う。もしかしたら次の
因島大橋の下だったかもしれない)で、白いフライデーの女性とすれ違う。
あっ!と思った時には遅かった。多分ポケットロケットじゃなかったかな。
この頃からすれ違う自転車の数がどんどん増えだしてきたっけ。

因島南インターの料金所近くの電気屋・デオデオの横で気になるお店を見
つけました。”特産品開発販売””はっさく大福”の貼り紙が目を惹きます。
どうやら和菓子屋さんのようですが、”ちゅーピー大福”の貼り紙が決定打
となり、思わず店に吸い寄せられました。
どうやらまだ開店前のようですが、はっさく大福を個包装している女性の姿
が見えます。入口を開けると、快く応対してくださいました。そして気になった
”ちゅーピー大福”の事を尋ねると、中国新聞イベントでアヒルのマスコット
”ちゅーピー”のくちばしを模すべく苺と八朔を挟んだこし餡の大福で、とても
美味しそうな物でした。残念ながらまだ出来ていない(写真だけ見せて貰っ
た)という事だったので、はっさく大福を1つだけお買い上げ。

因島はさすがに市だけあってこれまでの生口島とは景色が一転します。幹線
道路にはパチンコ店、サラ金、100円ショップ、と街暮らしにはお馴染みの
看板が並んでいます。昨日と今朝と生口島を散策して、なんだかとても落ち
着いている街だなぁ感じたり、視界に悪趣味な看板が入ってこない事を嬉し
く思っていたので、何だかがっかり。よそ者には同じ瀬戸内海に浮かぶ島と
思えても、全然違う島なんですね。因島は昭和58年には本州と橋で繋がっ
ていたから、当然といえば当然なのでしょう。

因島も推奨サイクリングコースに従って走りました。途中からは内陸を走る
(つまり平坦な道は少ない)のですが、途中にはフラワーパークが有ったり
水軍城が有ったり(でも更に坂を上らないといけないのでパスしましたが)
町の花の除虫菊の畑(今では殆ど栽培されていないようです)や葉たばこ畑
の中をのんびりと走ります。
島の反対側の海が見えてほっとしながら走っていると、前方視界にいきなり
モアイ像が飛び込んできました。これは通り過ぎる訳にはいかないなぁ、と
近づいていくと、オートキャンプ場につり具販売やらマリンレジャーなどが
楽しめる施設のようで、しまなみビーチと名付けられた目の前の砂浜では
釣り客があちらこちらに。丁度良い具合に木陰のテーブル(どっかの港から
拾ってきたみたいかコンクリートの柱が椅子だったりする)で、白い砂浜と
青い空を眺めながらレモンブッセケーキとはっさく大福タイム。ブッセには
ロールケーキと同じ皮入りのクリームが挟んであります。ロールケーキの
方が相性がイイ感じかな。
はっさく大福は淡いオレンジ色のお餅の中に白餡と薄皮を剥いた八朔が
2房入っています。お餅がもう少し柔らかければ文句なしなんだけど、餡も
悪くないし、何より生はっさくとの相性が良くて気に入りました。次の機会
にはちゅーピー大福も食べられると良いんだけどなぁ。

因島大橋が見えてきて、もうすぐ最後の向島だなぁ、と思っているとモアイ
の次は恐竜が。しかもデカい!そしてその横の公園ではお祭りの真っ最中
です。何やら美味しそうなので、ちょっと寄ってみることに。屋台では野菜
や魚の生鮮品だけじゃなく焼きそばやうどん、それに鯛の炊き込みご飯も。
これは食べてみなきゃね、と1パック300円を。すると奥のテントからは豚汁
無料サービスの声が。こりゃ好都合、と2杯頂き横の募金箱に橋の料金用
に準備していた硬貨を入れて、またまた海を眺めながら「いただきま〜す!」
山菜も入った鯛飯は、ご飯粒にしっかり味が染みて美味しい〜♪満足っす。
これで尾道に着いてからのランチの選定に余裕を持って挑めるぞ、うひひ。

昨日の朝、高速の大浜PAから続く展望台から眺めた因島大橋を今日はきこ
きこと進みます。この橋は車道の下に原付、自転車・歩行者道の二層構造
になっているのですが、周囲がフェンスで囲まれている上に頭上から車の音
が響いてあまり楽しめない〜。しかも道幅が狭くて、この頃には原付やレン
タサイクルもどんどん増えてきて、ちょっとうんざり。

向島までやって来ると、車が多くて更にうんざり。どうやら戦艦大和が目当
ての車で島の幹線道路は埋まっている感じ。せっかくココまで来ちゃった
んだから、チョコッとは覗いて行こうかなぁ、と日立造船所に向うと、周囲は
もう大渋滞です。敷地内にはシャトルバスの乗車を待つ長蛇の列。それを
横目に駐輪場に入ると、整理係のおっちゃんが「あんな列に並ばなくても、
あっちから入れば外観は見られるから。」と教えてくれました。ラッキー♪
その通り進んでいくと、確かに映画セット戦艦大和がありました。菊の紋
に新聞屋のマークみたいな旗をヒラヒラさせた軍艦に群れる人、人、人。
どうやら内部見学までには2時間待ちだったらしい。興味の無いきさ家は
さらっと外見だけで退散しました。それよりも美味しいお店に行かなきゃ、と
気になっていた住田製パン屋に行ってみましたが、残念ながらお休みです。
イイ雰囲気だっただけに悔しい〜〜。それに明日の朝ご飯どうしましょ??
尾道で美味しいパンが手に入れば良いけれど・・・

向島から尾道へは尾道渡船を利用しました。ここは以前に丸腰でおだあさん
と3人で訪れたっけ。尾道市内は更に人も車も多くて、連休なんだから仕方
ないよ、と思いつつも凹みます。
さて、お昼ゴハンは何にしようか?ふと漂ってきたソースの匂いにお好み焼
き!の気分が盛り上がります。アイスモナカの隣の小さなお好み焼き屋を
覗くと、5席くらいの小さな店内は当然ながら満席で1組待機中。う〜ん・・・
どうしよう?するとダーが「からさわでモナカ買いがてら聞いてみたら?」
うん、ナイスアイディア!早速アイスモナカをゲットし、お店の女の子に
尋ねてみると「う〜ん、好みが有りますから・・・」「じゃあお姉さんの好きな
お店を教えて貰えないかしら?」と尋ねると「芙美子像近くのてっぱんやに
行きます。アーケードの中だからすぐ判ると思います。」「ありがとう(^^)」

眩しい陽射しの中、手にクリームを垂らす間もなくアイスモナカを食べきり
久しぶりの懐かしい味にあぁシアワセ♪そしてガイドブックを取り出して
芙美子像って何処よ??アーケードの西端近くと判り、早速向います。

”てっぱんや”は、カウンターだけ(8席くらいかな)の小さなお店でした。
全てマスターが焼いてくれる、地元の常連さんも多いみたいで、お値段も
手頃で1組が待っていたけれど、空腹感は差し迫ってはいないので待つ
事にしました。
ミックスのソバとスペシャルのうどん(両方で1550円だったかな)を注文
し、暫し待つ。キューピーマヨネーズがチューブごと出てきてダーは嬉しそ
う。ミックスには豚、生イカ、海老、タマゴ入りで、スペシャルだと更に砂肝と
イカ天が加わります。6:4の割合で食べてお腹いっぱい。やっぱり地元の
方の意見は貴重だよね。

お腹がいっぱいになったところで、帰りの船の乗り場を確認すべく駅前桟橋
へ向います。軟弱なきさ家は来た道を走って帰るなどどいう真似はしないの
だ。瀬戸田運航の窓口で、自転車がそのまま持ち込めるかどうかとダイヤ
もチェックするとピンチが!予定していた尾道17:45発〜瀬戸田(生口島)
18:24着の航路が、この4月から佐木島にも立ち寄ることになったそうで
瀬戸田着が15分遅れ。瀬戸田から18:40発〜井口(大三島)18:52着に
乗り継ごうと思っていた計画が・・・1分じゃ乗り換えなんて無理。
しかし尾道発の便を1つ早めれば、瀬戸田で夕食を取る時間も丁度出来て
良いのでは?と計画変更する事に。乗船券も買っておき(自転車券は船内
で支払う)これで帰りの準備完了。16:30の出航まで尾道をぶらぶらする
事にします。

尾道で是非寄ってみたいと思っていたのは、尾道帆布のお店。何軒かお店
が有るようですが、アーケード街の中のCD屋奥にお店を構える猫が目印の
”彩工房”に入りました。以前から愛用のデジカメストラップが擦り切れそうに
なっていたので、首から下げるタイプを探してみると丁度良いのが見つかり
ました。お揃いで同じ色の小さなバッグストラップもお買い上げ。

さて、明日の朝ごはん用のパンを仕入れなくっちゃ。確か海岸通りにパン屋
さんが有ったはず、と以前の記憶を手繰りしつつ探してみましたが、そこは
美容室に変ってしまっていました。そこで観光案内所のような場所で尋ねて
みましたが、閉めてしまったお店が多くてスーパーの中くらい、との返事。
う〜ん、どうしましょ。

とりあえず尾道に来たからにはロープーウェイにでも乗って、と思ったもの
の、予想通り乗り場には長蛇の列。同じく向かいのコモンも大行列。その昔
車で訪れた折に、焼き立てのワッフル食べたっけ。今日はとてもじゃないけ
ど無理なので、長江通り側に増築されたショップで冷たいクリーム入りを買い
おやつ要員にする事に。生クリーム&カスタードとミルクチョコクリーム入り
を包んでもらいました。保冷材もばっちり入れてくれたから、夕方まではまず
大丈夫かな。

混雑するロープーウェイに乗るよりも、自転車じゃなきゃ入れない狭い路地
をウロウロした方が面白いのだ。見上げると空が見えないくらいに迫り出す
庇が続く裏道をそろりそろ〜りと進んでみたり、昭和時代まんまの食堂やら
かまぼこ屋さんを見つけたり。あ、もうそろそろおやつにしなきゃ。

ワッフルは後で食べる事にして、ゆっくりお茶できるケーキ屋さんに向かい
ます。途中、信じられないくらいの大行列を見かけました。どうやら尾道
で一番有名なラーメン屋さんのようです。街のあちらこちらのラーメン屋
さんで行列をいくつも見かけましたが、朱華園は特別人気があるみたい。
きさ家はラーメンに執着が無いので、参加する気にはなれませんでしたが。

そしてやって来たのはhaiさんが以前に訪問された”佳扇”というお店です。
小さなお店ですが、次から次に地元のお客さんが買いに訪れます。少し駅
から離れた地区ということで、カフェは静かでいい雰囲気です。
紫芋のモンブランとトライフルに決め、飲み物は・・・アイスティーが欲しい
陽気です。モンブランはフォークを入れると雪崩が起きそうなくらいに柔ら
く口当たりの良いクリームです。タルト生地も美味しい。トライフルは卵
たっぷりのロールケーキに甘さ控えめのクリームと生フルーツ。なるほど、
haiさんがオススメと言っていただけあって美味しいねぇ、とニッコリ。
ここで明日の朝につまもうと、煎茶のマドレーヌ、パウンドケーキ(オレンジ
ココナッツ、ラムレーズンだったかな)を籠に入れ「持って帰るので包んで
おいて下さい」とお願いすると、お茶している間に可愛く包装しておいて
くれました。明日の朝には食べられちゃうのに勿体無いなぁ、と思ったので
パニア収納時には綺麗な袋とお菓子は別々で。これで一応明日の朝食
確保かな。

ここでもう一つ問題が。今朝からダーのクルーソーの後輪から異音が続く
の。以前のきさの時と音が似ているので、スポークが緩んでいるのだろう
と思いながらも、ニップル回しを持ち合わせていないの。どこか自転車屋
さんは有りませんか?と”尾道萬迷所案内処”を訪ねてみると、電話帳で
駅周辺のお店をピックアップしてくれた上に、電話をかけて営業しているか
調べてくれました。残念ながら近くでは営業しているお店が無い、と判り
じゃあで駅近くのレンタサイクルステーションだったら、工具が有るかも?
と、思い向う事に。途中で見つけた福福饅頭を1つ買うのも忘れずに。

レンタサイクル案内場に行ってみたものの、簡単な受付場所があるだけで
工具が備えられている雰囲気ではありません。う〜ん、困ったけれどもう
策は思いつかない・・・これ以上人の多い駅付近をウロウロするのもどうか
と思ったので、少し早いけれど高速船乗り場に向おうと信号待ちをしてい
ると、視界の中にbikEが!思わず「たにぐちさん!」と声を掛けると、すぐ
に反応してくださいました。もちろん、kimrinさんもご一緒です。お二人は
今日の飛行機でお帰りなんだとか。たにぐちさんからニップル回しをお借り
する事が出来て、とっても助かりました。互いに帰りの時間が迫っていたの
で数分の立ち話でお別れとなってしまいました。、まさかお会いできるとは
思っていなかっただけに、ホントにビックリしました。
後で判った事ですが、前日のランチもお二人は”蛸処憩”で同じ物を食べて
いたんだって。この時は1時間くらいの時間差が有ったのでお会いする事は
できなかったんですが。

もう生口島行きの出航時間が迫っています。乗り場に向うと、自転車の先客
が既に後部に積み込みをしています。う〜ん、クルーソーは乗れるのかな?
すると船長のおっちゃんが「こっちこっち」と前方の客室内に。最前列に座っ
ていたお客さんに後ろへ移ってもらい、きさ家とクルーソーはそこに座らせて
もらいました。その間にもおっちゃんの携帯が鳴ります。どうやら寄港先に
も自転車がいる模様。「大丈夫、大丈夫、どうやっても乗せるから。」と自信
の返事。連休中で大賑わいの船内が嬉しくて仕方無いみたい。とっても気の
イイ海のオヤジさん、って感じです。
やがて出航時間となり、まだ冷たい生クリーム&カスタードワッフルを食べ
(チョコのはkimrinさんにとりあえずのお礼代わりに)ちょっとだけウトウト
している間に瀬戸田港に到着しました。あぁ、高速船だとホントにあっと
いう間だね。
港の桟橋では、まだ明るいというのに(いや明るいからか?)タオル鉢巻き
が決まってるおっちゃん達が酒盛りで赤い顔。”ダーツの旅”だったら画に
なるねぇ。すっかり出来上がっていて、いかにも漁師町って感じの光景です。

さて、これから約1時間半の間に瀬戸田で夕食を食べなくてはいけません。
お店の候補はもう決まっています。昨日ローストチキンを食べた玉木商店
のお向かいの”わか葉”へ向うと、店内はちょうど満席でした。でもすぐに
席が空いて一安心。メニューを開いて、迷わずに”たこ重”と”あなご重”を
注文。料理を待つ間、ふとレジ前の棚を見ると一昨年前夏号の家庭画報が
置いてあります。もしや、と思い広げると瀬戸内海の特集でこちらのお店の
”あなごの箱寿司”が取り上げられているではないですか。しかも持ち帰り
OK、もう日も陰ったし煮穴子だから明日の朝に食べるには支障はないよ!
急いで厨房に「あなごの箱寿司を1つ持って帰りたいのでお願いします。」
やった!これで明日の美味しい朝食が確保できたよ〜♪佳扇のお菓子は
きっと補給食ですぐに無くなっちゃうはずだしね。
やがて目の前に2つの寿司桶(わか葉は地元の人には寿司屋さんらしい)
が並びました。せ〜の、と一緒に蓋を開けると、ふっくら煮えた蛸の上には
白髪葱、アナゴは予想していたとろっと煮付けたタイプではなく、さっくりと
煮てあって(焼いてあるのか?でも焦げ目は無いみたい)ふんわりパリっと
していて、とっても美味しい〜。蛸もこの上なく柔らかく品良く炊けているし、
思わずダーに「きっちり半分っこしようね。ゴハンは食べて良いけど。」って
言っちゃったくらい。だって黙っていたらバクバク全部食べられてしまいそう
だったんだから。ホントに美味しい穴子と蛸だったなぁ。今度訪れる機会
があれば、天ぷらや刺身のついた御膳を是非食べたいな。
お料理の価格の下一桁が全部5円になっているのを不思議に思っていたら、
お釣りには綺麗なリボンが付いたピカピカの5円玉が。”ご縁を大切にする
お店”がキャッチらしい。入口の生簀には大きなアナゴがウネウネしてました。

お店の紹介されている本などには、夜の営業17:00〜22:00となってい
るのですが、この日はきさ家を最後のお客(L.O.17:30?)として、後から
来たお客さんは断っていました。もう少し遅かったらこんなに美味しい夕食
にありつけないどころか、夕食難民になっていたかもしれません。夜に行こ
うと思っている方は事前に確認した方が確実でしょうね。どうやら島の夜は
う〜んと早いようで、6時過ぎには商店街の殆どのお店がシャッターを閉め
ていました。ホントに夕食難民にならなくて良かった〜

食後のデザートにドルチェ耕三寺店で”瀬戸田レモン&瀬戸田イチゴミルク”
のWコーン(昨日は陽射しが有ったので怖くてカップにした)をお店の前の
ベンチで齧って満足。もう今回の日程ではこの商店街に寄ることも無いの
で、チョッと気になった玉木商店隣のケーキ屋さんを覗いてレモンケーキ
のカット売りを購入して瀬戸田でのお買い物は終了。残った時間は少しだけ。

どうにか国宝の三重塔を(楽して)眺められるところは無いものか、と周辺
をウロウロしてみるけれど、どこから廻っても延々と続く石段からは逃れ
られないようで、そうこうしているうちに帰りの時間が迫ってきました。

桟橋で待っていると、井口行きよりも先に尾道からの船が入港してきました。
さっきの船長さん、今回も忙しいのを楽しみながらの雰囲気です。先に港を
出て行く船に手を振ると、嬉しそうに手振り返しつつ、あっと言う間に島々の
向こうへとスピードを上げて去って行きました。

入れ代わりに今度は別の船が入ってきました。三原からやってきた三原観光
汽船は瀬戸田(生口島)を往復し、そのうちの幾つかの便は井口(大三島)へ
も寄港します。その最終便が18:40の瀬戸田発。これに乗っかれば楽して
帰れるだけじゃなく、夕暮れの多々羅大橋を海から楽しめるという訳です。
船の後部にクルーソーを乗せ、波を被るんじゃないかと心配だったのですが
穏やかな瀬戸内海はまるで湖のようで全く問題なしでした。船室にいるのが
勿体無くて、ずっと後部甲板で生口島と海と空と、どんどん迫る多々羅大橋
を眺めて・・・そんな最中にも、あ、忘れてた!尾道で買った福福饅頭!
すっかり冷めてしまったけれど、ほんのり塩の効いた餡がたっぷり詰って
いて美味しかった。これで70円だったら嬉しいね。あぁなんて極楽な船旅!

完全に暗くなる前に井口港に到着しました。ここから道の駅までは歩いて
も行けるくらいの距離です。だって夕方になって暗くなるまで走るのは気が
滅入るもの。半分走って半分は船に頼るのが楽チンだし、何よりも自転車
とは違った景色が楽しめるからね。こんな”軟弱しまなみサイクリング”も
悪くない?!でしょ。

一日ずっと晴天に恵まれて、写真もいつもにも増してた〜くさん撮ったので
すが、残念ながらこの1日の画像は消えてしまったの。でも不思議とショック
は小さくて、それよりも最高の一日を過ごせた満足感の方が大きかった。
写真なしで日記を書くのはチョッとだけ大変だったけどね。

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