4月17日(日)

一週間前、東海道を七里の渡しまで走ってやってきたnassanに言いました。
「ここから少し北に行ったところから”佐屋街道”という街道があって、桑名
までのエスケープ用の陸路だった街道なんですよ。」「へぇそうなんだ〜!」
この一言が京都までの道程を完全制覇したい気持ちに火をつけた?のか、
週明けにはnassanの掲示板に佐屋街道走行の書き込みがされていました。

折角、名古屋を朝出発するんだからモーニングも楽しみたい、とのご意向
を知って、これは是非ともご案内せねば!と思い込むきさ家。でも全行程
ご一緒することは無理でしょう。七里の渡しのゴールである桑名宿までなら
(佐屋街道を一部含めて)走ったことが有るのでなんとかなるだろうか、と
nassanの掲示板に同行を申し出たのでありました。

熱田駅 
待ち合わせの熱田駅に関西からの皆様が到着されました。nassanは先週から
引き続きMTBをお供に。黄色がテーマカラーのこだまさんは、今日も黄色い
自転車です。奥でエアラマのビームをグリグリしているのは、おおしまさんです。
・・・むむむ、このお三方って一昨年秋の京都でご一緒して下さった(その時は
ぽた子さんもいらして総勢6名だったけれど)方々じゃあ〜りませんか。
なんともご縁があることで(^^)

熱田神宮 巫女さんがいっぱい
自転車の支度が整ったところで、まずはスタート地点の七里の渡しへ向かい
ます。が、途中で道中の安全祈願(他にもお願いは色々有りますが・・・)と
言うことで熱田神宮へ。ちょうど巫女さんが朝のお掃除ちうでした。

七里の渡し再び 名残の桜
先週は西陽に照らされていた七里の渡しの鐘楼の前で再び記念撮影。でも
今日はこれからスタートなのよねぇ。先週は丁度満開だった桜も、ギリギリ
花を残していて、nassanをお見送りしてくれているみたいね。

佐屋街道起点
熱田神宮から国道19号を北へ、金山南の交差点の南西歩道に小さな道標
があります。車だけの生活だったなら、通り過ぎてしまうような小さなもの。
以前きこきこしていた時に、初めて佐屋街道という道が有る事を知ったの
です。でもちゃんとトレースして桑名まで行ってみる、というのはきさ家だけ
じゃ挑戦したくても挫折しそうな企画な訳で(苦笑)、今日こうしてご一緒
させていただける事は、とても貴重な体験になりそうです。

では、張り切って行ってみましょう〜、と言う前に・・・

珈蔵 モーニング&小倉トースト
金山から北東に少し離れたところに有る珈琲屋さん”珈蔵(かくら)”へと
やってきました。まずはモーニングで腹ごしらえをしなくっちゃね。以前から
気になっていた珈琲屋さんで、モーニングも合格レベルに違いない!と思い
ご案内したのですが、予想通りのお店でした。タバコの煙を避けたいので
赤いテントのテラス席に陣取って、珈琲&モーニング+小倉トーストを皆で
シェアします。モーニングは厚切りトースト半分(胡麻食パン)+卵サラダ
(これが出て来ると某珈琲系だなぁと判る)+オレンジ1切れ。珈琲は当然
1杯ずつペーパードリップ。そしてココの特徴は自家製小倉餡ですね〜。
小倉トースト(ホイップクリームが小皿別添え)には山盛のあんこです!
関西の皆様に名古屋モーニングを堪能して頂けたようで、まずは一安心。


再び先ほどの佐屋街道起点に戻って、今度こそホントにスタート。今日は
GTレース開催日ということで、尾頭橋までは少々むさ苦しい感じです。
尾頭橋の交差点で信号待ち中、最中の銘店・不朽園を見てふと思うのです。
「nassan、古い街道沿いって和菓子屋さんが多いよね〜」「確かに(^^)」
「街道ポタ=和菓子ポタ、って事かなぁ〜」「そうなるかもしれないね〜」
むむむ、きさ家の今後の課題が出来たみたいです。

佐屋街道案内
中川区二女子の辺り(福祉会館前)には、こんな案内看板があります。
まだホントにスタートしたばかり。順調に行けばお昼過ぎには桑名まで
行けるはずです。

どこまでも平ら〜
ずんずんと、ひたすら〜に西に真直ぐ走ります。どこまでも平らな道です。
陽射しが少し眩しいけれど、風も穏やかで絶好の自転車日和です。

万場大橋 旧道へ
かつては”万場の渡し”があった庄内川、今は少し北にある万場大橋を渡り
西へ進みます。普通だったらそのまま直進するのでしょうけれど、トレース
を忠実行う為に、橋を越えたら南へ戻って旧道に進みます。

大灯篭
すると大きな大きな灯篭が前方に現れました。ど〜やってこんなの作った?
地震のときは大丈夫なのかな??丁度この辺りは川に挟まれた地域なの
で、大きな石を運んでくるには好都合だったのかもしれないね。

続く新川は万場小橋よりも少し北に掛かる人道橋を越えて、大治町と中川区
千音寺の境界を進みます。すると県道68号(名古屋〜津島線)に合流して
ここから更に西へ向かうのです。なるほど、なるほど。

七宝町突入 七宝焼窯元
福田川を越えると七宝町です。七宝って、あの”七宝焼き”の七宝ですよ。
バイクフライデーのオーナーの方なら、七宝焼きをお持ちですよね?そう、
あのヘッドバッジです。日本原産地であることから現在の町名となっている
そうです。(七宝焼きが伝えられたのは8世紀頃だそうですが、江戸時代には
衰退していたそうで、江戸末期に地元の人の手によって再生されたのだそう)
今では窯元も僅かしか残っていない、と聞いていますが窯元の看板を見つた
ので近づいてみると、工房だけで販売はしていない雰囲気でした。もっとも、
小売していたとしても、手が出るようなお値段ではないのでしょうけれど。
バイクフライデーのヘッドバッジは何処で作っているんだろうね??

万博の支度? 街道っぽい
津島市に入って、神守ではお祭りの山車の支度作業に出会いました。来週
は春祭りなのかな?・・・どうやら翌週の愛知万博イベントの為に用意して
いたみたいです。街道が県道から少し外れると、途端に古い家並みが残っ
ていたりします。なかなか風情がある蔵のある御宅でしょ。

津島神社一の鳥居 ホントは河だった辺り
津島市中心部では旧街道の入り口を通り過ぎてしまうハプニングが有った
りしました(ちゃんと戻ってトレースし直しするのだからスゴイ!)が、きさ家は
何もお役に立てす付いていくばかり。情けなや〜〜。でも引き返して街道を
辿ってみると、全然知らない景色が待っていたりするのです。両脇に灯篭が
建っているのは、津島神社一の鳥居跡なのでした。
佐屋町までの道程は少々寂しい景色です。大体どの辺りを走っているのか
判ってはいるのが救いです。旧街道では佐屋から桑名までは”三里の渡し”
という航路だったのですが、今日はその大凡の軌道を走る事になります。
弥富方向に向けて進路を南に変わります。大きなお屋敷を抜けると、そこ
にはきさ家のお気に入りの中国茶店・茶一花さんの真北に出てきました。
あぁ、でも今日は定休日の日曜日・・・残念無念なキモチで先へ進みます。

井桁屋 国道1号
そしてようやく弥富町の井桁屋さんに到着しました。ここまで距離は短い
のですが辛かった〜!名鉄尾西線に平行しているルートなのでリタイアを
するのは簡単だけど、折角のこの機会に桑名まで辿り着けないのは悔しい
からね。しかしヘナチョコきさ家が足手纏いとなり、皆様のペースを乱して
しまった事は心苦しかった・・・一緒に走れるのは楽しいのですが、基本の
走行性能が違いすぎると、時間経過する毎に差がどんどん開いてきちゃう
からね。これが土地勘の無いところでの走行だったなら、きっとリタイア
していたでしょう。nassanご一行様には、すっかりご迷惑をお掛けして
しまったけれど・・・。
風情のある佇まいの味噌蔵なのですがnassanの背中越しには車がビュン
ビュン走っています。そう、ここはもう国道1号線なのです。

尾張大橋 三重県突入
そしてその先の尾張大橋を渡れば三重県のはず、と思いきや橋の真ん中に
県境の表示がありました。とうとう三重県に入りましたよ〜。ゴールまであと
少しです。桑名市に吸収された長島町を抜け、伊勢大橋で長良川・揖斐川
を越えるといよいよ桑名に到着です。

揖斐・長良川を望む
う〜ん、爽やかな景色ですねぇ。お天気も最高です。伊勢大橋とは反対の
右手側には長良川河口堰も見えています。暫し旅情に浸る一行です。

桑名宿到着 伊勢神宮一の鳥居
伊勢大橋から少し南に下ると、七里の渡しのゴールである桑名宿跡です。
佐屋街道起点から約3時間の道程でした。海(川と呼ぶべきか?)に面して
鳥居が建っているのは、伊勢神宮の一の鳥居という事なのだそう。
東海道トレースで埋められなかった七里の渡しの間を、当時の旅人と同じ
エスケープルートを使って走ることが出来て良かったですね(^^)
自転車に乗っていなかったら知らなかったはずの佐屋街道を、このような
形で走ってみる機会に恵まれたことを、とても嬉しく思いました。やはり
nassanとは不思議なご縁を感じずにはいられないですね。

さてさて、桑名宿と言えばハマグリですね。nassanが事前に老舗佃煮屋さん
をリサーチしてくれていたので、そのお店を目指して駅の方へ向かいます。
途中の信号でこだまさんとダーが離れてしまったけれど、お店の前に自転車
を止めていれば気が付くはず、とあまり気にも留めずnassan、おおしまさん
と3人でお店に入ります。

貝藤 店内に蛤は?
貝藤さんに入ると、銀髪の女将が出迎えてくれます。ガラスケースの中を
覗くと・・・むむむ。コレはかなりのホンモノ&高級志向。だってハマグリが
無いのですから。チョッと手を出せば買えるくらいの値段のハマグリ佃煮
は中国産ということになります。それを置かないお店ということですから
アサリ、昆布など他の佃煮の品質にも自信がある事が伺えます。

気風の好い女将さん
店の前に止められた自転車に気付いた女将さんは、この3人に興味を抱か
れたようです。お孫さんが自転車好きで、京都で某大手自転車小売店にお勤
めだそうで、京都から自転車でやって来たnassanが甚くお気に召したので
しょう。最初「兄ちゃん、大学生のサークルか?」と聞かれた時には思わず
吹き出しちゃったけどね。

nassanが恐る恐る尋ねます。「あの〜、ハマグリは無いのでしょうか?」
「有るで〜。でも高いで〜!でも兄ちゃんらには特別に出したるわ!」一度
奥に戻って、密封パックされた蛤とペットボトルに入った煮汁を出してくれ
ました。丁寧に、丁寧に、バットの中で佃煮の蛤と煮汁を馴染ませます。
「こんなもの店頭に出しとったら硬なってしまうからなぁ。」・・・なるほど。
「あの〜、これはお値段はいかほどなんでしょう?」「100グラム3675円!」
ひぃ〜〜。こりゃぁホントに超高級品だよぉ〜〜!ちょっとお土産に、なんて
事は難しいお値段です。「あんたらに特別に試食させたるわ。手ぇ出しぃ〜」
そんな勿体無い、と思う気持ちよりも、そんな高級品は滅多に口に出来まい
という気持ちが勝って手を出す3名。うぉ〜大きい!1粒が2センチ以上も
あります。佃煮にしてこの大きさならば、剥き身がいかに立派なものかは
想像の通り。そして口に入れると、ハマグリの旨みと&たまりの香りが強烈
に広がります。あぁ〜〜〜ゴハン、ゴハン食べたい〜〜〜!飲み込むのが
勿体無くて、いつまででも口の中で味わっていたい。

ハマグリの余韻に浸っている最中にふと気付く。「あれ?二人は??」
どうやら止めた自転車たちには気付かずに先に行ってしまったみたいです。
「京都でもこんな事があったよね。」ダーに電話をかけ二人の所在地を確認
し一安心。しかしこれからが長かった!次々に試食を勧めてくれる女将さん
に甘えて食べまくるのです。昆布もワカサギもウマ〜!

そして当然買わずに帰る事など出来る筈もなく、問題は何にするか?って事。
せっかく桑名まで来て蛤を買わないのも惜しいので「あの〜、ハマグリですが
100gからしか分けて頂けないのですか?50gではダメでしょうか?」
「あかん、そんなケチな事ようせん!それに硬ぅなるしな。」・・・はい。さようで
御座いますか。しかしここまで来たら清水ダイブだ!「蛤を100g下さい。」
あ〜あ、言っちゃった。買っちゃった。

nassanとおおしまさんもアサリや昆布など数種ずつお買い上げ。試食もした
けど、売り上げにもちゃんと貢献しましたよ。途中、しびれを切らしたダー
から電話が入り、結局こちらの店まで引き返してきてもらう事に。
会計を済ませて帰ろうとすると「兄ちゃんら、昼ご飯まだやろ?焼きお握り
ならすぐ出来るで、作ったろか?」

焼きお握り♪
そして焼きお握りを頂くのでありました。待っている間に、こだまさんと
ダーも戻ってきました。二人には訳が判らない展開です。散々ほったらかし
にされて、会えたと思ったら焼きお握りですかぁ??って。
佃煮の煮汁で焼いたお握りは、それはそれは美味しくて〜♪肉厚の椎茸も
きゃらぶきも、めちゃくちゃ美味しい!!!お腹は空いているんだけど、
ガツガツ食べるのは勿体無いのだ。

でもこんなラッキーはnassanと一緒だったからだからに違いないですね。
蛤は、ちなみに帰宅してから調べてみると100gで10粒入っていました。
わざわざ数えるとはセコイ!と言われても仕方の無い小市民でございます。
次に貝藤さんを訪れるときは、定員5名で”究極の時雨蛤ぽた”でも企画し
ようかな、と真剣に思うのでした。

そして桑名と言えば銘菓は安永餅です。さっき貝藤の女将さんから「安永餅
なら駅の南側の”かしわや”へ行きなさい。」と教えられ、地元民の意見は
聞くべきだろうと駅の周囲を探すことに。その途中、駅前で車を運転する
男性から「どこかのサイクリングクラブのお集まり方々なのですか?」と声を
掛けられます。何故か今日は皆揃って若く見られるらしい??(笑)

柏屋の安永餅 お気をつけて〜
確かに駅の南側に”柏屋”さんはありました。中に入って「そのままで2つ
下さい。」安永餅は細長いお餅の中に粒餡を入れて、表面を焼いたもの。
国道1号沿いにある菓子店が有名ですが(きさ家も安永餅といえばそこだと
思っていた)こちらのはかなり違います。餅がしっかりしたお餅であること、
表面がこんがりと焼いてあって香ばしい、そして餡も美味しい。値段は多分
同じくらいのはずです。あ〜〜これがホントの安永餅だったのか!!

もう1個食べたい気持ちを抑え、ここから更に関宿まで向かわれるお三方
とはお別れです。きさ家だけでは出来ない楽しい事が盛りだくさんの道中
でした。本当にありがとうございました〜


・・・・・その後、帰りの電車の中では、ガサゴソゴソと包みを取り出して周囲
の目も気にせずに大口を開けてパクリ!「美味しい〜〜!」京都ふたばの
豆餅を頬張るのでした。nassan、いつもゴチソウサマ!また今度は出来立
ての豆餅と、地元民の好きなモンブランと、グリル子宝の焼き飯と、吉田山
のステキなカフェと、それからそれから・・・とにかく、いっぱい食べに行き
ますのでどうかよろしくお願いしま〜す!


そしてnassanご一行様は、翌週に関宿から京都五条大橋までを走りきって
見事東海道トレースを完結されたそうです。本当にお疲れさまでした。
池鯉鮒宿(知立)〜宮宿〜桑名宿、と2週間にわたってご一緒出来た事は
きさ家にとっても良い思い出となりました。感謝感謝!

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