2月28日(土)
久々の土曜日のお休み。行きたいところは沢山あります。それを全部叶えるべく
ウゴベネの2台と一緒に地下鉄に乗り込み名古屋駅に向います。新名古屋の名鉄
窓口で「2DAYフリーキップを2枚お願いします。」
階段を降りてホームの一番後方に向います。今更ながらに新名古屋駅のホームは
他所者には解り難い。だってホームが行き先ではないのだから。北行きの電車、
南行きの電車、それぞれのホームを挟んだ中央が降車ホーム(兼特急乗車専用)
となっているから、2本しかない線路には引っ切り無し電車が入ってくるのです。
で、乗客はというと、行き先・種類別に色分けされた場所に並ぶのです。だから
ホームにはラッシュ時なんて人がぎっしり。そして最も緊張するのは運転手さん
の筈。「電車でゴー!」のゲームみたいにピッタリの位置に停めないと、お客さん
から大ブーイングが来ちゃうんだから。紫色の明りが点く津島線のに並びます。
そして最初に向かったのは佐屋駅です。名鉄にはまだまだ輪行に優しい駅が多く
てウレシイ。自動改札が無いのもウレシイ。自転車の支度をしたら、まっすぐに
西へ向います。あ、すぐに目指すお店が見えてきました。水屋のようなお家です。
一昨年の秋にずぶ濡れになって到着した中国茶のお店「茶一花(ちゃいか)」で
中国茶&中華粥のモーニングを食べたい!ってず〜っと思っていたの。でもこち
らは日曜日がお休み。だからなかなか訪ねられないでいたのです。
高山茶(こうざんちゃ)500円を注文すると、ピータン、クコの実、松の実、ネギ
生姜などなどカラダが喜びそうな具材がはいったお粥、ザーサイ、それに烏龍茶
で燻製した卵が付いてきます。すごいでしょ。
コーヒーのモーニングには黒糖パンのトースト、サラダ、ゆで卵で350円です。
高山茶はたっぷり三煎(差し湯ポットも完備)楽しむ事が出来るので、とっても
リーズナブルです。想像通りの大満足モーニング!もっと近所だったら、絶対に
通っちゃうんだけどな。
のんびり朝ご飯を楽しんでお店を後にして、ウゴベネ号の鍵を外して、さぁ出発
と思ったところで男性がお店の外に出てこられました。何か忘れ物したっけ?
「あの〜、名古屋からいらした方ですよね(^^)」「ええ、そうです。もしかして
覚えていて下さったのですか?」「はい。」「え〜!嬉しい!」だってもう一年半も
経っているんだよ。ええ、驚きましたとも。だって夕暮れ時に濡れネズミで現れ
る客(しかも自転車で)は、やたらめったらいないと思うけど、さすがに一年半前
となると覚えておられる訳がない、と決めてかかっていたのよね。さらにさらに
「あの〜コレ、休憩の時にでもどうぞ。」と高山茶のミニパックをお土産に頂戴
してしまいました。もう大感激です〜♪
すっかり御機嫌モードのきさ家が次に向ったのは「水鶏(くいな)塚」でした。
松尾芭蕉が佐屋に立ち寄った際に「水鶏鳴くと人のいへはや佐屋泊」という句を
残したのだそうです。芭蕉没40年後に芭蕉を偲んで建てられた句碑がココ。
いえ、きさ家は文学には全く縁は有りません。じゃあ何故ここへ?その理由は後
で明らかに。
佐屋から北に向かい津島へ。宅地整理が進んでしまって、今風の住宅が並ぶ町が
ずいぶんと多くなってしまって少し残念。津島にはきさの叔母一家が住んでいる
ので、小さい頃から何度か訪れた事があるのです。それでも天王川公園の周辺に
は良い感じの路地が今でも残っていたりして、ぽたキョロしていると・・・
「ぜんざい」の旗が目に飛び込んできました。ガラガラ、とお店の中に入っていくと
美味しそうな草餅にお団子。隣の小さな茶房ではお抹茶とお菓子のセットが300円
で頂けるようです。でも一番に目を惹いたのは、つるんとした桜餅でした。名古屋
辺りの桜餅は道明寺のツブツブ感の有るタイプが主流なのですが、三木屋さんは
表面がつるつるのお団子の皮に似た生地でで漉し餡を包んだものでした。今日は
先が長〜くなりそうなので、桜餅を1つだけ包んでもらう事にしました。
ふと時計を見るともう11時です。え?もうお昼ですか?ハイハイ、そうなんです。
きさ家はお昼ご飯の一番乗りも大好きなのだ。駅からなら地図なんて見なくても
行く事が出来るお店なのです。津島で一番有名(だと言っても過言ではない)お店
「水鶏庵(くいなあん)」へやってきました。
お店に入ると右手に小上がり左はテーブル席、とごく普通のお蕎麦屋さんなので
すが、お店の奥のドアを抜けると母屋のお座敷が待っています。ココのお庭がね
まぁスゴイんですね。
一番奥には店名通りに正真正銘の”庵”が有って、広々したお庭のふかふかの苔
は既に明るい春の色、梅の花もほころんでいます。それにお座敷には由緒正しそ
うな掛け軸やら額やら・・・なんとなく背筋をピンとしたくなる雰囲気です。
本来はこのお座敷席には会席料理の予約が必要なのですが、きさに”とある縁”が
お店との間には有るので、お蕎麦メニューだけお座敷を利用させて貰っています。
江戸重箱蕎麦定食と鴨蕎麦を頂きました。定食には津島麩の田楽が付きます。粟、
蕎麦、蓬の麩には味噌ダレがこんがりと。生麩のモチモチ〜感が絶品なのです。
重箱はたっぷりサイズの”水鶏重箱”とミニサイズの”お江戸重箱”の2種類が有
るのですが、今日はお江戸重箱に(この理由も後で明らかに)しました。お揚げと
長ネギ、カマボコと普通の具なのですがコレがしみじみ美味しい。上品な味付けの
煮物と玉子焼き、それにシソふりかけご飯が可愛い球形の塗りの器に入っていて
チョッとお弁当気分です。
鴨蕎麦は特注の巨大土瓶で供されます。合鴨を使っているので、水鶏庵では一年
を通じて人気メニューです。今日もお出汁まで全部きれいに食べちゃいました。
そして〆には蕎麦アイス。これがまた美味なのね〜。すっごく香ばしくて蕎麦な
らではのクリスピー感がオイシイのです。う〜ん、お腹いっぱいだぁ。ゆっくり
お座敷で休んだら、お隣の蔵へ移動します。
蔵と言ってもタダの蔵じゃないの。ココ「機石荘(きせきそう)」の引き戸を開ける
と、中にはフランス製”ル・パレデテ”の紅茶缶がズラリと並んでいるのです。
実は水鶏庵のオーナーのお嬢さんが経営す、紅茶の量り売りの専門店なの。
蔵の店内にはテイスティング用の小さなテーブルと椅子が置かれているのです
が、折角ココを訪れるのだったら是非とも前もって電話予約を。え?何でお茶す
るだけなのにわざわざ電話を??・・・その理由も後で明らかに。
まずは蔵の二階のギャラリーへ。毎月のように様々な展示会が催されているのだ
そうです。この日は桃の節句が近いこともあって、長島焼(万古焼の流れを汲む
のだそう・初めて聞きました)の雛飾りを中心とした作品が並んでいました。
急な傾斜の階段を上ると、小さな畳敷きのスペースに可愛らしい焼き物の人形や
陶板が飾られています。靴を脱ぎ、梁に頭をぶつけない様にしゃがみこんでいる
と、小さな頃のママゴト遊びの延長みたいな気分でついついノンビリ。
少しお腹も落ち着いたところで一階へ降りて、お菓子と紅茶を選んだら、一旦蔵
を出て(通常は閉ざされている)邸宅の正門から中庭(先程まで水鶏庵のお座敷
から眺めていたお庭)を抜けて、洋館のテラスから建物内部へと通されます。
うわぁ〜スゴイ。これが予約の必要な正真正銘の”サロン・ド・テ”だよっ!
左の建物が水鶏庵、右の白い壁の洋風の建物が機石荘のサロン・ド・テとして使
われていて、レトロな調度品が並ぶ素敵なリビングルームで優雅な一時を楽しむ
事が出来るのです。これなら予約が必要なのも頷け(しかしきさ家は水鶏庵さんに
お邪魔した際にチャッカリ”あとで紅茶の方も〜”とお願いしてしまったのですが)
ます。
まずは緑茶&ミントブレンドの水出しアイスティーがお洒落なグラスで供されま
す。金色に輝く爽やかなお茶です。やがて紅茶とケーキの準備も整いました。
リモージュのカップで頂くフランス紅茶はふんわりと優しい香り(ストロベリーと
オレンジの香りの紅茶を選びました・フランスってフレイバーティーのイメージ
なのよね〜)で、気分がとっても和みます。手作り感たっぷりのアップルパイは
少し温めてバニラアイスを添えて。旬のイチゴタルトはイチゴのお茶にピッタリ。
美味しいお蕎麦&フランス紅茶、なんだか不思議な組み合わせだけど津島に来た
からには絶対に寄ってみる価値はあると思いますヨ(^^)
あ〜美味しかったねぇ。じゃあカロリー消費にきこきこしなきゃ、と言いたいと
ころだけど今日はチョッと事情が違います。真直ぐ津島駅に向って輪行の支度。
須ヶ口まで引き返して、名古屋本線に乗り換えして新岐阜行きに乗り込みます。
そして新岐阜からは岐阜市内線で2駅先の徹明町へ、さらに美濃町線に乗り換え
て梅林まで。路面電車で数駅の距離だから自転車だったら大した事は無いはずな
んだけど(だから今まで乗ったことが無かった)今日はフリーきっぷが有るから
乗ってみようと思った訳。梅林の停留所前には良さそうなカンジの珈琲とケーキ
のお店が有ったけれど、今日はこの後も予定が詰っているのでチラリと外から
覗くだけです。で、梅林公園ってどっちに行くんだっけ??
答えはカンタン!渋滞の車の列を辿ると、ちゃんと到着できました。早咲きの木
(園内の4分の一ほど)はちょうど見頃を迎えています。全体ではまだ蕾の木が
多いので、園内はそんなに混み合っていなくて良かったです。自転車乗り入れ禁止
ではないようなので、ウゴベネを連れて園内をお散歩です。香りも楽しいお花見♪
屋台の誘惑に負ける事無く園内を歩いていると、何故か蒸気機関車が鎮座してい
ました。どうやら今日は鉄分多めの一日になるのね、とパチリ。
自転車を連れての梅の花見が楽しめて大満足。じゃあ新岐阜駅に戻りましょうか。
公園を後にすると、なんとも良い雰囲気のお豆腐屋さんを見つけました。残念な
がらお休み(土曜の午後&日曜一日が休みというノンビリ屋のお店でした)だった
けれど、今年の夏の花火には”朝のおやつに冷奴”なんてオツな事も出来るかな?
そして次に見つけたのは和菓子屋さん。”とらや本店”の名前は、アノ”とらや”
とは関係無さそう(まぁ鶴、亀、松、なんて名前は和菓子屋さんには有りがちだ
もんね)です。中に入るとやはり梅の花に因んだお菓子が並んでます。福梅最中
(超プチサイズで50円)と梅一輪(甘めのごく薄い煎餅に梅ペーストが挟まれた
もの・60円)を買い求めます。
新岐阜駅まで戻って再び輪行です。今度は笠松駅で竹鼻線に乗り換えます。ごく
短い距離なので、走っても行ける距離なのですが今日は車窓からの景色を楽しむ
事にします。竹鼻線は岐阜羽島の新幹線の駅に接続する路線(でも単線だけど)
なので、車両が新し目でイマイチ。やっぱりローカル線はレトロ車両がいいなぁ。
単線の柳津駅の改札を抜けると、どこにでも有るようなお好み焼き屋さんらしき
お店が見えました。外に貼られた手書きのメニューには”手作りタルト・150円”
”レンコンチップス・120円”と、興味をソソられる品が!思わず自転車の支度
をした途端にお店の中を覗きましたとも。
レンコンチップスは商品価値の低そうな細い蓮根をスライスしてカリっと揚げた
ものでした。蓮根って大好きなのよね〜♪おじさんに「一つ下さいな。」とついつい
口が動いてしまいました。一日に20個の手作りタルトは人気らしく既に売り切
れ。残念、と思うもこれからきさ家はケーキ食べに行くんだもんね〜。まぁいっか。
竹鼻線の線路沿いにひっそりと佇むカフェ・アン・ソレイユは以前からのお気に入
りのお店。毎日数種類の手作りケーキとパンが用意されています。普段はケーキ
には紅茶党のきさ家ですが”珈琲屋さん”ではちゃんと珈琲をいただきます。
マイセンの食器で揃えられた一寸リッチなおやつタイムは随分と久しぶりで、
雑誌を捲りながらノンビリしちゃいました。パンも買っていこうかと迷いました
が、この近くに気になっていたお店が有った事を思い出し踏みとどまりました。
柳津に来るたびに少し気になっていたパン&ケーキのお店「シャンポリオン」へ。
岐阜県下には何軒かチェーン展開しているようです。モーニングはパン食べ放題
らしいです。先ずケーキのケースを覗いてみましたが、さして惹かれるモノは無
し(有ってとしても買えないしなぁ・・・)で、パン。コロッケパン(ケチャップ
+ソースが塗られていてグー)とドライフルーツ入りの柔らかいパントーネを
(コレもナイスなパンだった!)選んで積載ダーの中へ。
で、次は何処へ・・・柳津から木曽川を越えれば木曽川町、その南西の端っこには
尾西線の”玉ノ井駅”という終着駅があります。今日はとことんローカル線狙い
で行ってみよう!って作戦です。木曽川橋の上から岸を眺めると、数隻の渡し船
が停泊しています。もう現役は退いていると思うんだけど・・・。
木曽川町に入って、どんどんと南へ下ります。丁度この時間帯は”伊吹おろし”の
お蔭で楽に進む事が出来ます。小さすぎて駅を見落とすんじゃないかなぁ、と少し
心配になりながら走っていると、駐輪場が目に飛び込んできました。そしてその
先には駅のホームが!なんと玉ノ井駅には駅舎はありませんでした。ホームへ直
にウゴベネたちを連れているんだけど写真で判るかな?
今日はフリーキップのきさ家ですが、じゃあ普段はどこで切符を?それは駅の向
かいにあるヨロズ屋さんが委託販売所になっているそうな。駐輪場からそのまま
ホームへウゴベネ号を引いて上がると、駅の横の小さな公園で遊んでいた女の子
たちが「○○さ〜ん!(ヨロズ屋さんのおばちゃんの名前)」と叫びました。どう
やら電車の乗客(であろうきさ家)が来たことを知らせているようです。
電車は1時間に2本だけ。随分と時間が有ったので写真を撮ったり、先ほど買っ
たレンコンチップスを食べたりして過ごしました。ついつい手が伸びる美味しさ
なんだけど、ダーからストップが掛けられてしまいました。
ターミナル駅の一宮駅で降りても面白くないので、一つ手前の西一宮で下車しよ
う、とホームに降り立つと待っていたのは急で長い階段でした。エスカレーター
もエレベーターも有りません。もうバリアフリー度0%ってカンジ。
春が近づいてきた証拠に日没時刻がだんだんとゆっくりになってきました。そこ
で一宮駅周辺をウロウロしました。
本町アーケードの北にある真清田神社へ。確かここの境内には湧き水がある、って
話を聞いた事が有るようなきもするけれど容器も無いので入り口だけで。神社の
隣の洒落た古着屋さんの店先に、白&赤のピクニカを発見しました。お店のカラー
にピッタリの可愛い子でした。そういえば最近ピクニ子に乗ってあげてないなぁ。
ジェラートの”ぼのむどねーじゅ”へ向おうとする脚を無理やり押さえつけながら
自転車屋さんをチラリと覗くと、もう日が暮れていました。じゃあ夕ご飯だね。
前に一宮を訪れた際に見つけたハンバーガー&サンドイッチの”グランドスラム”
へやって来ました。スタンダードなハンバーガーとダーはテリヤキバーガーを。
それにツナサラダ。飲み物は・・・やっぱりウィルキンソンでしょ。昨年の夏に
このジンジャーエールの味を知ってから、ホットドッグやハンバーガーのお供に
はピッタリだなぁ、って。大きな口を開けてガブッと齧れば、牛肉の肉汁がジュ
ワっと。ん〜美味しい♪全部食べきれるかな?って心配だったけれど、ちゃんと
食べきれましたとも。あ〜おいしかったぁ(^^)
すっかり真っ暗になった道を一宮駅へと走ります。急行で名古屋まで戻る車内で、
「ど〜しよっか?名古屋から地下鉄で帰る?」「ん〜、まだ元気残ってるよっ。」
それならば最後の輪行はこの路線だよね、と意見が一致して名古屋駅から地上に
出たら、もう一度ウゴベネを取り出して移動します。どこへ行くかと言えば・・・
テレビ塔なのです。この地下には名鉄瀬戸線・栄町駅があるのですが、きさ家は
この駅を一度も利用した事が無いのです。名鉄の中でも瀬戸線だけは他の路線と
接続が無いし、瀬戸に行くなら走って行っちゃうし。地下にホームが有ることは
知っていたけれど、今回が初めての瀬戸電始発からの乗車となりました。
こうしてフリーキップを使った名鉄輪行ツアーは無事終了となりました。帰宅し
て福梅最中やらレンコンチップスやら、グランドスラムからお持ち帰りしてきた
ミックスナッツを抓みながら今日の切符代を調べてみました。
1.新名古屋〜佐屋 440円
2.津島〜新岐阜 590円
3.新岐阜駅前〜徹明町 170円
4.徹明町〜梅林 170円
5.新岐阜〜柳津 290円
6.玉ノ井〜西一宮 220円
7.一宮〜新名古屋 360円
ここまでで2240円。フリー切符は2日分で3800円だったから、一日当たり
1900円。岐阜市内線は乗っても乗らなくても、って距離だからお得度は余り高く
なかったって訳。コレにオマケの瀬戸線が加わったけれど、今日の路線は割安感
が高い区間が多かったからねぇ。いちいち切符を買わなくても気軽に乗れる事、
それに切符が定期券サイズで使いやすかった事は良かったかな。
普段は移動手段としてしか使わない名鉄を、フルに活用した一日となりました。
折りたたみぃな生活が始まってから、鉄分が高くなっている気がするなぁ(笑)
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