12月30日(火)
目が覚めて、ホテルの小さな窓から外を窺います。今日も良いお天気の様です。
昨日買ったタイユバンロブションのパンを食べながら、地図を眺めます。今日は
お昼も夜もご馳走が待っていて、ウキウキの一日になる事は間違い無いのデス。
右端から全粒粉入りの小さなプランスパン・プチコンプレ、細長いのはバジル入り
フォカッチャ、アンチョビ入りミニクロワッサン、四角いパン・オ・レ・ショコラ、その下
はミルク風味のパン・オ・レ、それにグルグル模様のエスカルゴはシナモンロール。
階上のフレンチレストランの為のブーランジェリーだと聞いていたのに、イタリア
風なパンも置いてあるのに少し驚きつつ、フォカッチャを買ったの。プチコンプレの
噛み応えを楽しむうちにお腹が膨れてきたので、2つのパン・オ・レは翌日へ繰越。
今日はバーディで出動です。kohiluさん家との試乗会から1ヶ月、ずっとデリカ号
の住人となっていた気の毒なきさ家のバーディたちに空気を入れてあげなくちゃ。
今日の最初の目的地は四谷です。当初は丸の内線で輪行しちゃおうかと思ってい
たけれど、昨日まめさんにお付き合い頂いたお蔭で、走っても行けそうな気分に
なりました。もう休日モードで交通量も少ないだろう、と青梅街道で新宿を目指
します。
西新宿までやってくると、ノッポビルがニョキニョキ。テレビの中で見た景色が
現実に目の前に有ると、ついカメラでパチリとしたくなります。仕方が無いのよ、
だってオノボリサンなんだから。路上駐輪整理のおじさんに笑われても、笑顔で
返すのだ。雲ひとつ無い空に伸びるビル群のなかに一際大きい都庁を見つけ
ても、近くじゃカメラに収まらない。ところが少し離れた通りに、ベンチにしては不
自然な石の台を見つけました。これはもしや!とその上に立ってみると、上手い
具合に全景が収まりました。
でもビルが多すぎてどっちに行けば良いのやら・・・何度も地図とニラメッコして
ようやく新宿陸橋の手前まで来ました。交差点の向こうにバックパッカーの外国人
を見つけたダー、「あ、イ〜なぁ。アレ。」「え?アレを背負ってきこきこする気??」
そのうち家財道具一式を背負いだしたりして・・・(^^;
新宿陸橋を越えて新宿御苑までやって来ると、先程までの喧騒が嘘みたいに静か
です。残念ながらもうお正月休みでしたが、新宿門よりも東に進んだ所にレトロな
門が残っていました。写真がイマイチですが、門番部屋?みたいな部分を囲う柵
の作りが少し変わっていて面白い。
新宿通りを更に先へ向うと、なんだか好い匂いがします。ちょっと待って!とダー
を引き止めます。こんな所にパン屋さん?「A、SA、NO、YA。え?浅野屋??」
軽井沢では勿論、銀座の松屋でも売られている有名なお店のパンはココの厨房
で焼かれていたんだね。当然のように中に入ってしまいました。焼きカレーパンと
あんドーナツを買いました。あぁ、これで明日の朝パンは定数に到達しちゃた。
四谷駅前の交差点までやってきました。ここから少し路地を入ったところに目指
すお店が有る筈です。電柱の住居表示を確認しながら、細い路地をグルグルと。
でも見つかりません。ダーが近所の方にお店の場所を尋ねます。教えられた通り
に進むと、こんな路地に出会いました。
ミキさんの得意そうな道だねぇ、と笑いながら写真を撮ったりして。バーディが
道幅いっぱいなんだから、この先の角はおのさんのビューポイントだと曲がれる
のかな?(笑) 教えられたとおりこの角を曲がって、更にもう一度曲がると・・・
あった、あった!しかし視界の先には新宿通り・・・。ナンだ、ぐるぐると大回りを
していただけだったのでした。でも迷いながら探すのは嫌じゃないのだ。初めて
たい焼きの”わかば”にやって来ました。いつもは行列のお店なのだそうですが、
運が良かったのか他のお客さんはいません。お蔭でじっくり焼き場を見学しなが
ら、縁台に腰掛けて食べる事が出来ました。奥で餡を煉る人、焼く人、オコゲを
切り落とす人。何人ものおじさんが忙しそうに働いておられます。
たい焼きの表情はお店によっても、また同じ店でも一つずつ違うものですね。きさ
が食べたものは、顔がぷっくりしていて親近感を覚えてしまいます。店頭の栞に
習って(殿方は頭から、ご婦人は尻尾から、との事)食べましたが、当然の様に
ちゃんと尻尾から餡子が詰ってます。120円の温か〜いシアワセ♪それに加えて
お店の佇まいもポイント高いです。新宿通りからは、和菓子屋さんの角を入ると
きさ家のような迷走をしなくてもすぐに見つかります。
新宿通りを少し戻り、四谷三丁目で左に曲がって外苑東通りへ。前方に大〜きな
病院が見えました。やけに広いなぁ、と思ったら慶応大学病院でした。ナルホド。
ここまで来たら当然の流れように外苑に入ります。何ででしょうね・・・。
青い空に向ってアンテナがいっぱい広がっているみたい。何を発信しようとして
いるのかな。初夏の濃い緑の頃と、冬枯れの頃にしかココに来られないのが少し
寂しい。でも黄色に輝く頃じゃ、きっとこの静かさを味わう事は出来ないよね。
わざと大回りして表参道へやって来ました。もちろん見るだけ、見るだけ。同潤会
アパート跡は、年末差し迫ったこの日も工事中です。けやき並木の向こう側には
敷居の高そうなお店がずらり。てっぺんにお星様まで輝く真っ白いディオールの隣
には、高級ブランドショップが同居させたことで評判らしいエスキス表参道が。
きさ家にはとんと縁が無さそうなお店ばかりです(笑) けれども少し進んだ所の
ショーウィンドゥにベネ子を見つけて、つい足が止まってしまいました。けれど
運が良いのか悪いのか、まだ開店前だったので後ろ髪を引かれつつ通過(泣)
青山通りに出て紀ノ国屋を少し冷やかすことにします。きさ家はココのピタパンが
好き。今年になってようやく名古屋でも入手可能になって喜んでいたのですが、
こちらのお店にはプレーン以外にもチーズ入りなんかも置いてある。対面販売と
反対側のセルフをあわせるともの凄い種類のパンが並んでいて、見たことの無い
種類の物も沢山あって楽しいの。
何かおやつ無いかなぁ・・・持ち歩きが用意で、珍しいもの。そう思ってキョロキョロ
していると、トマトのゼリーと山桃ゼリーが目に付いたので手に取りました。あとは
トロピカーナの季節限定スィートベリーを。トマトゼリーはレストランでアミューズ
として出てきたら良いかも、って味。トマト味はおやつ味じゃなかったのだ。あ、
ゼリーは名古屋に帰ってから食べたんですよ。念のため。
会計をしようとレジへ向うと、年末とあって大量のお買い物のお客さんで大行列。
スーパーマーケットのお買い物で4万円オーバーなんて、住んでる世界が違うわ
ねぇ、という気分になります。
ようやく会計を済ませると、もう時計は11時20分。おお、丁度良い時間になった
よ。ウキウキと骨董通をきこきこ行けば、そうクッチーナ・トキオネーゼ・コジマだ!
やっぱり今年もやってきてしまった。どんなお料理が食べられるのか楽しみ〜♪
開店一番乗りのきさ家は、昨年と同じ地下階の一番窓際の席へ。今日のメニュー
を黒板を見せてもらいながら説明をしてもらいます。今回は去年も食べた野菜の
ランチプレート・1500円と、2500円のAコースを注文しました。
まず出されたのはティースプーンに一口分盛られたニンジンのムース。上にクミン
が振られています。「パクっと一口でどうぞ。」と、お店の方。ではでは、とパクリ。
にんじんの甘さ+カレースパイスでお馴染みのクミンの香りが食欲を刺激します。
ホントはAコースのアミューズだと思うんだけど、ご配慮で2人分も出して頂いた
のでした。
自家製のパンは丸くて赤いトマトパンが可愛いくて、オリーブオイルをビッタリと
塗りながら楽しみます。プチサイズのパニーニは半分っこするのは至難なので
一口ずつパクっと。ん〜、もう1個下さい、って言いたくなってしまう。
そしてお楽しみの野菜のランチプレートが登場しました。野菜って美味しいのねぇ、
と今日も実感出来るかと思うとワクワクします。
右奥のショットグラスの中にはバーニャカウダ。生の(少し変わった品種だった?)
カブを付けると、パリボリと歯応えも良い。カブを食べてしまったら、当然パンを
グラスに突っ込んで拭いちゃう。以下、プレート内を時計回りで。
ズッキーニのフリットはそば粉の衣、サクッと揚げただけの筈なのに、すっご〜く
おいしい。家で真似しようと思っても無理なんだろうなぁ。
小さなスープは一口食べて「?」ダーも「?」 記憶にある味なのに、何だっけ??
根セロリのスープでした。確かにセロリの香りだよ。
パスタはブロッコリーソースのコンキリエ。クタクタ〜のブロッコリーが丁度良い
具合に貝形のパスタの絡まります。もうちょっと食べたい、と思った時には既に
お皿から消えていました。
青大根のトマトソース添えは”風呂吹き大根のイタリアン編”って感じですね。
程好い歯応えが残る青大根+真っ赤なトマトは視覚にもイタリアン気分全開!
左上はベーコンの旨みがよ〜く染みたキャベツ、隣はマッシュポテトに法連草の
ムース添え、法連草の濃厚な甘みと発色に今年も驚くのでした。
そして中央に僅かに見えるのは爽やかなリンゴのサラダ。手間暇掛ってます。
驚いたのは去年のプレートと一品も同じものがなかったこと。今年も一部は同じ
お料理が食べられるかなぁ、と少し期待をしていたのですが、見事に裏切られま
した。モチロン、その期待以上の新しい感動を貰った訳ですが。同じ時期なんだ
から少しぐらい同じメニューを出すのかなぁと思ってました。レパートリーの広さ
に拍手拍手!!ホントに素晴らしい。
野菜プレートの右側はAランチ前菜・牛肉のカルパッチョ(最初に写真を撮るのを
忘れていました・量はこの倍くらいかな)で、バルサミコベースのソースで牛肉と
たっぷりの生野菜+温野菜(ミニサイズのカブがキュート)が和えてあります。
こちらの食事のペースにぴたっと合わせて、メインの沖縄豚のハチミツとショウガ
のソースが出来上がりました。厚めに切った豚肉はジューシーで、辛いかな?と
想像していた生姜のソースは、ハチミツのまろやかさと相まって絶妙のバランス。
「ウマっ!」「おいひ〜!」冷める間も無く、ざくざくざくと切り分けられたお肉は
お腹の中へ。ソースも奪い合うようにパン(もちろんお代わりをお願いしたの)に
つけて、最後は骨を手で持って周りのお肉もガシガシと食べちゃう。
添えられているのはジャガイモ、ではなくて”キクイモ”でした。お料理の説明を受
けた瞬間、思わずダーと顔を見合わせて苦笑してしまいました。キクイモは体に
良い食品なのだそうですが、以前キクイモ入り豆腐の試作品を食べる機会が有
って、この時は正直言って美味しくない印象が残っていたからです。
「まさかココでキクイモに再会するとは思っても見なかったよ。」「全くだよ(^^;」
キクイモは独特の土臭さがあって、例えるならば牛蒡を初めて食べた外国の人が
「木の根っ子かと思ったよ。」と思うのと似ているかもね。今回頂いた感想ですが
”好んでは注文しない”かな。初体験の時よりは印象アップできてヨカッタけどね。
そして期待のドルチェは洋梨のミルフィーユ。ベリーのお菓子も用意されていて
追加しようか迷った(ドルチェはランチプレートに+500円)のですが、事情により
断念。洋梨のミルフィーユって初めてです。洋梨大好きなきさ家には堪らないよ!
サクサクのパイとキャラメル、それにバニラアイスクリームと絡まるって絶品で
すね。これを食べたら笑顔にしかなれない〜!!
もちろんフレッシュハーブティーも楽しみにしてきたの。普段はあまり好んでは
注文しないのですが、昨年飲んですごく気に入っていたから。相変わらず美味し
くて、きさ家の好みのレモングラス香りに「やっぱり来て良かったね。」の思い
を強く感じたのでした。
美味しいお料理もさることながら、とても居心地の好いお店なのです。フロアの
スタッフは親しみやすく、お料理もお店の事も大好きなんです!って気持ちで接
してくれてます。奥の厨房からこぼれてくる声にも元気が感じられて、お料理を
待つ間も良い気分でいられます。
会計をしようと1階へ上がると、レシピを纏め中?の小嶋シェフがいらっしゃいま
した。きさ家を見て「遠方からお越しくださったそうですね。」とお声をかけてくれ
ました。(フロアスタッフは、お客との会話を逐一シェフに伝えているのです)
「昨年も寄らせて頂きましたが、やっぱりとても美味しかった。今度は是非とも夜
に来たいです。」とお礼を伝えて「よろしければ写真を撮らせて下さい」と御願い
したところ快諾してくださいました。想像通りの優しい笑顔の方でした。
すっかり満足してお店を後にします。次に向うのは広尾のラ・プレシューズ。そう
昨日のリベンジなのです。昨日も行ったんだから地図なんて見なくても大丈夫、
と思っていたら・・・あぁ、やっぱり間違えちゃった。
更に美味しくケーキを頂く為には、少しくらいの大回りだって全然ヘーキ。それに
気持ちの良い緩やかな坂道も見つけたし。ホントはコジマから10分位で行ける筈
なのに、30分もかかってしまったけどね(^^;
昨年はきさ家の予定と合わず、昨日は生憎のお休みで、ようやく訪問する事が出来
てホッと一安心。真っ白なお店の中には、お店の名前の通り宝石を飾るかのような
ケースの中に鮮やかなケーキたちが輝いています。おやつの時間には少し早いか
らか、カフェスペースは貸しきり状態です。広くはないけれど、なかなか落ち着ける
雰囲気で、可愛いひざ掛けも用意されていて嬉しくなります。
ずらりと並ぶケーキを前に悩むのは、何て幸せな気分なんでしょう。ダーは予想
通りピラミッドに決めたようです。和栗のモンブラン、ミルフィーユが有名みたい
ですが、コーヒー味のケーキ(名前失念)を選びました。ピラミッドはシンプルな
見た目ですが、柔らかいチョコレートムースの中にカリカリと楽しい食感(これが
ピラミッドの財宝だったのか??)が味わえます。コーヒーのケーキも、やはり中
には色々な味が織り交ぜられていて、一気に食べてしまうのが勿体無い程。
のんびりケーキを食べている間にも、次から次へとお客さんがやってきます。焼
き菓子は勿論の事、チョコレートにも力を入れているようで、こちらの方も人気が
あるようです。ハイソなお土地柄、ハイヤーでお買い物のマダムもいたりして。
ランチとおやつを満喫した後は、頑張ってきこきこと行きましょう。激坂ぽたの
予習?を兼ねて、いくつかの坂を上ったり下ったりしながら麻布十番へ。鯛焼き
は今朝食べたから横目でチラリとしただけで、赤羽橋からの東京タワーを眺めを
楽しみながら日比谷通りを進みます。日比谷シティで愛知万博開幕までのカウント
ダウンを表示するボードを見つけて「東京の人は愛知万博を知っとるのかなぁ?」
と疑問に思ったりして。
お堀では鴨の群れの中に、二羽の白鳥が寄り添うように泳いでいました。こんな
東京のど真ん中に白鳥がいる事に驚いたよ。知らないうちに日比谷通は本郷通に
名前が変わって、神田川の向こう側へ渡ると秋葉原へ到着しました。
ダーは楽しげに色んな店をウロウロとしています。結局は何も買わないんだけど
まぁ見て廻るのが楽しいのでしょう。一応、相方の希望も取り入れないとねぇ。
きさはと言えば、街中に溢れる”秋葉原系な人々”の観察タイム。一人で買い物
してる人よりも、同じような雰囲気の男二人連れが多いなぁ、と。それにやっぱり
女性が少ない。売り場のお姉ちゃん(おばちゃんは居ないのね)以外には、相方に
付き合って来ている女性を偶に見かけるだけだし。
一時間ほど居ただけでグッタリしてしまったよ。この疲れを取るには、やっぱり
アレしかないでしょ。
靖国通りを西へ西へと向います。防衛庁の巨大な建物にビックリしながら曙橋駅
を過ぎると、もう着いたも同然と気が緩んだのか、何故か靖国通りから外れてし
まって意味も無く坂を上る羽目に。気が付くと日も暮れて、真っ暗な路地の中か
らどうにかして”位置エネルギーを消費しないように〜”と気を遣いつつリルート
して、ようやくラ・ヴィ・ドゥースに辿り着いたのでした。
こちらには明日の午前中に訪ねる予定だったのを、半日繰り上げて今日の夕方
の訪問となってしまったので残っているケーキは種類も少なめ。残念ですがこれ
は仕方の無いところ。2人席テーブルが3つだけのカフェスペースが、運良く1つ
空いていただけでも良しとしなくては。それにスペシャリテの”バッカス”も残って
いたしね。価格が300円台のものばかりで、ちょっとビックリです。
バッカスはオレンジのタルトに滑らかなミルクチョコクリームが乗っかたケーキ
で、オレンジペーストの苦味とチョコの甘みが良い感じです。もう一つ選んだの
はシトロンで、こちらはレモンティーのムースと表示されていました。バッカスが
濃厚なチョコなので、もう一つはさっぱりしたケーキを、と思って選んだのでした。
爽やかでするっと食べられるお菓子で、これは夏向きのケーキなのかもしれな
いですね。迷った時間があったので、ちょっと急いでぱくぱく。紅茶もカップ半杯
を残してお店を出ます。
さぁ頑張って池袋を目指します。靖国通りから明治通りに入って、ダラダラ続く
坂道をきこきこと進みます。体内燃料メーターの針がどんどん下がっていくのを
シメシメと思っているうちに、南池袋のガードまでやってきました。自転車を降
りて歩いてガードを越えると、線路のすぐ裏に駐輪場を見つけました。守衛さん
もいるし、1回100円だったのでここにバーディたちを預ける事にします。
「東武百貨店で1000円以上買い物すれば無料になるから。」と駐輪券を渡され
ました。約束の時間まであと15分有るので、東武の地下へ寄る事にしました。
時間があればゆっくり見てまわりたいところですが、急いで買い物をします。軽
くて持ち運びが容易で、名古屋じゃ売っていないものを買いたいところ。そこで
目に入ったのは赤に黒の紅茶缶の”エディアール”でした。目に付いたブレンド
の袋を二つ手に取って急いで会計を済ませませると、後ろ髪をひかれつつ地上へ
戻ります。
西口五叉路の大和證券の裏にお店を構える「笹周」は日本酒を愉しむ居酒屋
さんですが、冬になると鴨を食べさせてくれるのだそうです。鴨と言っても普段
口に出来る合鴨ではなく、正真正銘の”真鴨”なんですって。是非とも食べてみ
たい!と思ったものの、鴨鍋をきさ家二人きりで食べるのは寂しいよね。そこで
強力な助っ人をお誘いしたのデス。もう居らしているかな??
ガラガラ〜、とお店に入ると、威勢良く「いらっしゃいませ〜!」の声。予約の電話
の時から良い印象だったので、これは間違いないと一安心。名前を告げて「連れ
はもう来てますか?」と訪ねると「お一人様がお待ちです。」
階段を上っていくと、囲炉裏が組み込まれたテーブルが何席も並んでいます。一
番奥の席に、すでにまきさん(前夜に続いてオツカレサマ〜)がお待ちでした。
靴を脱いで席に着いたところで、こぐさん&あゆこさんがお出ましになりました。
真鴨を食べるなら、お誘いするのはこぐさんでしょ!となった訳で(^^)
5人揃ったところで、「ココはやっぱり日本酒でしょう!」という事になり、あゆこ
さんに選んでもらった三千盛(ミチサカリ)の冷で乾杯。きさ家は滅多に日本酒は
頂かないのですが、するっと飲めるて「美味しい!」皆も口々に「美味しい〜!」
日本酒のメニューにはお酒のラベルが貼ってありました。三千盛は岐阜のお酒だ
と判明。これを機に、きさ家も日本酒に目覚めるか?!
まずはお酒が更に美味しくなる肴を楽しみます。中央は烏賊の胴にワタを詰めた
もの。ルイベのように少し凍った状態になっているので、生臭さが抑えられてい
て塩辛を好まないきさにも美味しく頂けました。菜の花のお浸し、イカのお刺身
をつつく内に、真鴨の串焼きがやってきました。上下の葱の間にレバー、手羽?
モモ、と3種類の肉。串から肉を外すと、見事に赤い血が滴り落ちて・・・じゅる、と
こぐさんの舌なめずりが聞えたような(笑) 2本注文したので、早い者勝ちで好き
な部位を食べることにします。きさは骨付き部分をカブっと!初めて食べる真鴨
の味は、臭さは全然無く、濃厚な旨みがじゅわ〜と溢れて幸せ〜な気分です。
鰈の焼き物が出来上がった頃にはお酒も空になりました。真打がまだなのに、酒
が無しではハナシにならない、ともう1本(銘柄失念)追加します。2つ目のお酒
は、より日本酒らしいお酒、といった感じでした。鍋と相性が良いのはこっちか?!
鴨鍋を3人分注文すると、先にお店の方が全体を盛り付けた大皿を席に持ってき
てくれました。真鴨の生肉なんて滅多に見られるものではありません。おぉ〜と
思わず声が上がります。「お席の囲炉裏では火力が足りませんので、奥で鍋を作
ってきます。」と、大皿を持って下がる店員さんに、こぐさんが声を掛けます。「お肉
を少し生で残して持ってきて下さい。」レア好き好きのこぐさんならでは。
やがて熱々のお鍋が席の囲炉裏へ置かれました。焼いた鴨もイイけど、鍋もまた
堪らない美味しさ!!スープを大事に大事に頂きながら、お肉も硬くならない内
にささっとお腹の中へ。「スープ、たくさん取っちゃダメ!」と互いに牽制?しつつ
あっと言う間に具が綺麗に無くなりました。新潟の鴨の魅力に夢中の5人です。
「スイマセン、うどんを2人前お願いします〜。」太めの少し捩れが入った麺を
スープの中で泳がせます。程よく煮えたところで、七味をかけてツルツルツル。
「まだイケるよね?」「勿論イケますよ〜」「じゃ雑炊、行っちゃいましょう!」
最後の最後に雑炊2人前で、鍋はすっかり空っぽに。大・大・満足の鴨でした。
あ゛〜ウマかったぁ。モチロン美味しいお料理&お酒の最高のお供は、楽し〜い
お喋りなんですよね〜。あゆこさん、こぐさん、まきさん、お付き合い下さって
ありがとうございました。来年の冬も食べたいなぁ。
日記目次へ
ホームへ