9月14日(日)

「明日は奈良に行こう!」前々から行きたいなぁ、と思いながらガイドブックを
何度か捲っていたのですが、決行がダーから宣言されたのは前夜のことでした。
初めての近鉄特急にワクワク、ドキドキです。奈良行きの直通は無いので、名古屋
から難波行きに乗り2時間強、大和八木で少し待って京都行きに乗り換えて十数分。
最短コースで2時間半弱で奈良の西の玄関口、大和西大寺に到着です。

ウゴウゴとベネ子を組み立てて、真っ先に向かうのは勿論ココしかないでしょ!

 ガトー ド ボア 金メダルのアンブロワジー
奈良といえば”ガトー ド ボア”ですね。前から一度行ってみたかったんですよ〜。
フランス製菓ワールドカップで優勝した”アンブロワジー”は食べてみなくては。
あともう一つは何にしようかなぁ〜。フランボワーズクリームを飾ったタルトは
予想に反してぽわ〜んとした口当りですが初めての味。アンブロワジーはピスタ
チオのムースとチョコレートの組み合わせで、目にも舌にもとっても鮮やかです。
600円には”高い!”って思ったけど、なかなか食べられるお菓子じゃないもん
ね。お店の雰囲気もお高くとまっていなくて好印象でした。また行きたいなぁ〜。


 平城京を行く 朱雀門
おやつに満足した後は、晴天の平城京跡へ向かいます。真っ赤な朱雀門が見えて
その辺りの広場では地元の子供たちがサッカーをしたり、模型飛行機を飛ばしたり。
大極殿の復元が進んでいることと、この大きな朱雀門以外では遺跡って雰囲気が
感じられないのが長閑で良いねぇ。遺跡ってどうも閉鎖的なイメージだから。
しかし異常にデカイ門だねぇ。いったい誰を迎えようと言うんでしょうね。さて、どこ
にベネ子とウゴウゴが(そしてダーも)いるか判ります?

では次は”ならまち”へ向かいます。平城京から南に下って、JR奈良駅のレトロ
な駅舎を眺めようと思ったら改装工事中なのか白い塀の中でガックリ。もしかして
名古屋駅みたいに取り壊しちゃうのかなぁ・・・。さらに南東方面へ向かえば良い
はず、と思ったらなんだか道に迷っちゃったみたい。ありゃりゃ。

 ラ・ブリク 八軒町トースト館
でも迷った最中にこんなお店を見つけちゃった。煉瓦窯焼パン工房ラ・ブリクだって。
これは通り過ぎる訳には行かないので、さっそく小さな店内を覗きます。狭いけ
れどカウンターで焼きたてのトーストが楽しめるそうな。うはぁ〜美味しそう〜!
でも今日のお昼はもう決まっているので、よもぎあんぱん、ミニチョコパン、ミニ
ゴマパン、くるみパンを包んでもらいます。お会計がやけに安いなぁと思ったら
なんと日曜日は全品3割引なんだって。うひゃひゃ〜♪
ご主人に手持ちの地図を差し出して現在地を教えていただき、本当の目的地へと
辿り着くことができました。


 藤岡家住宅・てんぽ 現役のかまど 一汁一菜
重要文化財・藤岡家住宅では竈で炊いたご飯が食べられる、と聞いて興味津々で
やってきました。かやくご飯にお味噌汁と小鉢が付いて(一汁一菜だね)600円。
ご飯は一度だけお代わりが出来ます。お味噌汁は生粋の名古屋人には少々物足り
ないと感じなくはないですが、切干大根にじゃがいもの煮物(小鉢は2品用意して
あるようで、2人組のお客には別々のものを出してくれる)に、かまどご飯のお楽
しみのオコゲを楽しみます。もちろんお代わりもちゃんと綺麗に平らげました。
でも600円ってさっき食べたアンブロワジーと一緒ぢゃん。しかもご飯は税込み。
どっちがどうだ、とは一概には言えないけれど少々複雑ねん。

食後は真向かいの”ならまち・格子の家”を見学(入場無料)します。
 客間から奥の間 2階から見おろして
昔ながらの商家が保存されていて、内部は殆どのスペースを自由に見て回る事が
できます。入り口の客間には奈良らしく?鹿の屏風がお出迎え。古民具で見かけ
る階段箪笥を上って2階にも入ることが出来ます。2階の部屋から”おくどさん”
を見おろしたり、格子窓から外を覗いてさっきまでご飯を食べていた藤岡家住宅
を眺めたり。中庭も美しく、思わずのんびりしてしまいます。

 吉田蚊帳 豆腐庵こんどう
更にきこきこと奈良町を徘徊すると、風情ある景色がそこかしこに。こんなに素敵
な街並みが有るなんて、全然知らなかったよ〜。そりゃあ歴史ある奈良なんだか
ら当然と言えば当然なのかもしれないけれど。家々の軒先には高山の”さるぼぼ”
に似た赤と白の申の人形がいくつも吊るされていますが、これは厄除けなんだそ
うで、なかなか可愛いものです。そうそう、せっかく奈良に来たんだから定番の
観光地も行かなきゃね。

 仔鹿は好奇心旺盛?
歴史ある奈良ホテルの敷地内を横切って(チャペルではクラッシックカー前で記念
撮影する新郎新婦も見かけたっけ)渋滞の車の列を横目にスイスイと進めば、奈良
公園に到着です。ちょうどこの春に生まれた仔鹿たちが賑やかです。もちろん大人
の鹿もいますが、絵本のバンビそのまんまの姿の子たちはすっごく可愛い!
連休の中日ということで観光客も目一杯、シカせんべいを買わずとも、もう今日
はみんな満腹だろうと言うことで、もっぱらカメラを構えて歩き回るだけ。ケチ?
実はシカせんべいを持っていると怖いくらいに囲まれちゃって、写真どころじゃ
なくなってしまうのです。

 五重塔 南円堂
そして修学旅行の定番スポット”興福寺”へも。境内自由なので、ベネ子たちを連れ
て歩くことも出来ます。大きな五重塔を首が痛くなるほど見上げながら、カメラに
全貌を収めるのに四苦八苦。八角形の南円堂は何となく庶民的な雰囲気が漂って
いて良いカンジです。


次は商店街をウロウロしながらお土産を物色します。有名なのは大きなどら焼き
のようなお菓子”三笠”なんでしょうけれど、どうせなら知らないお菓子が良い
もんね。

 萬々堂道則 ぶど饅頭 
遣唐使が持ち帰ったと伝えられる”ぶど”を(元来は米粉ですが現在は小麦粉を使用)
食べやすいお菓子”ぶど饅頭”にアレンジした萬々堂道則(まんまんどうみちのり)で
す。和菓子には珍しい揚げ菓子で、味も上品なあんドーナツといったところ。

さらに農協のアンテナショップを覗いて大和茶、三輪素麺の”ふし”、それに今日は
お店は休みで食べられないと諦めていた春日庵の”さつま焼き”がバラで売られて
いて大感激。梅ジャムと葡萄ジャムの大瓶が2つで400円で売られていたのにも
食指が動きましたが、さすがに大瓶2つは重過ぎるので諦めましたが。
大和茶はペットボトルも売られていたので、空になったサーモスにその場で注ぎ
ます。するとお店のおばちゃんが「氷、入れてきてあげようか。」「え、良いん
ですか?」お言葉に甘えてたっぷり補充してもらいました。これで帰りまで冷え
冷えが楽しめる〜。ありがたや、ありがたや。

 ふとんの資料館
なら工芸館、ふとんの資料館、と入場無料の施設を探しては暑さをしのぎます。
ふとんの資料館は半分趣味みたいなギャラリースペースで、ラムネに誘われて中
に入ると”コーヒー・200円 1杯ずつ抽出しますので15分ほどかかります”
だって。どんなモンだか飲んでみようじゃないの!
若主人らしき男性は「ホットコーヒーですか?」と聞きなおした上で奥の建物へ
消えて行きます。暫くして戻ってきたその手には、洗ったばかりのドリッパー。
ホンマに大丈夫??・・・やがてミルの音、その後には期待できる香りが漂ってき
ました。あぁ、よかった〜、200円で飲めるコーヒーだからって馬鹿にしちゃダメ
ですね。
コーヒーを待つ間、中庭にプリンス・スカイライン(ナンバーがナンと”奈”なのだ)
が止められているのを見せてもらいました。まだどうにか現役なんですって。
どうにか、ってのは”夜はダメ””高速道路はダメ”って条件付きなんだそうで。

今日は午前中に美味しいケーキをたべたから、午後のおやつは甘くないものを!
って気分。そこでいつもとは趣向の違ったお店へゴー!観光スポットからはどん
どん離れて、稲穂が垂れる田んぼと少しの住宅しか見えない場所にポツンとその
お店は有りました。

 天真爛漫 豚まん&ちまき 
涼しげなブルーの暖簾をくぐると、どうやらお母さんが一人だけで切り盛りしてい
る小さなお店のようです。豚まんセットとちまきセットをお願いして、熱い中国茶
を飲みながら出来上がりを待ちます。団扇に扇風機・・・そういえば今日はクーラー
の無い場所に何軒も立ち寄ったなぁ。でもちっとも不快じゃなかったの。風が通
るように設計されているからなんだよね。
具がたっぷりのちまきも、黒酢を付けて食べる豚まんもどっちも美味しい♪あぁ
遠回りしても寄ってよかったなぁ〜。


さてさて、ちゃんときこきこもしなくっちゃ。お隣の大和郡山市までひとっ走りです。
佐保川に沿って南下して行きますが、途中で川沿いの道は未舗装路になってしま
いました。西へ進路を変えると、県道に沿ってサイクリングロードが続いている
のを見つけました。どうやらこのまま進めば間違いないみたいです。よしよし。

しばらく走ると県道の反対車線にお洒落な一軒家が見えました。赤と白と緑の小
さな看板がチラリ。あ、イタリアンだぁ〜と思ったその瞬間・・・ガシャ〜ン!
自転車道の真ん中に設置されていた車止めに見事に激突、あっと言う間にベネ子
から放り出されてしまいました。うぐっ、痛い。幸い大事には至らず、そのまま
きこきこは続行です。やっぱりわき見運転はダメですね、反省。

そして大和郡山にやってきました。おぉ、老舗っぽい和菓子屋さんがあるぞ!でも
ちょっと我慢して、行きの電車から見掛けた景色を探しに出かけます。

 金魚養魚場 
なにココ?何だか汚い水みたいだけど・・・って思っちゃうよねぇ。辺りには昔ながら
の農家が何軒か残っています。この四角い水の中にいるのは何でしょうね?

 大和郡山は金魚の街 金魚屋さん3代目修行中? お仕事中だワン
ひらひらと、ゆらゆらと、涼しげに泳ぐ金魚たち。大和郡山は全国でも有名な金魚
の産地なのです。幾つかある養魚場のうちの1軒では”大和金魚資料館”として
無料で公開されています。テレビの中で見たことのある出荷風景(大きなビニール
袋に金魚と水とボンベの酸素を詰めてるの)また愛好家の方が品定めしていたり。
モップのようなわんこは、ちゃんと番犬の役割を果たしていたし、親子3代で賑やか
に掃除している後姿を夕陽がキラキラ彩って、それを微笑ましく眺めていました。


 本家菊屋 御城之口餅
再び街の中心部に戻ります、が来た道を引き返すのでは芸が無いので適当に走る
と、ドンピシャで先程見掛けた和菓子屋さんの前に戻ってきました。これは寄っ
て行きなさい、ってことだよね。
本家菊屋の店内には、棚にも天井にもびっしりとお菓子型が並んでいて壮観です。
豊臣秀吉も大好きだった(らしい)御城之口餅を縁側に腰掛けていただきま〜す!
柔らかいお餅に控えめな餡子、外にきな粉をまぶした一口サイズのカワイイお餅
です。う〜ん、良いわぁ。ポイポイポイと食べちゃいました。


 Kuruminoki
さて、もうそろそろ最後のお店に向かわなくっちゃ。再び奈良市内へと戻ります。
最後の目的地は国道24号線沿いにある”Kuruminoki”なのです。ココは
カフェなんだけれど、お洒落な雑貨店とアウトドアグッズのセレクトショップを
併設しています。ショップを覗くと、モンベルのサコッシュ(黒)がナンと半額で
SALEコーナーに出ているじゃあ〜りませんか!思わず手にとってしまいまし
たよ〜(爆)

あっと言う間に日が暮れてきました。お店の外はすっかりライトアップモードに
なっています。帰りの電車も決まっているので、軽く食事をして帰ろうという訳。
元来がカフェなのでメニューはさほど多くないのですが、1皿の量は多めで取り
分けていただきます。

 茄子のラビゴットソースのブルスケッタ 揚げ茄子&豚肉のサラダ 夏野菜のアーリオオーリオ
ブルスケッタは冷たい茄子のアンチョビ入りマリネにラビゴットソースの組み合わ
せ。揚げ茄子&豚肉のサラダは大きなお皿に山盛でビックリ。水菜がメインに彩
りよく野菜を盛り合わせて、てっぺんには白髪ネギをたっぷりと。柚子風味のド
レッシングでさっぱりぱくぱく。夏野菜のアーリオオーリオには、ズッキーニにパ
プリカ、それに枝豆に茗荷なんかも入っていて和伊折衷?な一皿。カッペリーニ
程ではない細めのパスタが使われていましたが、オイルソースの熱々パスタには
普通の太さ〜やや細めの方がコシが失われなくて良いのではないかなぁ、とダー
と意見の一致。和食の野菜もじゃんじゃん使うのは見習いたいところだね。


すっかり暗くなった道を再び大和西大寺に向かって走ります。そして最後にもう
一度、今度はライトアップされた朱雀門へ。

 夜の朱雀門
闇の中に浮かび上がる姿はコンクリート製と言えども迫力あります。さすがにも
う門は閉ざされて警備員のおじさんもいませんでした。虫の音だけが響きます。
暫しぼ〜っと佇んで、さてもう帰らなくては。細い道は本気で真っ暗なので、車
通りのある大通りを選びます。

大和西大寺に戻って、輪行の用意を。あ、でもその前に再びガトー・ド・ボアに
寄らなくっちゃ。午前10時にショーケースいっぱいに並んでいたケーキたちも
殆ど売り切れ。でも大丈夫、今朝お店を後にするときに取り置きをお願いしてお
いたのです。せっかく奈良まで来たんだから、二度食べたっていいじゃない!
但し帰りのケーキの選定基準は”持ち運び&食べ易さ”でね。

 シュークリームとキャラメルプティング
帰りの車中で食べようと思っていたけれど、電車の時間にまだ余裕があったので
駅のホームで食べちゃいました。シュー皮にはクッキー生地が乗っているんだけ
ど、これが独特の食感でフランス菓子!だねぇ〜、と嬉しくなります。プリンは
タマゴベースの上にキャラメル風味のプリン生地の2層構造。その上に可愛く生
クリームが絞ってあります。やっぱりタダのプリンは出てこないねぇ。
どちらもお馴染みのお菓子だけど、林シェフの手に掛かるとリッチな味わいにグ
レードアップしますね。またこの地を訪れた時には必ず寄らなくては。

行きと同じく大和八木での乗換えを経て名古屋に帰ってきました。が、近鉄窓口
の応対にガックリ。名古屋駅で帰りの特急切符も買い求めたのですが、車両の一
番後ろの席とリクエストしたのに、乗り込むと一番前だった(どうやら大阪方面行
きは1番が先頭ですが、名古屋方面行きは逆になる事に気付かずに発券したら
しい)のです。しかも大和八木からの2時間余りはドアの向こうは喫煙車、の席
だった(喫煙車両は2両しかないので、判っていれば隣り合う車両は敬遠したん
だけどね)ので気分が悪くなるし、転んだ体が痛み出して(これは自業自得だが)
ややブルーになりながらの帰路となりました。でも今回が近鉄特急初体験でした
から、何事も経験ということで次回に生かそう、今度は上本町に行こうかなぁ〜
タルト食べたいなぁ〜なんて(爆)


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