3月22日(土)
目覚めると幸運な事にまだ雨は降っていません。午後までは不安定な予報です。
今日は生憎の曇り空、どうにか雨を避けるようにきこきこしたいものです。
朝を迎えたのは丹後半島北にある伊根町の道の駅・舟屋の里公園。で、舟屋って
知ってますか?以前ここを訪れた時は、車で通り過ぎるだけだったのですが
独特な家並みが続く景色を、今回はぜひとも自転車で、そう決めていたのです。
高台の道の駅から見下ろすと、海の縁に沿って家がびっしり並んでいます。坂
を滑り降りればそこは静かな漁師町。湖かな?と思う程の波が殆んど無い海です。
細い道の両側に家並みが続きます。1階のガレージが開いているお家は有りま
せんか?覗き見の様で申し訳無い感じですが”これぞ舟屋”って感じの写真を
撮りたいのです。
海に面して建つ舟屋は、1階が船のガレージで2階が居宅という非常に珍しい
造りです。だから道路に面したガレージが開いていると、船の姿が見えて更に
その奥には海が見えるのです。これが晴れた日ならば、水面が青く光ってもっ
と美しかったはず。
ちょうど船の片付けをしていたおじさんにダーが話し掛けます。「この船は台風
の時はどうされるのですか?」「ん〜このままだねぇ。何年に1回かは被害の
出る場合も有るけど、いつもこの(家に入れた)ままだねぇ。」と事も無げに応
じてくれました。ちょっとビックリ。でもこの辺りは風が吹き込む事も滅多に
無いそうなので(だからこんなスタイルのお家になっているのでしょうけれど)
別段心配はしていないのだそうです。
更に進むと、箱眼鏡を使って漁をしている漁師さんに出会いました。海にカメ
ラを向けてみると(お天気の所為で写真写りはイマイチですが)美しい水中の
景色が見えました。おじさんはどうやら海藻を採っているようです。箱眼鏡を
口にくわえ、右手で長い柄の鎌を使い左手で櫓を漕いで船を操作するのです。
素人が挑戦したら、間違いなく海に落ちそうな姿勢です。すごいなぁ〜。
集落の端から端までゆっくりと1往復をして、帰りは上り坂にうんうんと唸りな
がらデリカ号に戻ります。この町は歩くには少し遠い、車では本当にあっと言う間
の上に余所者の車が入り込む雰囲気じゃない、だから自転車で探索すると丁度
良い感じの町なのです。
今度はデリカ号で宮津市内へ向かいます。昨日きこきこした天橋立を通り過ぎ、
国道沿いの大型スーパーの駐車場へ駐車します。隣には「パーキングはままち」
という立体駐車場が有るのですが、平面駐車場に停めたかったのでスーパーで
お買い物をして、数時間停めさせてもらう事にしたのです。駐車場の管理人の
おじさんに駐車券を貰いに行くと「無料だから好きに停めて。」との事。一応
外の表示には「お買い上げ額○○円で○時間無料」と書いては有りましたが・・・
では宮津市内をきこきこしましょ。まずは駐車場隣の島崎公園をグルリとして、
立派な御宿、清輝楼を眺めて南へ続く路地を進みます。歴史を感じさせる佇ま
いの個人病院、古い看板そのままの酒屋さん、何だか良い感じの街だわぁ〜。
そして商店が途切れたその先に「カトリック宮津教会・聖ヨハネ天主堂」が有り
ました。ガイドブックに必ず真っ先に登場するスポットです。教会の中からは
オルガンの音色が響きます。あれ、もしかしたら中には入れない・・・?
こちらの教会は一般に公開されているのですが、ミサやお祈り中には見学が出
来ないのです。入り口からそ〜っと覗くと、どうやらオルガンの練習中のよう
で、見学しても大丈夫のようです。
中に入ると、ステンドグラスの美しさに思わず言葉を失います。外観だけでも
十分雰囲気がありますが、中に入ると更に更に厳粛な空気に包まれる感じです。
しかもオルガンの演奏までも加わって、うっとり〜。志を入り口の箱に託して
外に出てみました。内部の撮影は出来ないから、その美しさを目に焼き付けて。
教会の正面入り口はベージュっぽいコンクリートの造りですが、側面と裏側は
(祭壇がある方だから、こっちが正面なのかな?)木製の壁に薄いピンク色と
違った雰囲気になっています。この向かいには大手川が流れていて、公園にな
っていました。清らかな水に鮮やかな鯉の姿が見えます。それを眺めていると、
外出中のシスターに出会いました。
「こんにちは。美しい教会ですね。見学させて頂きありがとうございました。」
「こちらの教会の床は畳み敷きなんですね。」「ミサは、みんな正座で行うの
です。脚の悪い方には椅子に座っていただくけれど、やはり日本人には正座の
方が落着くようですね。」との事。そうかもしれないね、と納得。
次は宮津駅に向かって、併設する観光案内所でイラストマップを貰います。駅
の目の前には、nassanからお薦めのお店と伺っていた「富田屋(とんだや)」
が有りました。今日のお昼はココで、ってもう決めているんです。もうチョッと
お腹を空かせなきゃね。さらに街中をきこきこします。
大手川の河口に掛るヨットを模した湊橋です。青空の下だったらきっと映えた
のでしょうけれど。ここから更に海の方に行ってみると、長い柄の鎌を持った
男性が何かを採っているようです。漁師さんには見えないけれど・・・
「スイマセ〜ン、何を採っていらっしゃるのですか?」
「あ、これ。ワカメですよ。」
「へぇ、コンブみたいに茶色なんですね。」
「これをね、お湯にさっと潜らせると、あっという間に緑になるんですよ。」
「そうなんですか。それをお刺身で・・・」
「そうそう、ぽん酢で食べるとムチャクチャ旨いんだ!」
「うわぁ〜美味しそう。」(コレが”ダーツの旅”だったらご相伴に与るとこだね)
「袋か何か持ってる?」(テレビみたいな展開だぁ。でも帰るの明日だもんね)
折角ですが、と答えつつも一寸残念だったなぁ。でもお昼ご飯に期待しましょ。
次に訪れたのは300年以上の歴史を持つ「袋屋醤油店」です。店構えにも堂々
とした雰囲気が漂います。中に入ると奥には蔵がドンと有って、入り口の帳場
には年季の入ったお醤油瓶が飾られています。事務所には立派な壁掛け時計と
(ご主人の話によると、駅よりも先に宮津で一番初めに時を刻んだ時計なんで
すって)何故か不思議な角材が窓際から部屋の中央に伸びて(額縁の左、壁の
白い部分の下の方)います。何かなぁ、と思っていると昔の電話線の名残なの
だそう。写真には入っていませんが、入口のカウンター部分には据付の火鉢も
有るんです。う〜ん、さすが創業300年だねぇ。もちろんお醤油も忘れずに
買っていきましょう。
それでは少し早いけれどお昼ご飯に向かいましょ。駅前の富田屋に再びやって
来ると、店内は既にほぼ満席です。どうにか大きなテーブルの隅っこに座って、
さてさて、何を食べましょうね〜。やっぱりお魚だよね〜、って事でお刺身定食
1000円、焼き魚定食600円、焼きあさり550円、あら煮250円、安い!
他にもカレー300円、なんて驚きのメニューが有ったりします。カレーは食べ
られなかったけれど、注文したものが出て来るとそのボリュームにビックリ。
そしてもちろん美味しい♪nassan、ありがとう〜って言いながらパクパク。
食事を済ませてデリカ号の待つ駐車場へ戻ります。折角なので”スーパーさとう”
に寄って、買い物も済ませました。知らない土地のスーパーを覗くのって結構
楽しいんだよね〜。北近畿では”スーパーさとう”ってメジャーみたいです。逆に
全国チェーンのスーパーやコンビニって見なかったなぁ・・・
次にデリカ号が向かったのは、栗田半島に有る関西電力宮津発電所内の水族館
「丹後魚っ知館」ってところ。京都府唯一の水族館なんだそうです。ちゃんと
大水槽も有ります。そして嬉しい事に入場無料なのです。ココも以前訪れたの
ですが、その時に外の水槽に独りぼっちで居たゴマフザラシ君がどうしている
のかず〜っと気になっていたのです。
トク君はすっかり大きくなって、弟分の2匹と仲良く暮らしているようでした。

クリックすると動画が見られます(aviフォーマット1.39MB)
愛嬌たっぷりに泳いだり、キョロキョロとこちらを見てくれたりと、どれだけ眺
めていても飽きる事がありません。水槽の前のベンチで、さっきスーパーで買
ったエクレアとシュークリームを食べたりして。殆んどずっとアザラシ君たち
を見て過ごしたのでした。
トク君たちとお別れして、デリカ号は舞鶴自動車道で福知山市へ向かいます。
特にアテはありません。もう雨の心配も無くなったみたいなので、夕方までの
時間をチョッとお散歩してみようと思ったりして。
福知山城の隣の駐車場(1時間100円、以降30分毎50円)に停めました。
あいにく天守閣は工事中で、足場が組まれてシートが被せられています。でも
このお城は昭和61年に再建されたものなんだそうです。写真はお城に隣接す
る美術館です。本当は天守閣が左側に見えるのです。
福知山の印象は、名古屋に似ているなぁって感じました。立派(過ぎる嘘っぽい)
なお城、寂しい商店街、不案内な観光案内(地図なんて全然見かけなかった)。
比較的大きな駅の町なはずのに、観光アピール度が感じられない気がします。
そんな所が、名古屋と重なるのです。ネガティブな部分で福知山の人には申し
訳ないけれど・・・。
「福知山鉄道館ポッポランド(入場無料)」にやってきました。何故か商店街の
片隅にありました。きっと空き店舗だったところに、地域の活性化も兼ねて開
館したのでしょうか。鉄度の高い人にとっては、お宝がゴロゴロしてるんだろ
うなぁ〜。一体どうやって貰ってきたの?って思うものが一杯です。
いくつかの商店街や駅の周りなど、ぽたぽたしたのですが興味アンテナが反応
する場所には巡り合えず終い。たまたまきさ家が見つけられなかっただけなの
かもしれませんが。
駅の近くの(唯一お洒落感が少し漂う)3階建てビルに、トリコロールが掲げられ
ているのが見えました。1階にメニューが出ています。「欧風料理ぱれしゃとう」
少し早いけど夜ご飯にしましょう。
お魚の食事が多かったから、お肉が食べたいね、って事でダーはヒレステーキ
きさはチキンのファルシ蜂蜜風味を選びました。スープ、サラダ、ご飯、ケーキ
コーヒーが付いて2000円と1500円でした。まぁ値段相応かな、パンより
ご飯向きのお料理でした。温野菜の大根が妙に美味しかったりして。
結局夕食を済ませて、日が沈む直前にデリカ号に戻りました。もう少し探せば
もっと面白い事に出会えたかもしれませんが・・・勿体無い事をしちゃったかな?
3連休もいよいよ明日で最後、明日も楽しい日なりますように。
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