8月14(水)

待ちに待った夏休み!この夏は涼しい信州で爽やかに”きこきこ”するのだ!
という訳で、いつもの如く前夜仕事から帰宅後、慌ただしく仕度をして出発。
でも今回は新しいデリカ号での初遠出、ガソリンになって静かになったドライブ
は余計に眠気を誘うのです。日付が変わった頃「道の駅・安曇野松川」に到着。

目覚ましがなる前に目が覚めました。外に出ると冷んやりとして気持ち良い!
コレコレ!この清清しい朝を求めて長野へ来たのだよ〜と嬉しくなります。
暫くするとダーも目を覚まし、外のベンチで昨晩コンビニで買っておいたパン
で朝ご飯。4個買ってしまったのだけれど、3つでお腹いっぱい。残った1つ
バッグに入れて、日焼け止めをしっかりと塗ってたらいざ!出発〜っ!

今日の予定で決めていることは4つ。
1.安曇野ちひろ美術館の公園での〜んびりした〜い!
2.お昼は名店(らしい)安曇野・翁でお蕎麦を食べるのだ!
3.安曇野の冷やっこ〜い湧き水でバシャバシャ顔を洗って涼しくなりたい!
4.道祖神(この地方で数多く見られる小さな石仏)を探して きこきこしたい!

まずは1つ目の目的地の”ちひろ美術館”へ。でもその前に道の駅のすぐ裏手
にあるホントの駅”JR大糸線・細野駅”へ。田んぼの中にホームと小さな待
ち合い室が有るだけの無人駅です。帰りは電車で戻ってこようか、そんなこと
も頭の中に有ったので、時刻表をチェック。どうやら夕方ならば、少し待てば
電車に乗れそうでホッとしました。

なだらかな丘の上に待つ美術館を目指し、少しずつ上っていきます。街道沿い
には可愛い花畑や、青い実を付けた林檎の木々が目を和ませてくれます。丘と
呼んで差し障りが有るかもしれないくらい(?)の緩やかな上りを上った先に
ステキな景色が広がります。



美術館は9時開館ですが、周囲の公園は終日開放されています。水辺に周りの
景色が映るのを眺めて、芝生の中の小径を辿ってお庭のような公園で静かな時
を過ごすには、美術館が開く前の方が好都合。中は以前見学した事があって、
勿論こちらも素晴らしいのですが、今日の目的はここで空を眺める事。背もた
れの部分が大きなカーブで作られたベンチに体を預けて、そのまま目を開けば
空だけが見えるのです。の〜んび〜り〜休日のスタートに相応しい場所でしょ。



お庭には、ちひろさんが黒姫高原に構えていたアトリエを復元した可愛いお家や
季節の花が溢れる花壇も有ります。背後には梓川のせせらぎの音、目の前には
富士尾山(どこ行ってもプチ富士山って有るのね・笑)を望む絶好の場所に有る
ので、館内に入らずとも楽しめちゃいます。

残念ながら近くにあった自動販売機が故障していたので、冷たい飲み物が欲し
くなって出発。すると見つけた販売機のすぐ先で”桃直売・かたい桃売ります”
の看板を発見。思わずそのまま桃畑の中に入っていくと、ふわ〜んと甘い香り
が漂います。収穫作業の最中のご主人と少しお話をして、でもとてもお忙しい
様子だったので1つだけ別けて欲しいとも言えずこの場を後にしました。残念。

そして2番目の目的地である蕎麦屋・翁を目指します。時間はまだ8時半、え?
って感じですが、一体どれ位の時間がかかるのか見当がつかない上に、非常に
有名なお店だそうで、何とか開店直後に入店したいと思ったのです。すぐ近く
には池田町立美術館もあるので早く着くのは構わないや、と思い緩やかな丘の
ちひろ美術館から、高瀬川を挟んで反対側の山々へと向かうことにしました。

途中ハーブ園で休憩を挟んで、県道沿いに立った”翁”の看板が見えたところで
左に折れ前方の景色を見た途端、ここに来ようと思った自分を責めました(爆)


うげっ!すごい坂じゃん、ここ上るの?後ろからの視線が、更にきさの背中を
刺します。いやぁ〜スイマセンねぇ・・・ここまでの坂とは思っていなかったのよ。
ホントだってば〜!
↑そんな声にならない(そんな余裕は無いのだ)会話?をしながらようやく丘
の上まで上ります。ふぅ〜汗だくだよ。

先ずは店の様子を伺いに行くことにしました。更にキツイ坂を上ります。でも
”←100メートル”の看板が出ていたので、メーターの数字を睨みながら必死
で耐えます。すると一軒のお家を発見。時刻はまだ10時前、開店は11時か
らです。待っている人はまだ誰もいないので、とりあえず引き返します。

木陰のベンチに座り、眼下のぶどう畑とその先にずっと広がる景色を眺めなが
ら一休み。この後美術館に向かう訳ですが、町立公園内に有る別の施設と建物
を勘違いしてしまい、余計な力を消耗し更に責め立てられてもうグッタリ。
でも折角一番見晴らしの良い所まで来たのだから、と間違いの1枚。



ヘロヘロになりながら涼しい美術館に入ると、有り難い事に冷水器とコップが
用意されていました。思わず立て続けに2杯飲み干せば、生き返ったよ〜って
気分。やっと落着いて館内を見学します。

企画展では「畦地梅太郎展」が催されていました。”山男”の版画で知られて
いて、その作品の中の山男たちは少し恐いようでもあり、またユーモラスでも
あり、雷鳥を抱く姿は優しそうでもあったりします。常設展示室ではこの地の
景色を描いた作品が展示されていて、これからこんな風景が待っているんだ、
と嬉しい気持ちになってきます。

気付くと時計の針はもう10時45分、もうお店へ向かわなくっちゃ!
再び激坂を上って木立の中に自転車達を止めようとすると、もう店内には先客
が沢山居るじゃないの!ちょっと〜まだ11時になってないじゃん!焦りなが
ら玄関への階段を駆け上がると、残っていたのはテーブル席が二つ。少し安心
するも、先客たちのテーブルにはもう薬味とツユが用意されています。出遅れ
た・・・窓から裏の駐車場に目を向けると、関東ナンバーの高級車が並んでいます。

すぐに後続のお客も入って、外に列が出来始めました。ギリギリセーフってと
ころです。おろしそば(薬味に辛み大根を使う)と鴨せいろ(だって好きなんだも
の)を注文。おやつの事も考えて各々1枚のみで、漬けツユを交換しながら頂
きます。お蕎麦はツルツルと滑らかな感じ。(蕎麦に疎くて的確な表現が出来ず
申し訳ありません)


蕎麦の味わいもさることながら、窓から見渡せる北アルプスの山々が素晴らし
くて(しかも自転車でココまで来たんだ!という達成感も相まって)美味しく
頂く事が出来ました。外では大勢待っている事を思い出し、食べ終わると急い
で席を立たなければならなかったのは仕方のないところでしょうか・・・

上った後は当然下りという訳で、ダーは物凄い勢いで下って行きます。きさは
というと、1.スピードが恐い、2.慣れない道は尚更、3.折角の高所を一気に
失うのが勿体無い、と言う理由でゆっくりと下ります。下りだけはダーが先行
するのが きさ家のペースです。

再び県道に出て、高瀬川とほぼ平行するように南へ下ります。すると蔵の有る
由緒有りげな御宅の脇で、初めて間近に出会えました。

探さなきゃ見つけられないかなぁ、と思っていたのですが、意外にすんなりと
最初の一つを見つけることが出来ました。皇子と妃?が仲睦まじく手を取り合
って微笑む石仏は、旅人の安全を祈って創られたものだと聞いた事があります。
こんなに安らかな仏様が見守ってくれているならば、道中は安全って気分です。



穂高町に入って、まずは彫刻家・荻原碌山美術館前までやって来ました。煉瓦
造りのチャペルのような建物に蔦が絡まってよい雰囲気です。中は見学せず終
いでしたが。(笑)穂高神社、そして大きな朱色の下駄が祀られた東光寺を回って
大王わさび農場へと向かいました。

この辺りではレンタサイクルの利用者が多くて、たくさんの自転車とすれ違い
ました。こんなに沢山見たのは、軽井沢に行ったとき以来かも。安曇野界隈は
平坦な場所が多くて、観光スポット間に少し距離が有るので自転車にはもって
こい。でもレンタサイクルばっかりで、自前の自転車は見かけなかったな・・・

大王わさび農園は、いかにも観光地ってカンジで観光バスやら自家用車、オート
バイが次から次へとやってきます。入園料は無料ですが、わさびソフトを始め
とする各種メニューがお出迎え。わさびコロッケにわさびマヨネーズを塗った
ものを歩きながら頬張る姿を良く見かけました。どうやら美味しいみたいです。

わさびは常に清流が流れている場所でなくては栽培する事は出来ません。しか
も葉は陽射しに弱いようで、黒いネットが日除けとして わさび田一面に張り巡
らされていました。緑の葉が見られず、一面黒い状態では余り涼しそうとは言
い難い・・・でも木陰で切り株に座ってみると、涼しい風が吹き抜けて行きます。


そしてすぐ側では、冷たそうな湧き水でラムネなんかを冷やしています。観光
客が自由に使える水場(但し飲料不可だそうです)も有って、そっと手を入れて
みると、1分もジッとできないくらいの冷たさ!思わずもう我慢できなくなって、
バシャバシャと顔を洗ってしまいました。ふぅ〜爽快!目的その3も達成!
ちなみに彼女とは何の縁も無いのですが、余りにもこの冷水を満喫している姿
が可愛らしかったので、美人のママに了解を得て撮らせて頂きました。

売店の有る所に戻り、冷たい天然水(お水に150円出すなんて普通の名古屋
人には信じ難い)とチョッとお高い飲むヨーグルト(このちっちゃいボトルで250
円もした!でも濃厚で元気が出る気がしたけど)で喉を潤して、午後の陽射しが
眩しい田んぼの中を再び走り出します。


車が多い道を離れ昔の家並みが残っていそうな道に入って行けば、やはりまた
道祖神が迎えてくれました。細く曲がった道を走って行くと、清流を利用した
岩魚(先ほど売店で焼いたのが沢山売られていた)の養魚場が有ったり、観光用
ではない わさび田が有ったりして生活感漂う景色が見られました。

すると前方に緑色の壁の可愛らしいお店が見えました。雑貨屋さん?そう思いな
がら近づくと、きゃ〜!ケーキ屋さんじゃあ〜りませんか!しかも美味しそう!
外には1組分だけですがテーブルも有ります。そりゃ〜もうこれを黙って見過ご
す事など出来よう筈もないでしょう(^^)

ドアを開けて中に入ると、まだお若そうなパティシェが登場。残念な事にカフェ
は無いそうで、でも自転車でやって来ていて持ち帰る事も出来ない きさ家の為に
外のテーブルを使わせていただける事になりました。


こんな事ならペットボトルのアイスティーでも装備しておけば良かったなぁ・・・
シャンパンムースは香りが良くって、爽やかな口どけです。ショコラフレーズ
は きさ家の大好きな組合せ。イチゴとチョコって美味しいのよね〜
ケーキをお水で食べたのは初めての体験でした。次回は火器用意して行こうかな。

穂高川に出てからは、川縁を沿って走って行ったつもりだったのですが、道が
川から離れていって一体ココは何処なんだ?と疑問が湧いてきた所で「安曇野
やまびこサイクリングロード」と称した自転車道に出くわしました。一体何処
まで続いているのかも判らぬまま、まぁチョッと走ってみましょう、って事に
なりました。


しかし又もや走り出してすぐに後悔・・・暑い。(泣)
農業用水の脇を整備して出来たこのサイクリングロードには、お約束の様に日陰
が無い。時間はもうすぐ2時半という一番暑い頃。それでも名古屋の事を思えば
この暑さはまだ耐えられそう。でもコンビニの一つもありゃしない!(当然か!)

”日陰で休めそうな所が見つかる度に休憩”という超軟弱ぶりを発揮しつつ、ひ
たすらサイクリングロードに従って走っていると、旧道らしき道と交差する場所
には、やはり道祖神が見守ってくれています。彩色されたもの(いつ頃施され
たのかは不明)や、どんな姿だったのか原型が判らないほど風雨にさらされた
ものも有りました。

途中ようやく一般道に合流した所で「道の駅・アルプス安曇野」が見えたので
大休憩。しかも隣には大きなお花畑!マリーゴールドと向日葵が揺れています。
一緒に写真撮らなきゃ!って思うものの、まずは先に一休み。

ストロベリーミックスソフトを外でお花を見ながら食べようとしたら、どんどん
猛スピードで溶けていきます。あ〜もっと味わいながら食べたいのに〜!そんな
ささやかな願いを打ち消すかの如く、あっと言う間にタラ〜リ。落っことすまい
と必死になって食べたのでした。


そしてお花畑での記念写真。この日は雲が多いものの、良いお天気でした。

道の駅の裏手から再びサイクリングロードに戻ります。どうやら水路は南向き
から東向きに進路を変えたようです。このまま進んで国道147号に合流した
ら、北に進路を変えて豊科から電車で戻ろう、と一応の目処をつける事が出来
ました。時間にもまだ余裕があるのでノンビリ行こう(いやいや、いつもノンビリ
なんですけど・笑)って気分できこきこと進みます。


暫くすると、前方に見えた御宅の庭先で「馬!?」思わず自転車を止めて近づき
ます。イナバ物置みたいなのが、ポニーの さつきちゃんのお家でした。小さい
ながらも馬場があります。”いつもお腹を空かせています”って張り紙がしてあ
ったので、そこら辺の色々な草を摘んで差し出すと喜んでぱくぱく。

一頻り遊んでもらって、バイバイと手を振って先へ進みます。走りながらダー
が「このサイクリングロード誰も走ってないなぁ」と。そう言えば確かに誰と
もすれ違わなかったし、誰にも追い越されも追い越しもしなかったっけ。する
と今度はサイクリングロード利用者の為の休憩所が有ったので近づいてみると、
おばあちゃんとシーズー犬が一休み中。ようやくこの道を利用している人を見
つけたよ。所々工事中だけど、結構楽しいサイクリングロードなのにねぇ・・・

影が長くなるに連れ、だんだんと風が涼しくなってきました。再び走り出すと
今度はJR大糸線の下を潜ります。するとその先には、国道147号が見えて
きました。まだこのサイクリングロードは中央道・梓川SAの近くまで続く様
ですが、今日のところは此処まで。偶然見つけた楽しいコースでした。


サイクリングロードを離れる手前の橋でパチリとしたら、左に曲がって豊科の
町へ向かいます。まだ5時前なんだけど、なんだかお腹がすいてきました。
「ガイドのとら」を頼りに、昼休憩無しで営業しているカレー屋さんを探して
向かうも、何故か休憩中。他を探すも、さすがに4時台に営業しているのはラ
ーメン屋さん位なので(きさ家では”二食続けて麺類”は禁止されているらしい)
仕方なく明日の朝食用のパン屋さんを先に探す事にしました。

「ティンカーベル」は近くにお店を幾つか構えているらしく、このお店は工房
と一体になったお店でした。種類が多くて、どれも美味しそうです。迷った末
3つを選んで(ダーが焼カレーパンだと思って取ったパンは、何故か野沢菜パン
だった・笑)店の外に出た所で”お腹空いた!”の限界に襲われてしまい、駐車
場で今朝の残りのコンビニのパンを取り出したのでした。

そうこうする内に、5時になろうとしていたので先程のカレー屋さんに行って
見ることにしました。勿論きさ家が一番乗りです。「カレー&コーヒーあるむ」
はビーフカレーが500円、というコストパフォーマンスにも惹かれてやって
来たのですが、いざメニューを開いたらダーは「カツカレーにする」と言う。
それでも850円だから安いほうかな。で、きさは何故か無性に茄子が食べた
くなって、ナスカレー650円+大盛りサラダ700円、全部で2200円。

何だ、結局お昼のお蕎麦と同じ金額じゃん。でも不満。もちろんカレー屋さん
の方にね。今回のゴハンの中で一番美味しくなかったんだもの。この日記には
美味しかった!のお店ばかりを書きたかったんだけど・・・残念の一言。
敢えて言うなら、500円のビーフカレーにしておけば良かったかな。

5時45分発の電車に乗るべく豊科駅に向かいます。5駅先まで、距離にして
10キロ位かな。まだ明るいので走れない距離ではないけれど、折角知らない
土地なんだから輪行した方が楽しいかな〜って。


電車に乗り込むと、程ほどにお客さんがいます。もっとガラガラなのを期待し
ていたんだけどな・・・すると穂高駅で殆んどのお客さんは降りてしまい、車内は
ガラガラになりました。するとショックな車内放送が「次は終点・ありあけ〜」
エッ!何?次で終点?そんなぁ〜そりゃ行き先をちゃんと確認しない私が悪う
ございましたっ!

そんな訳で、途中の有明駅のホームに投げ出されたきさ家なのでした。幸いな
事に15分後に次の列車の乗れる(もし走ったとしても、あと5キロも無いんだ
けどね)事も判ったので、ベンチに腰掛けて夕暮れの山並みを眺めて待ちます。

次の列車の乗り込み暫くすると、右手の丘の上に池田町立美術館が山裾に張り
付く様に建っているのが見えました。嗚呼、あそこまで今日は上ったんだなぁ
としみじみ。2つ先の駅がもう細野駅です。

無人駅なのでホームから続く小さな階段を降りて、自転車を用意していた所で
ダーがどうやら何方かから声を掛けられているようです。反対方向の列車を待
っていたそのご夫婦は、折畳み自転車が欲しいなぁと思っていらっしゃるそう
で、奥様が熱心に尋ねておいででした。「軽そうに見えるけど重さはどれ程?」
「10キロちょっと有ります」「お米と同じ!そんなの持てないわ〜」「もっと
軽いのも有りますよ。でも高いです。」「そうよね〜高いわよね〜(^^;」

「自転車であちこち行けると楽しいですよ」そうお伝えしてお別れしました。
踏切を越えてホームの方を振り返ると、手を振るお二人が見えました。旦那様
のパソコン購入資金が、もしかしたら折畳み自転車に変身するかもしれません。

あっと言う間にデリカ号の待つ「道の駅・安曇野松川」に帰還。まだ明るいうち
に戻ってこられて良かったです。最初から無理をしては、折角の連休を楽しめ
ないものね。今日の走行距離は55キロでした。

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