5月26日(日)
今日は愛知県知多半島の半田市と、海を隔てた西三河地方を巡ろうという計画。
なぜこうなったのかと言えば・・・
1.この週にテレビで見た、幡豆郡一色町のえびせんべい、美味しそうだったな
2.今年は花暦が2週間ほど早いから、油ヶ淵の花菖蒲も見頃かも
3.一色町と言えば、お昼は鰻でしょう!
4.一色まで行くなら”お魚ひろば”も見てみたい
でも、西三河までのアクセスが悪いなぁ・・・そこで、
5.半田まで車で行けばいいじゃん!海底トンネル使えるし
6.半田って事は、ミツカンも行くべきだよねぇ
ええぃ!こうなったら全部廻ってしまおう!と、欲張りな1日になりました。
デリカ号にて先ずは半田市へ向かいます。海に程近い「みなと公園」にデポして、
朝8時を過ぎた街中へ。ここは先週おだあさんが訪れた場所。お酢でおなじみの
ミツカンのお膝元の街は、とってもいい雰囲気に街並が整備されているのです。
9時からミツカンの博物館が見学できるので、それまでぽたぽたと散策です。
電柱や電線など景観を損ねる物が無く、写真を撮るには最適です。

黒壁の続く路地で先ずは一枚、と思ったら今しがた追い越した初老の男性が、
カメラを構えています。慌ててBDを端へ寄せようとしたところ「いや、もし良
ければそのままで(自転車が写真に)入ってくれた方が良いのだけど。」と仰る。
見ず知らずの方に写真を撮っていただけるなんて、幸せ者かも。聞けばこの方も
9時の開館前に静かな街並をカメラに収めようと、早起きをしていらした様。
「では、また後ほど」と声を掛けて追い越すきさ家。この近くはミツカンだけじゃ
なく醸造業が盛んな土地柄で、隣には醤油屋さんが有りました。グルリと廻って
みましたが直売はしていないみたい、残念。それでも別の醤油屋さんを見つけて
看板に従って直売事務所へ向かってみましたが、シャッターは閉まっています。
後で又来てみましょ、とミツカン博物館へ戻ります。

各種案内には”要予約”となっていますが、少人数ならば飛び込みでも大丈夫と
聞いていたので何も予約をせずに来てしまいました。朝一番ならお客さんもガラ
ガラかな?と思っていたのですが、団体様がバスで乗りつけ一気に賑やかに。
館内の職員の方はさすがに皆さん感じの良い方ばかりで、入場無料では申し訳
無いほど。もちろん、各種自社製品のアピールタイムは有りましたが。
館内では、昔ながらのお酢の製造工程をわかり易く解説されているコーナー、
現在実際にお酢の発酵が行なわれている工房(ここは堪らなく酸っぱい空気感)
も見ることが出来ます。最後にはレシピカードも用意されて至れり尽せり。
お酢には食欲増進の効果があるそうで、これ以上きさ家に食欲増進させてどう
しようと言うのでしょう(苦笑)試飲させて頂いた”リンゴ酢ドリンク”はたまた
先程の醗酵室の強烈な香りが効いたのか・・・行き着く先は。

やっぱり朝からケーキ屋さんに来ちゃいました。半田と言えば”マリーシャンテ”
車では何度も来ているのですが、自転車では初めて。まだ午前中ということで
種類が少ないものの、エーデルワイス(ホワイトチョコレートの風味がとっても
ほんわかした気分にさせてくれます)かぼちゃのプリン(なめらかで軽い仕上がり
です)アイスティーを注文した後ふとショーケースの上に目をやると、めちゃ
くちゃ美味しそうなクロワッサンダマンド(クロワッサンの生地の中にアーモンド
味のクリームを入れ、表面にはクッキー生地とスライスアーモンドをのせて焼いた
お菓子パン)に目が釘付け。どうしようか、1個だけ追加注文しようか、と迷っ
ているとやがて席にケーキが運ばれてきました。
するとケーキの脇にミニサイズのクロワッサンダマンドが添えられているじゃ
あ〜りませんか!(古っ)もう大感激です。なんと午前中のカフェではモーニング
として、いつもサービスで付いてくるんですって。ほんわかと温かくて、想像
通りの絶妙な美味しさ(しかし超高カロリー間違いなし)で大満足。(^^)
その後先ほどの醤油屋さんに再び廻ってみたけれど、残念ながら開いていませ
んでした。あ、ここで言う”醤油”はいわゆる”たまり”の事。一般的なお醤油
は豆・麦・塩を原料にしていますが、東海地方独特の”たまり”は豆・塩だけ。
とても旨味成分が多く、濃い色、深い香りの調味料なのです。
それではカロリー消費の為にも走らなくちゃね。国道247号に沿って衣浦大橋
へ向かいます。陽射しはだんだんと強くなり、今日は暑くなりそうな気配。やが
て海の香りが風に混じるようになった時、ふと目に飛び込んできたお屋敷。

亀崎町で見つけたこの蔵のお屋敷は、造り酒屋さんでした。本当に知多半島界隈
は醸造業が盛んです。身近な土地のはずなのに、意外と知られていないのです。
きっと海の交通の便が良いことが幸いしたのでしょうね。こうして写真を見て
いると、やはり電線が写ってしまいますね。なかなか昔と同じ景色を残すとい
う事は容易ではないようです。
知多半島・半田市から西三河に渡るには方法は2つ。今日は行きと帰りで使い
分けをしよう、ということでまずは半田市北部にある衣浦大橋から対岸の高浜市
へ。もう海なんだか川なんだか解んないくらいの(地図で見直すとどうやら逢妻川
の河口付近という事の様)広い水面はキラキラと光って夏を思わせます。
橋を渡りきって地下歩道に沿って国道419号の下を潜り抜けると、そこには・・・
この大きなシャチホコ、瓦で出来ているんです。ここ高浜市は瓦の産地として
知られています。後ろの建物は「かわらの美術館」入館料600円、時間が有れば
見てみたい所ですが、今日は先を急ぐので玄関先だけで失礼。市内には散歩道
も整備されているようなので、また別の機会に訪れたい所です。
高浜市から西へ向かって走ると、花菖蒲の県内きっての名所”油ヶ淵”が見えて
きました。実はやって来たのは今日が初めて、さぁお花は何処かしら?と湖周
の道を(ダートにも関わらず)走ってきたのですが、なんだ〜花しょうぶ園は舗装
路の方からも簡単に入ってこれるんじゃん。でも一段高い場所から眺める景色
もナカナカでしょ。

例年ならば6月に入ってからが見頃なのですが、今年は全てのお花の季節が早
いですね〜。満開には少し早いものの、十分すぎる花景色。ほどほどの賑わい
なので、園内に自転車達を連れて歩いても大丈夫。写真ものんびり撮れます(^^)
花菖蒲を眺めながら、少し休憩。もう日陰じゃないと辛いです。公園を訪れる
人々も屋台のカキ氷を美味しそうに食べています。きさ家は小さなジュースだけ
で我慢。美味しくお昼を頂くためなのだ。
油ヶ淵から南に下って、碧南市中心部に程近い日本料理店「小伴天」にてランチ
です。午後から向かう一色町は”日本で一番”の養殖鰻の産地(浜名湖じゃないの!)
ということで、一色産の鰻が食べられるお店を調べたところ見つけたお店。
ダーは鰻定食・1400円、きさは季節の花弁当つつじ・1700円

鰻は身が厚くて、ふんわりと焼かれています。鰻ってなんだか元気が出てくる
気がします。月替りのお弁当は、お弁当という枠に括るには勿体無い(まぁ値段
だけのことは在るか、ということかも)豪華版。全部は覚えきれないお品書き
(順メチャクチャ)黒鯛のカルパッチョ風、真鯛笹寿司、浅蜊時雨、青海苔風味の
胡麻豆腐、卵焼き、柚子風味の鶏松風焼き、鶏もものロースト、生麩柚子味噌餡、
穴子と豆腐の蒸し物、蜆赤出汁。う〜ん堪能しましたワン。
お腹も一杯になって一色町まで直走り、の筈が妙に自信を持って走って来た道
がどうやら方向違いだった事に、かなり走ってから気付くのでした。今日はど
ういう訳か、この間違いが多くてやたら大回りの一日なのです。
それでも何とか三河湾に面した「一色さかな広場」に到着。ここに着くまでの長い
道程、頭の中で流れる曲はと〜ぜん「おさかな天国」きっと中でも流れているに
違いないと思いきや、残念ながら聞けなかった。ちょっとガックリ。でも中のお魚
市場は知多半島の豊浜よりも賑やかで市場らしい雰囲気。中の食堂もなかなか。
一色漁協直営の鰻丼・900円、これは次回のお楽しみ。
さかな広場を後にして、一色町の中心部へ向かいます。至るところに養鰻場の
ビニールハウスが点在しています。天井には黒いマットが掛けられ、少し開い
た窓から中を覗くと、物凄い熱気。温度はもちろん、湿度が尋常じゃない。
植物園の熱帯雨林コーナーみたい。鰻ってこんな過酷な環境が好きなんだ〜
残念ながら自転車ではお魚を買って帰ることは出来ませぬ。そういう訳で、今日
のお土産はお魚ではなく”えびせんべい”つい先日、NHKで紹介されていた
青山さんの”えびせんべい”が非常に美味しそうだったので、どうしても食べて
みたくなったのです。
店内で幾つか試食させて頂いて、小さな袋を2つ購入。これは来月の東京ぽた
に持って行くんだもんね。赤車海老の風味がたっぷりの、美味しいプチサイズの
おせんべいです。
それではデリカ号が待つ半田に戻らなくては・・・今度は衣浦トンネルを通って
知多半島に戻るのです。麦の穂、まだ小さな田んぼの稲、黒いシートを掛けられた
お茶畑(これは抹茶用のお茶)のどかな西尾市を抜けて、国道247号に入った
ところで反対車線沿いにケーキ屋さんを発見。吸い寄せられるように店の前に
行っては見たものの、残念ながらティールームは無し。ガックリ。
しかしその直後「ジェラートのお店←300メートル」の看板が目に入りました。
そりゃ〜行くに決まってるでしょ。

食べかけで失礼します。迷いに迷って日本一の産地って事に敬意をはらって抹茶
(西尾市は抹茶生産地)にしました。う〜んおいひい〜(^^)ダブルでも良かっ
たかも。
糖分補給も終ったので、あとは247号を真っ直ぐ行くのみ。もう対岸は半田市
というところで、自動車達は地下トンネルへと吸い込まれて行きます。自転車は
というと・・・

海底トンネルへは階段をひたすら下るのでしたぁ〜地下11階まで。おだあさん
のレポで読んでいたとおり、不気味に響く音楽。まったく誰ともすれ違う事も無く
ヒンヤリとした地下トンネルを走ります。ココは涼しいんだけどねぇ〜地上に
上がる11階はかなりキツイものが有りました。
地上に戻ればデリカ号の待つ公園はすぐそこ。すっかり影の長くなり、日も長く
なりました。ちょっとぽたぽた、のつもりが走行距離72キロの大誤算。でも
とっても満足な一日でした。