3月10日(日)
すっかり風も春の暖かさ、自転車に乗って出掛けるには”花粉症さえ無ければ”
気持ちの良い季節になりました。今日は愛知県・岡崎市まで輪行〜国道1号線で
名古屋まで自走の計画です。岡崎は、BDがきさ家にやって来た時からずっと
もう一度行ってみたい場所の一つだった事、2週間後に(本部無き)神奈川支部
のみなさんがこちらにいらっしゃるので下見を兼ねて、という訳で、いざ出発!
7時半過ぎに自宅を出ると、思った以上に春はすぐそこまで来ている様です。
ゆっくりと隣の尾張旭市を抜け、瀬戸市へと進みます。アレ?今日の目的地は
三河だったはずでは・・・まぁまぁ、行けば解りますって。
瀬港線で矢田川を越えて、右に折れて菱野方面へ。住宅地の中の坂を少し上が
っていくと、今日最初の目的地「アダージョ」に到着です。

いつもは紅茶派なのですが、今朝は美味しい珈琲と黒パンのシナモントースト&
ハム入りフレンチトーストを頬張ります。珈琲400円に+100円で付けられ
るのです。この界隈でこの価格というは非常に高いお店なのですが、前に一度
寄った時から、是非又来たいと思っていたのです。珈琲の美味しさと雰囲気の
良さもさることながら、このお店の特筆すべき店は”禁煙室”がある事。
入り口を入って左側のスペースがガラスで仕切られていて、トアにトールペイン
トのプレートが掛けられています。4人掛けのテーブルが3組だけのスペース
ですが、とても快適。(^^)珈琲のお店には煙草が付き物ですが、見事に分煙
がなされていて嬉しい限りです。次回はおやつに寄せてもらおう〜っと。
お店を出て南側の坂を下って左に曲がると、駅舎が見えました。そう、ここか
ら第三セクターの”愛知環状鉄道”に乗って岡崎まで向かうのです。
久しぶりの”ちび輪バッグ”に苦戦していると、視線を感じたような・・・見上げる
と目の前におじいさんが。「コレ、軽いのかね?」と言うや否やBDを持ち上げ
る。「おお〜軽いもんだねぇ」「まぁ普通のよりは・・・」とワタシ。
何とか準備完了、券売機で終点・岡崎駅まで700円の切符を券売機で買った
ところで改札口の駅員さんに「自転車はね、260円」「え?!」ダーと思わず
顔を見合す。どうやら有料手荷物扱いであるらしい。でも券売機にはボタンが
無いのでどこで買えばよいのか尋ねると「改札口に直接払ってください」
2台分なので540円を追加で支払い、ホームへ上がります。当然エスカレーター
なんて便利なものは無く、久々にウンウン唸りながら階段を上る。前々日に怪我
をした右手の人差し指の傷口が開いてしまって痛くてたまらない。
まだ少し時間が有ったので、ホーム上での1枚。この荷札?を荷物に付けてお
くのです。自転車は”わんこ”と同じ扱いなのか!輪行で別料金を支払う羽目
になったのは初めての事だけど、この荷札には笑っちゃいました。”降車駅で
回収します”と記載されていたので、記念に撮っておく事にしたのでした。
そこへ、先程のおじいさん登場。なんと御年80歳!とてもそうは見えない位
しゃっきりお元気。あれこれお話しているうちに電車がやってきました。
2両編成の列車には(絶対ガラガラだと思っていたのに)まぁまぁお客さんが
乗っている。先頭の運転席すぐ後ろのスペースにBD達を並べて、さて、きさ家
は何所に座ろうかしらん。4人掛けのボックス席が並ぶ車内、あのおじいさんの
座わっている席だけが空いています。どうやら道連れの運命らしい。
終点までの1時間、実は寝ちゃおうかと出発前は思っていたのに、おじいさんと
の話は続く。これから蒲郡(がまごおり・終点の岡崎からはJRに乗り継げる)へ
へ行って1日遊んで来るのだそう。そういえば車内には新聞片手のおじさんが
駅を過ぎるたびに増えていく。そう、競艇場があるのです。
途中の駅は無人駅のところが多くて、車掌さんが切符を売って何度も車内を往
複しています。もし無人駅から乗って、車内で「260円」と言われたらもっと
びっくりしただろうなぁ。
電車は愛知環状鉄道の名前の通り、名古屋市の周辺市を時計の1時から5時(から
文字盤を飛び出した)位置をぐるりと走ります。山の中も多くて、日当たりの
良さそうな所では、梅も散り初めています。
終点の岡崎に到着。おじいさんと別れ、一斉にJRの乗り継ぎへ急ぐ人並みを
避けるようにホームの片隅で立ち尽くす。暫く待って、静かになった階段を上
がって行く。この駅は改札がJRの中に間借りされていました。
それでは、いざ岡崎の街へ!まずは国道248号に入って八帖(はっちょう)へ。
名前の通り”八丁味噌”の街なのです。国道1号と交差点からすぐ西の矢作川
のそばに今でも味噌を作り続けている醸造元が2軒だけあるのです。

なんともレトロな本社の建物は”カクキュー”のブランドでこちらでは良く知られ
ています。右側の看板(国鉄時代に駅で実際に使われていた物)の左上に書かれた
”升”の中に”久”で”カクキュー”ここは資料館として無料で一般公開されて
いるのです。今日は実は2回目、面白いところだったので又来ちゃいました。
案内の可愛いお姉さん、きさ家専属となって下さり(注1・案内の方はもっと年季
の入った御姉様もいらっしゃいます。注2・毎時00,30分から案内が始るので
団体様と一緒になると後ろから説明に耳を傾けなくてはいけません)丁寧に解説
が行われます。写真は現役を退いた”仕込み用の樽”この中に毎日1杯のお味噌
汁を食べるとすると、800年分の量が入るのだとか。
18代続く老舗の貴重な資料も数多く展示され、また実際の仕込み蔵の中にも
入ることが出来ます。蔵の中に入ると、香りだけで御飯が欲しくなってしまい
ます。大きな樽がズラリと並ぶ様は圧巻でです、一見の価値あり。
見学が終わると、休憩室で”焼き味噌&蒟蒻の田楽味噌かけ”がサービスされます。
コレも勿論無料!ところで”八丁味噌”は豆・塩のみで作られているのです。塩分は
他の味噌に比べて少ない方ですが甘味が少ないこと(しかし旨味成分は高い)水分
が少ないこと(醸造に時間がかかるため)から甘口の白味噌などをブレンドして
使い易くした物が”赤出し味噌”なのです。
最後は直売店にてお買い物。但しお味噌は、お土産用の化粧箱に入ったものが
売られていたので近所のスーパーの方が安かったりしました。でもここだけで
”北海道産大豆使用”の物が手に入ります。尤も高くて買えませんでしたが。
時計はお昼になるところです。今日のお昼御飯は・・・
岡崎公園の近くにある「バイシャンタン」に行ってみました。ラーメンを食べる
のは久しぶりかも。お昼だというのに、席は半分ほど埋まっている状態。大丈夫
かなぁ、と思っていたら後からどんどんお客さんが入ってきて、食べ始めた頃
には待つ人が出始めました。
手前から”元味(豚骨)角煮””からから揚げ””ごまチャーシュー”
さぁ!これから自転車きこきこじゃ!って気分の今日は美味しく食べられたけど
歳の所為か、だんだんコッテリしたラーメンに体がついて行かなくなっている。
普段あまりラーメン自体を食べていないからかなぁ・・・
それでも食べ切って、12時半にいよいよ岡崎城前を出発。さてさて、名古屋
までどれ位かかるのだろう?ひたすら1号線を突き進みます。日曜日の昼とい
う事で、通行量も然程ではないようです。
歩道を歩く人もいないので、歩道を中心に走ります。時々車道に出ると、同じ
様に舗装されているようでも、全然路面に凹凸が無くてずっと快適、ただしこ
れは車が居なければのお話。やはり後ろから迫り来る大型車が恐くて車道・歩道
半々位の割合での走行。
新安城で2度目のストップ(実は岡崎を出て最初のコンビニで最初の小休止を
しているのです・原因はラーメン、無性に喉が渇きますね)ペットボトル残りの
お茶を飲みます。ふと見上げると、木蓮の花。春ですねぇ〜
知立(ちりゅう)市に入り、御林の交差点の脇にひっそりと”東海道・池鯉鮒宿”
の石碑。昔は知立をこう書いていたんだ。次の宿は”鳴海”となっています。
名古屋市緑区鳴海(なるみ)そう、次はもう名古屋に入るのです。
ここでちょっと1号線を外れて寄り道。で、少々迷いながら辿り着いた先は・・・
三河地区に2店舗(一つは岡崎市に・こちらは車で制覇済み)あるスタバへ。
アピタ知立店内のショップです。名古屋市中心部以外はショッピングセンター内
の店舗が多い愛知県です。窓に面した席が多くてよい感じ。鍵をかけなくても
良いテラス席で、今年初のフラペチーノ(コーヒー)とアイスカフェモカで一息。
しかし日陰の所為か、飲み終わる頃には少し肌寒かったりして(^^;
燃料補給?も終えて、名鉄知立駅に下見に立ち寄り国道1号へ戻ります。
逢妻川を越えると刈谷市に入ります。今川町でローソン発見。そういえば最初
に岡崎で寄ったサークルK以来、国道沿いのコンビニって全然無かったなぁ。
(反対車線も1・2軒だったような)
この先の境川(その名の通り、ここが三河と尾張の境)を越えると豊明市です。
少しだけ丘を登って、少し下って、織田信長で有名な”桶狭間”までやって来ると
いよいよ名古屋に突入です。
この辺りは国道1号線だというにも関わらず、片側1車線で朝・夕は絶えず渋滞
しているみたいです。まだ今は午後3時台、順調に車も流れています。ただし道
幅も狭く、さらに狭い歩道を何とか走ります。
左京山を過ぎると、名古屋市営バスの往来が多くなります。天白川を越え、名
古屋高速が上を走る星崎以北は車線もぐっと広くなって、きさ家でも左端車線
を割合スムーズに走る事が出来ます。
3キロほど進むと、ここで1号線は左に曲がります。前方には高架道路が待ち
構えています。ここは自転車では入れません。左側の道を進み、踏切りを超える
と道が二手に分かれます。左側を選ぶとそこが旧東海道、ゴールは目の前です。
小さな橋を超え、右に曲がれば現在の1号線に戻れます。旧道は遮られる箇所
が多いので残念。地下鉄伝馬町の交差点を過ぎた辺りから、お腹が空いている
と堪らない匂いが年中漂っています。その元は”ひつまぶし”の”蓬莱軒”R1号
線沿いの新店と旧東海道沿いの本店、ダブルの鰻の焼けるいい匂い。
うなぎを横目に、日が少し傾きかけた”宮の渡し公園”に16時10分到着。
ここが東海道・宮宿(みやのしゅく)です。ここから三重県・桑名までの七里
は海路であったそうで、昔の旅人達は、伊勢と並ぶ程の歴史のある”熱田神宮”
に詣で、風待ちの為に足止めをくう事もあったので、かなり栄えた宿場町であ
ったのだとか。今では人々に時刻を知らせたこの鐘と、奥に復元された常夜灯
がその名残を残しています。
これで無事名古屋まで帰還と相成りましたが、さてどうしよう・・・
きさ家の”きこきこ日記”にケーキの無い日は無い?!ということでお決まり
のおやつタイム。昭和区川名の「クークアンボア」に久しぶりにやってきました。
(実はデジカメ撮影NG出されてしまったので、最後に来たのは1年以上前かも)
ここは本格的フランス菓子が堪能出来る貴重なお店。カフェは3つのテーブル
だけ。さすがに日も暮れかけた頃、お客はきさ家のみ。
今日は岡崎から走ったんだから、特別に3つ!モンブラン・中央にた〜っぷり
洋酒が効いています。疲れが吹っ飛ぶ〜!チェリータルト・大のお気に入り、
自家製のチェリー漬の酸味とタルトの生地とのバランス最高!ナポレオン・季節
モノということで500円!さすがに良い苺を惜しげもなく使っています。
すっかり日の暮れた道を、家へと急ぎます。でも風は春のそれ。家に辿り着い
た時には少し暑いくらい。75キロの道程も丁度楽しめた一日でした。